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2020年愛知・岐阜で開催のラリージャパンへ……テストイベントで見えた課題

2020年に愛知・岐阜の両県を舞台に開催される予定のWRC日本ラウンド”ラリージャパン”。そのためのテストイベントが”セントラルラリー愛知/岐阜2019”として開催されたが、本番のラリージャパンへ向けた課題が浮き彫りになってきた。

Takamoto Katsuta / Daniel Barritt | Toyota Yaris WRC

写真:: Rally Japan

 愛・地球博記念公園をメイン会場とし、11月7〜10日にかけて開催されたセントラルラリー愛知・岐阜2019(Central Rally Aichi/Gifu 2019)。このイベントは、2020年からの開催が決まったWRC日本ラウンド”ラリージャパン”のテストラリーとして計画されたものだ。

 競技はトヨタのヤリスWRCを走らせた、勝田貴元が優勝。愛・地球博記念公園など、合計1万人(岡崎中央総合公園も加えると、約4万人)ものファンが観戦に詰めかけ、注目度が非常に高いことを伺い知ることができた。

 ただ、運営としてはそれを諸手を挙げて喜べるような状況ではなかったという。ラリージャパン運営事務局長の高橋浩司氏は、今回のラリーを次のように振り返った。

「お客様に向けて十分な情報を発信できなかったり、我々がラリーの運営に慣れていなかったり、コミュニケーション不足だったりしたことで、ご迷惑をおかけしてしまった部分やうまくいかなかった部分が山ほどあります」

 高橋氏はそう語った。

「今回のラリーは、来年の組織、手続き、運営の予行演習というのが目標でした。WRCをぶっつけ本番でやるのは、あまりにもリスキーですからね。そして、2020年のラリージャパンとは別予算でやらなければならないということもあり、正直あまりお金をかけずにスタートしました」

「お客様を呼ばない、無観客試合として開催することも、当初は考えました。しかし、トヨタさんにヤリスWRCを走らせていただけるということもあったし、他にもR5車両が数台走ることになり、お客様が見たがる、そんなイベントになってきた……そのため、最低限の観戦エリアを用意させていただきました」

「今回の我々の運営体制では、シャトルバスを使った交通網を用意したり、愛・地球博記念公園全体を借りるだけの予算がなかった。そのため妥協策として、限られた枚数のみチケットを発売させていただきました」

「PRに関しても、同じような理由でできる範囲でのみ行いました。お客様に来ていただくための仕掛けや情報発信は、時間があまりにも足りなかったこともあり、非常に弱かったのは認めざるを得ません」

 また、ラリーに興味のない他の一般の方々への告知も足りなかった。例えば愛・地球博記念公園は、サイクリングなど他のレジャーを楽しむつもりで訪れる方々も多い地。しかしこの日は、ラリーのスペシャルステージのコースに設定されていたため、サイクリングを楽しむことは一切できなかった。にも関わらず、ロードバイクに乗って公園を訪れた利用者が後を絶たなかった。

「サイクリングなど、通常の施設を利用される方々に対して情報をお届けするのは、非常に難しい。そのための手段を、我々は持っていないんです。公園のホームページなどで告知していただく以上のことはできないというのが、正直なところですね」

「ただ、来年(2020年)の規模になれば、もう少し伝わりやすくなるかもしれません。ここでWRCをやるということをもっとPRしていきますし、そうすればその情報がもっと広く届きやすくなると思います」

 愛知県と岐阜県など、地元自治体からの強力なバックアップも受け、開催された今回のラリー。しかし地元住民とのトラブルもゼロではなかったという。

「現地のスタッフへの情報の伝達がうまくいかなかったということもあり、規制区間外のスタート地点手前にあるお店から、お客様が入れないという苦情もありました。ボランティアなど、スタッフへの情報の出し方も、良くありませんでした。仕組みを考えていかなきゃダメだと思っています」

 とはいえ高橋氏は、来季のWRC開催に向け、今回のラリーは非常に良いテストケースになり、非常に有意義だったと語る。

「お客様やエントラントの皆さんにご迷惑をかけたという意味では、(100点中)20点くらいかもしれません。PRという意味でも同様です」

「何が問題になり得るのか、事前には分かりませんでした。それが正直なところです。しかしダメだった部分を洗い出して、来年に向けて改善する……そのためのイベントだったんです。そういうところで、たくさんのダメが出ました。それをひとつずつ潰していくのは大変。ただ、これをやらずにWRC本番を迎えていたら、とんでもないことになっていたかもしれないです」

「いろんな問題点が今はあります。しかし、やらなければいけない具体的なことは見えました。早速明日から、反省会を自治体や警察、そして行政関係とやって、競技関係のチームは来年に向けたコースを組み立て直します。年内かけてしっかりと反省し、年明けには具体的に動き始めます」

「今回、現場で初めて顔を合わせるというスタッフもいました。初めて会う人たちとの仕事という意味では、非常に難しい運営だったんです。でも、火曜日から日曜日まで共に仕事をしたことで、来年はこの人たちとしっかり顔を見ながら準備することができます。そういう意味でも、テストイベントの意義は本当にあったのではないかなと思います」

 FIAからも、様々なレビューが既にもたらされているようだ。

「改善ポイントというか、WRCのレベルに引き上がるためには、ここが足りない、ここはこうしろという部分を、随分ご意見としていただきました。マーシャルの立ち位置、救急やレスキューの配置、そしてコースを閉鎖する時間など、多岐にわたるポイントがありました」

 ただコース自体は、ドライバーたちからも高評価だったと高橋氏は語る。

「岡崎だったり、三河湖だったり、設楽のコースは”素晴らしい”との評価をいただきました。エントラントの皆さん、お客様からそう言っていただけたのは嬉しかったですね。これは、来年のラリージャパンに繋がる結果だったと思います」

「視察に来たWRCのドライバーたちも、同じように言っていました。ミッチ・エバンスと少し話したところでは、タイト(きつく)でツイスティ(曲がりくねって)でナロー(狭い)なところも多いけど、良いところもあるし、素晴らしいコースじゃないかと言ってくれました。攻め甲斐のあるコースだと言ってくれているんです」

「今回の様々なことを反省材料として、改善を積み重ねて、来年のラリージャパンが少しでも良いラリーにできるようにしたいと思います」

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