【WRC2】育成ドライバーの勝田「佐藤選手のインディ優勝は刺激になる」

2015年よりトヨタの若手ラリードライバー育成プログラムに参加する勝田と新井は、その活動について語った。

 トヨタの若手ドライバー、エサペッカ・ラッピが初優勝を獲得するなど、WRC第9戦のラリー・フィンランドでは、ニュースターの活躍が話題を集めたが、我々日本人にとって無視できない存在が勝田貴元、新井大樹ら若手ドライバーふたりだと言えるだろう。

 新井は2005年および2007年のPWRC(プロダクションカー世界ラリー選手権)チャンピオン新井敏弘を父に持つ2世ドライバーで、2013年に当時19歳でJRC(全日本ラリー選手権)にデビュー。一方の勝田は1969年のJRC王者・勝田照夫を祖父、JRCで6回に渡ってタイトルを獲得する勝田範彦を父に持つ三世ドライバーで、FCJやF3を経てラリー競技に転向している。

 つまり、ともに24歳の両ドライバーはまったく異なるキャリアを持つが、2015年よりトヨタの若手ラリードライバー育成プログラムに参加。トミ・マキネン・レーシングのサポートのもと、フィンランドでトレーニングを開始した。

 このことについて勝田によれば「国内でラリー競技を始めた頃はレースをやりながらラリーも試しに出てみようという感覚でしたが、この育成プログラムに参加してからは、ラリーのプロドライバーになりたいと決意しました」とのことで、新井も「国内でラリーを始めた頃は大学生の遊びでしたが、今はプロになることを意識しています」と意気込みを語る。

 こうして両ドライバーは2015年よりフィンランド選手権で実戦トレーニングを開始し、2016年にはラリー・フィンランドでWRC2クラスにデビュー。2017年はラリー・ポルトガルやラリー・イタリア、そして2度目のラリー・フィンランドなどWRCでの活動が拡大している。

 この活動を通して成長できたことに勝田は「クルマのコントロールとペースノートの精度が上がってきました」と語った。

 一方の新井も、「今までドライビングやセッティングについて親父(新井敏弘)は教えてくれなかったので、ブレーキングだけを見ても大きく変わりました」と語るように、このトレーニングよって両ドライバーは大きく成長しているようだ。

 事実、昨年の大会と比較しても、レース競技からラリー競技に移籍してきた勝田は完全にラリードライビングに切り替わっているほか、予想外のマシントラブルにも冷静に応急処置を行えるだけのメカニカルな知識も備わってきたという。一方、度重なるマシントラブルに祟られた新井も安定した走りを披露するなど確実な成長が見て取れた。

 残念ながら両者ともにデイ4でコースアウトを喫し、リタイアすることとなったが、海外武者修行によって大きくスキルアップしていることは疑いようがない。

 また佐藤琢磨がインディ500を制するなど近年では日本人ドライバーが海外モータースポーツで活躍を見せている。

「佐藤選手のインディ優勝は刺激になります。そのほか、テニスの錦織圭選手も海外での体調管理が参考になっています」と勝田。

「僕は高校までサッカーをやっていたので海外チームで活動するサッカー選手に興味があります。彼らの活躍は刺激になりますね」とも語る。

 彼らも、他スポーツの偉人らと同様に海外で活動するアスリート。今後の躍進に期待したい。

文・取材/廣本泉

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シリーズ WRC
記事タイプ 速報ニュース