【WRC】ラトバラ「トヨタは意欲が高く、モナコで完璧な仕事をした」

ヤリ-マティ・ラトバラは、新たなパートナーであるトヨタと共に今季開幕戦を2位で終え、トヨタでの初戦に手応えを感じている。

 2017年のWRCで18年ぶりに参戦復帰を果したトヨタ。そのエースドライバーを務めるヤリ-マティ・ラトバラはそのスタート前から明るく、やる気に満ち溢れた表情だった。

 ラトバラがトヨタに移ってきたのは約1カ月前。昨年、フォルクスワーゲンがWRC撤退を発表した後のクリスマス前のことだった。ラトバラがトヨタとの不思議な縁に繋がれていたというエピソードは、トヨタ自動車の豊田章男社長からも語られていた。

 ラトバラは開幕戦の直前に次のように語った。

「3ヵ月前はトヨタの一員としてWRCに参戦するとは全く思っていなかった。僕が生まれて初めて乗ったラリーカーがトヨタだったから、不思議な気持ちだ」

「あまりテストすることができなかったけれど、今はシーズンの開幕に興奮している」

 トヨタのヤリスWRCの印象について、ラトバラは次のように語った。

「ブレーキのフィーリングがとてもいい。今年はエアロダイナミクスの進化でダウンフォースが強くなったし、リストリクターの拡大でクルマが速くなっているから、ブレーキはとても重要な部分だ。エンジンのピークパワーも悪くない」

 もちろんまだ課題も多いようで、「エンジンに関しては全体的に改良しなければならないし、サスペンションのセットアップも煮詰めなければならない。やるべきことは多いけど、ニューマシンのセットアップとしては悪くないと思う」と彼は説明した。

 しかし、それでもラトバラは開幕戦ラリー・モンテカルロを通して終始安定した走りを披露している。彼はデイ1のSS2で16番手に沈んでいたが、翌日のデイ2で4番手まで順位を上げ、最終日デイ4まで力強く走り抜いた。彼は開幕戦のヤリスの印象について次のように語った。

「デイ2までナーバスだったけど、次第にクルマは良くなっていったので自信を持って走れるようになった。ヤリスWRCは十分に戦えるだけのパフォーマンスがある」

 そしてライバルがトラブルで脱落するなか、ラトバラは2位入賞を果たし、トヨタの復帰参戦とヤリスWRCのデビュー戦をポディウムフィニッシュで飾った。

「ドライターマックでのテストはわずか1日しかできなかったから、とにかく慎重に走り続けた。ラッキーな展開だったけど、これがモンテカルロだ。本当に嬉しいよ」と彼の表情は笑顔に溢れていた。

「トヨタは新しいチームだけど、本当にモチベーションが高いし、このモンテカルロでも完璧な仕事をしてくれた」

「今年は新しいチーム、新しいクルマだからとにかく勉強の1年になる。2018年にチャンピオンシップを争うために経験を重ねたい」

 そのうえで、『もし勝てるならどのイベントか?』という筆者の質問にラトバラは少し考えたあと、静かに答えた。

「次のスウェーデンはスノーラリーであり、僕が得意とするイベントだ。テストの感触を見る限り、悪くないと思う」

「あとはホームイベントのフィンランドもトップ争いのチャンスはある。とはいえ、現実に勝てるとするならば終盤戦になると思う。(第11戦目)スペインあたりで勝てるようになっているといいね」

 ラトバラにとってこの短いシーズンオフは激動の7週間だったに違いない。プレッシャーもあったはずだが、それでもチームの期待に応えるように2位入賞することができた。何より驚かされたのはラトバラの表情で、その笑顔には勝利に対する自信が滲んでいた。

 ラトバラの精気に満ちた表情を見たのは、いつの日以来だっただろうか。少なくともフォルクスワーゲンの在籍中にラトバラが輝いていた瞬間はそう多くはない。

 トヨタ、そしてマキネンという新たなパートナーを得て、トンネルから抜け出しつつあるラトバラ。WRC屈指のスプリンターが長き眠りからようやく目を覚ましつつある。

取材・文:廣本 泉

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この記事について
シリーズ WRC
イベント名 ラリー・モンテカルロ
記事タイプ 速報ニュース