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【WRC】トヨタが目指す「プッシュせずに勝つクルマ作り」

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【WRC】トヨタが目指す「プッシュせずに勝つクルマ作り」
執筆:
2017/02/02 12:14

2017 TOYOTA GAZOO RacingプレスカンファレンスではWRCのトークセッションが行われ、チーム代表のマキネン、ドライバーのラトバラが登壇した。

TOYOTA GAZOO Racingプレスカンファレンス
ヤリ-マティ・ラトバラ, トミ・マキネン, TOYOTA GAZOO Racing
Parco Assistenza Toyota Racing
ヤリ-マティ・ラトバラ, TOYOTA GAZOO Racing
2017 TOYOTA GAZOO Racing
Juho Hänninen, Kaj Lindström, Toyota Yaris WRC, Toyota Racing
Toyota Yarus WRC Plus #11: Kaj Lindstrom, Juho Hanninen
Second place Jari-Matti Latvala, Miikka Anttila, Toyota Yaris WRC, Toyota Racing
TOYOTA GAZOO Racing, 豊田章男社長
Juho Hänninen, Kaj Lindström, Toyota Yaris WRC, Toyota Racing
ヤリ-マティ・ラトバラ, トミ・マキネン, TOYOTA GAZOO Racing
ヤリ-マティ・ラトバラ, トミ・マキネン,豊田章男社長, TOYOTA GAZOO Racing
Yaris WRC, ヤリ-マティ・ラトバラ, トミ・マキネン, 豊田章男社長, TOYOTA GAZOO Ricing
TOYOTA GAZOO Racing yaris WRC

 2月2日に開催された2017 TOYOTA GAZOO Racing プレスカンファレンスで、トークセッション「WRCへの再挑戦」が行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのチーム代表のトミ・マキネン、ドライバーのヤリ-マティ・ラトバラが登壇した。これは、トヨタが18年ぶりにWRC復帰を果たしたことを記念したものだ。

 先月行われたWRC開幕戦ラリー・モンテカルロがトヨタの新たな船出となった。実戦までに2万キロものテスト走行が行われていたものの、"自分たちの実力はどれほど通用するのか"という不安がチームの中にあったという。チーム代表のマキネンは開幕戦を振り返り、そういったチームをリラックスさせようと努めていたというエピソードを明かした。

「モンテカルロでは良いスタートを切れたと思う。だが、着実に準備していったつもりであっても、(ラリー・モンテカルロは)とても難しいコンディションだった。シーズンが始まるまでライバルチームと比べ自分たちの実力がどの程度なのかということがわからず、不安な気持ちもあっただろうが、それでもチームは懸命に働いてくれた」

「そんなチームを私はラリーが始まる前から『笑顔で行こう。ラリーを楽しもう』と鼓舞していた。チームもそれに応え実践してくれていたので、今回のデビュー戦が良い結果になったのだと思う」

 WRC復帰に向けてチームをゼロから作りあげたにもかかわらず、初戦からトヨタの結束力は強かった。イベント中は、サービス中にチームの誰かが大声で指示する訳ではなく、ひとりひとりが黙々と役割を全うしているという雰囲気だったという。マキネンはそのチームの雰囲気に対して、「今回チームを作りあげるのにレスポンスビリティ(責任感)、トランスファレント(組織の透明性、風通しのよさ)、そしてトラスト(信頼性)という3つのポイントを大事にした。今イベントでもこれらの3つの要素をチーム全員が重視できていたと思う」と語った。

 また開幕戦早々、総合2位を獲得したラトバラは次のように付け足した。

「昨年末、トヨタに加入できたことはとても幸運なことであり、僕にとって名誉なことだと感じている」

「新しいチーム、新しいマシン、そして難しいコンディションだったのにもかかわらず、それを乗り越えていけたということはチームメンバーのおかげだ」

ファンに対するアプローチ

 またトヨタは、ファンに対しても新たなアプローチを行なった。その一環として、サービスパークをどのようなブースにするかという課題をマキネンを中心に検討し、普段であればVIPゲストしか入れないブースを一般のファンにも公開。サービス作業を間近で見てもらえるような仕様にしたという。

 トヨタに加入してまだ間もないラトバラも、トヨタのファンに対しても気さくで、ファンからのサインもひとりひとり丁寧に対応していたようだ。

「ファンにはラリーに対する僕たちの感情や情熱を伝えたいと思っているし、今もファンのおかげで走れていると思っている」とラトバラは語った。

「僕自身、幼い頃からラリーの大ファンだった。そういった過去の自分を覚えているから、同じようにラリーの熱烈なファンに”もっとラリーを好きになってもらいたい”という気持ちで接している。そういった気持ちでファンを大事にしていきたい」

 マキネンもそれに同調し、「ファンを大切にするために、今後も改善を続けていきたい」と語った。

”良いクルマ”作りへの思い

 トークセッションの後半には、トヨタ自動車の豊田章男社長がサプライズで登場。マキネンとラトバラはそのサプライズに感激し、豊田社長はラリー・モンテカルロでの功績を労った。

「マキネンと同様、”ファンのおかげで(トヨタは)走れている”という考えに私も同感です。これまでのGAZOO Racingが持っていた理念と合致すると思います」

 豊田社長は今回のトークショーのために豊田社長”名物”モリゾウステッカーをふたりに贈った。

「モリゾウステッカーの中でも”セーフティドライバー”(というステッカー)を選ばせていただきました。今は、いつかふたりが全開でプッシュしなくても勝てるクルマ作りをしている段階です。そのような中、初戦で厳しいコンディションの中であっても、チーム一丸となって完走できたことは、セーフティドライブあってのことだと思います。今季WRCの全13戦が終えた頃には、強いクルマであってほしいという期待を込めて”セーフティドライバー”を贈りたいと思います」とステッカーに込めた思いを語った。

 それに対しマキネンは、「強いマシンにできるよう、これからも1戦1戦データを分析していきたい」と語った。

 マキネンとラトバラから感じられるのは、デビュー戦で新たなチームの団結力に手応えを感じたという自信と、いよいよ火蓋を切って落とされたトヨタの"新たな旅"を着実に成功させたいという思いだった。途中から豊田社長を交えたトークセッションの間に、3人でクルマとの”対話”について語り合うシーンがあった。

「私自身も評価ドライバーのひとりとして、”クルマと語る、道と語る”ということを普段からしています。あなたたちは様々な道と対話していると思いますが、実際どのような対話をしているのですか」という豊田社長の問いかけに、マキネンとラトバラは口を揃えて「クルマを愛する気持ちが、クルマを速く走らせるられるようになる秘訣だ」と答えた。

 TOYOTA GAZOO Racing WRTは、来週に迎えるWRC第2戦ラリー・スウェーデンに向けて準備を行う。

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シリーズ WRC
執筆者 中村理紗