
2019年の復活が見送られたWRC日本ラウンド。しかし2020年の開催を実現すべく、関係各所とのコミュニケーションを改善し、存在感をアピールしていくことを目指すという。
2019年の復活が目指されていたWRC(世界ラリー選手権)の日本ラウンド、通称”ラリー・ジャパン”。当初は復活開催は確実とみられていたが、昨年10月に行われたFIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)で承認された2019年のWRC開催カレンダーに、日本の名はなかった。
そのためWRC世界ラリー選手権日本ラウンド招致準備委員会は、新たに2020年からの開催を目指して仕切り直し。昨年11月の新城ラリーの際には、キャンディデイトイベントも実施した。
このキャンディデイトイベントにはFIAやWRCプロモーター、そしてマニュファクチャラーの代表らが訪れ、コースなどを視察。一部問題を指摘されたものの、概ね高評価だったという。そしてPR計画などすべてのロードマップは見直すものの、再び2020年の開催に向けて邁進していくことを誓っている。
2020年開催スケジュールの調整は今年の春には開始される予定で、日本開催が実現するかどうかの最終決定は、秋にも下されるものと考えられている。
2019年開催が実現しなかった最大の要因は、FIAや参戦中のマニュファクチャラー、そしてWRCプロモーターとのコミュニケーション不足とも言われる。WRC日本ラウンドのプロモーターであるサンズの高橋浩司氏は以前、関係先への根回しが不足していた可能性を示唆していた。
この反省を活かし、2020年の開催実現に向け、コミュニケーションの充実化、そして日本の存在感をアピールする活動を、積極的に行っていくという。
「働きかけを積極的にやっていきます。それを”ロビー活動”と言うのかどうかは分かりませんが、情報をより幅広く取っていくことなどは、今年上半期のテーマです」
高橋氏はそう語る。
「まずは開催を決めることが重要です。そのために情報戦だとか、彼らに対して存在感を示すことは積極的にやっていきます。それは、2019年に向けた活動とは違うところだと思います」
「昨年は、WRCプロモーターにすべておまかせという部分もありました。でも今年は、我々としてもセカンドオピニオンを取るようなこともしっかりとしていかなければいけませんし、彼らとは違う視点の意見も聞いていきたいと思っています」
「(2019年の開催カレンダーから)落選した後にはラリー・オーストラリアに視察に行ったり、FIAのGALA(表彰式)にも行きました。今年の開幕戦モンテカルロにも行きます。そうやって、”常にジャパンの担当者が来ていて、色々な人と話をしている”という環境は作りたいと思っています」
東京オートサロンの際に行われた会見で高橋氏は、「落選したからこそ見えたこともあった」とも語っていた。各方面とのコミュニケーションを密にとることで、ラリー・ジャパン開催実現となるか? その動向が注目される。