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“言葉狩り”にWRCドライバー連帯示す。F1に続きFIA会長に早急な解決求める「興奮状態から瞬時に冷静さを取り戻すのは非現実的」

WRCドライバーたちは、不適切な言葉遣いに対するFIAのペナルティに強く反対する共同声明を発表した。

Mohammed Ben Sulayem, President, FIA

 世界ラリードライバーズアライアンス(WoRDA)を通じて、世界ラリー選手権(WRC)ドライバー/コドライバーが、FIAのモハメド・ベン・スレイエム会長が主導する“言葉狩り”に反対する声明を発表した。

 事の発端は、2月初めに行なわれたWRCラリー・スウェーデン終了後、ヒョンデのアドリアン・フルモーがTV中継で“Fワード”を発したとして計3万ユーロ/約470万円の罰金(うち2万ユーロ/約314万円は執行猶予付き)を科せられたことだ。

 フルモーは、インタビュー中にステージ11のスタートが波乱の展開となったことを指して、「やらかした(f***ed up)」と発言したが、これが“不適切な言葉”の使用を禁じる2025年FIA国際モータースポーツ競技規則第12条2項1.lに違反したとみなされ、FIAの新しいペナルティガイドライン下での最初の犠牲者となった。

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 WRCドライバーたちによる今回の声明は、F1のグランプリドライバーズ・アソシエーション(GPDA)の動きを受けてのモノ。昨年、レッドブルのマックス・フェルスタッペンがシンガポールGPのFIA記者会見で不適切な発言を行なったとして、FIAから社会奉仕活動の処分を下されたことを受け、GPDAはF1ドライバーたちを“大人”として扱うよう声明を発表していた。

 WRCでも、トヨタのセバスチャン・オジェが昨年のアクロポリス・ラリー・ギリシャのオープニングステージ終盤でのオフィシャルに向けた発言により、FIAから執行猶予付きで3万ユーロの罰金を言い渡された。これを受けてオジェ、そしてヒョンデのオット・タナクが抗議としてメディアインタビューにまともに応じないという姿勢を取っていた。

Adrien Fourmaux, Hyundai World Rally Team

Adrien Fourmaux, Hyundai World Rally Team

Photo by: Romain Thuillier / Hyundai Motorsport

 WRCドライバーの声明は、競技者が「審判の決定に従わなければならない」こと、スポーツを「促進」し「向上」させるために利害関係者と協力する責任があることを認めている。

 その一方でWRCドライバーたちは、FIAが科した不適切発言の取り締まりに強く反対。「軽微で単発的、かつ意図的ではない言葉の過ちに対して課される裁定の厳しさ」は「受け入れがたいレベル」に達していると主張した。

 WRCドライバーたちはまた、「意図的ではない言葉の過ち」に対して「何らかのペナルティを科すことの妥当性と有効性」に疑問を呈し、FIAに「法外」で「ラリーの平均的な収入や予算とは不釣り合い」な金額のペナルティに対する透明性の改善を求めている。

「また、これらの罰金で得たお金はどこへ行くのかという根本的な問題も浮き彫りになっている」と声明の一部にはある。

「透明性の欠如は懸念を増幅させ、精度への信頼を損なうだけだ。これらの罰金にまつわる否定的な印象は、言葉の不備による影響をはるかに上回るモノであることは間違いない」

 声明文にはWRC Rally1のドライバー/コドライバー、WRC2の主要メンバー、オジェの元コドライバーでTVプレゼンターに転身したジュリアン・イングラシアが署名を行なった。

WoRDA声明全文

 WoRDAのラリードライバーとコドライバーは、GPDAの仲間たちにインスパイアを受け、共に意見を表明し、明瞭さを求め、より明るい未来に向けて協力する。

 第一に、我々は全てのスポーツがそうであるように、競技者は審判の決定に従わなければならないことを表明したいと思う。この原則の尊重に関しては、何の問題もない。我々は皆、フルタイムのプロフェッショナルではないが、同じ過酷な状況に同じ情熱で立ち向かっている。

 鬱蒼とした森を抜けようとも、真夜中に凍った道路を走ろうとも、危険な砂利道の埃の中を駆けようとも、我々は風雨に、時間に、そして自分自身の限界に挑む。レースの枠を超えて、我々の役割は広がっている。今日、ラリードライバーとコドライバーはアスリートであるだけではなく、エンターテイナーであり、コンテンツクリエーターであり、常にメディアに取り上げられる。

 観客のスマートフォンからWRCの公式カメラまで、競技前、競技中、競技後、夜明けから夕暮れまで、いつでも対応できることが求められている。

 WoRDAは、FIA会長を含む全ての利害関係者と建設的な方法で協力し、全ての人の利益のために我々の卓越したスポーツを促進し、向上させるという責任とコミットメントを常に意識している。

 しかしここ数ヵ月の間に、軽微で単発的、かつ意図的ではない言葉の過ちに対して課される裁定の厳しさが憂慮すべきところまで高まっている。これは受け入れがたいレベルに達している。

 我々は以下のことを強く信じている:

  • 一般的な口語表現を本物の侮辱や攻撃行為と同等に捉え、判断することはできない。
  • 母国語として話さない人は、その意味や含蓄を十分に理解せずに用語を使用したり、繰り返したりすることがある。
  • 極度なアドレナリン急上昇の数秒後、感情を完璧かつ体系的にコントロールすることを期待するのは非現実的である。
  • ラリーは究極の競技。選手にとっての危険度、集中力の強さ、日数の長さ……全ての限界に達する。

 このような場合で、我々は何らかのペナルティを科すことの妥当性や有効性に疑問を感じている。さらに、法外な罰金は、ラリーにおける平均的な収入や予算とは大きく不釣り合いである。

 我々はまた、このような過大な金額がファンの心に与える世間的な印象を懸念しており、この業界が金銭を重要視しない業界であることを示唆している。

 また、これらの罰金で得たお金はどこへ行くのかという根本的な問題も浮き彫りになっている。

 透明性の欠如は懸念を増幅させ、制度への信頼を損なうだけだ。これらの罰金にまつわる否定的な印象は、言葉の不備による影響をはるかに上回るモノであることは間違いない

 我々は、FIA会長とWoRDAメンバーとの直接的なコミュニケーションと関与を求め、相互に合意可能かつ早急な解決策を見出すことを求める。

 スポーツマンシップをもって、WoRDAのラリードライバーとコドライバーより

 セバスチャン・オジェ、カッレ・ロバンペラ、オット・タナク、ティエリー・ヌービル、マーティン・ヴィーデガ、ヨンネ・ハルトゥネン、マルティン・ヤルヴェオヤ、ヴァンサン・ランデ、アドリアン・フルモー、アレクサンドル・コリア、エルフィン・エバンス、スコット・マーティン、グレゴワール・ミュンスター、ルイ・ルーカ、勝田貴元、アーロン・ジョンストン、マルティンス・セスクス、フランシス・レナース、サミ・パヤリ、マルコ・サルミネン、ジョシュ・マクエリアン、エオイン・トレイシー、キャンディド・彼ら、ガス・グリーンスミス、ヨナス・アンデルソン、ヨハン・ロッセル、アルノー・デュナン、オリバー・ソルベルグ、エリオット・エドモンドソン、レオ・ロッセル、ギヨーム・メルソワレ、ダニ・ソルド、ジュリアン・イングラシア

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