WRCラリージャパン初日SS1はトヨタのオジェが最速タイム記録も、セッションは新井敏弘のクラッシュにより赤旗

　2022年シーズンの世界ラリー選手権を締めくくる世界ラリー選手権（WRC）の最終戦ラリージャパンが、11月10日（木）に開幕。初日に行なわれたスペシャル・ステージ1（SS1）では、セバスチャン・オジェ（TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team）が最速タイムを記録した。

　愛知県と岐阜県を舞台に19のステージで繰り広げられるラリージャパン。今季のタイトルを総なめにしてきたトヨタ、そして日本人ドライバーの勝田貴元（TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラム）にとっては、トヨタの”お膝元”での母国戦となる。

　2022年大会は12年ぶりのラリージャパンとなるが、以前の開催は北海道が舞台であり、プレイベントとして2019年に開催されたセントラルラリーともステージ構成は異なってくる。そのため2010年大会にも出場していたオジェやセントラルラリーを唯一走った勝田を含め、全ドライバーにとって初体験となる。

　10日の午前中に行なわれたシェイクダウンでは、エルフィン・エバンス（トヨタ）がトップタイムをマーク。ティエリー・ヌービル（ヒョンデ）が2番手、オジェが3番手と続いていた。

　豊田スタジアムでセレモニアルスタートを行なった後、ライトポッドを点けて、各マシンは日の落ちた鞍ヶ池公園のSS1へ。Rally 1クラスでは、ガス・グリーンスミス（Mスポーツ・フォード）を先頭に、全車ソフトタイヤで2.75kmの短いコースを走った。

　SS1でトップタイムを記録したのは、ベテランのオジェ。2分07秒0をマークし、クレイグ・ブリーン（Mスポーツ・フォード）を0.1秒上回った。

　オット・タナック（ヒョンデ）はトップのオジェから0.2秒差で3番手。チームメイトのヌービルが4番手で続いた。

　地元戦となる勝田はラウンドアバウトで軽くマシンを縁石に当てるシーンがあったものの、2分08秒9で7番手となった。

　また、元F1ドライバーで今季の全日本ラリー覇者ヘイキ・コバライネンは全体14番手、Rally 2クラスで5番手となっている。

　なお、SS1はRally 2クラスにシトロエンから参戦している新井敏弘のクラッシュによって、20台出走したところで赤旗が掲出された。新井とコ・ドライバーの田中直哉は病院に搬送されたようだが、容体など詳しい情報は入ってきていない。

　競技長の通達によると、新井の後に走行する予定だった車両はSS1のスタート地点で停車していたが、代替ルートを通るよう指示されており、各車ー律で2分24秒8というタイムが与えられた。結果的に新井のクラッシュをもって、SS1は終了となった。