WRC、ハイブリッド導入の来季から100%持続可能な燃料を使用。FIAのチャンピオンシップでは初
2022年の世界ラリー選手権は100%持続可能な燃料を使用する最初のFIAシリーズとなる。
Sébastien Ogier, Julien Ingrassia, Toyota Gazoo Racing WRT Toyota Yaris WRC
Toyota Racing
世界ラリー選手権(WRC)は、来る2022年シーズンから100%持続可能な燃料を導入することを決定した。FIA管轄下のシリーズでは初の試みとなる。
今回の発表は、先月行なわれたFIAの世界モータースポーツ評議会における電子投票を受けてのことだ。
これによりP1レーシング・フューエルズが2024年末までの3年間にわたり、WRCに「最先端のパフォーマンス燃料」を独占提供することになる。
イギリス・ゴールウェイに本拠地を置く同社は、1リットルあたりのコストや、新燃料に含まれる持続可能性のある要素の割合など、「主要な要素を総合的に考慮し、競合他社と比較しても1番優れた提案をしていた」とFIAに評価された。
持続可能燃料の導入は、昨年11月に開始された3段階の入札手続きのうちの第1段階であり、他2つの要素としては、「2022年からWRCに導入される『ラリー1』規定のハイブリッドカー用プラグイン充電システムのブランド化」と、「サービスパーク用のクリーンエネルギーによる電力生成と供給」が残されている。
ラリー1規定では、1.6リッターのガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせて使用する。二酸化炭素排出量を削減すると同時に、すでに市販車に搭載されている技術を使い、WRC参入を目指す自動車メーカーにアピールするといった狙いもある。
「FIAは、モータースポーツとモビリティを低炭素の未来へと導くことを約束する」とジャン・トッド代表は語る。
「ラリー1にハイブリッド技術と共に持続可能な燃料を導入することで、2022年から始まる世界ラリー選手権の新時代に向けて、大きな一歩を踏み出すことができる」
Craig Breen, Paul Nagle, Hyundai Motorsport Hyundai i20 Coupe WRC
Photo by: Fabien Dufour / Hyundai Motorsport
P1レーシング・フューエルズは、FIAヨーロッパラリー選手権からFIAワールドツーリングカーカップまで、様々な国際シリーズとすでに契約を結んでいる。同社のCEOマーティン・ポピルカは、WRCの新燃料開発は2017年から始まっていたと明かした。
「4年に及ぶ研究と革新の成果である独自の燃料配合は、レーステクノロジーの世界では初めての試みであり、持続可能なモビリティの未来の一部として、二酸化炭素を排出しないエンジンに向けた重要なステップでもある。」とポピルカは語る。
「革新的かつ持続可能なコスト効率の高い燃料を大規模に提供することは、モータースポーツ界だけでなく、自動車産業にとってもエキサイティングなことであり、二酸化炭素を排出しないクルマの量産化が現実に一歩近づいたことを意味している」
WRCプロモーターのCEOであるジョナ・シーベルは、化石燃料を使わない炭化水素ベースの燃料の実現に関わった関係者は「この結果を誇りに思うに違いない」と述べている。
「WRCは、この革新的な燃料を量産車で、実際の道路などあらゆる状況下で開発、検証するための非常に優れたプラットフォームになる。この燃料をWRCで使用することから得られる学びは、最終的に世界中の道路を使う人々の為に活かされるだろう」
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