“自由な”レディングはMotoGPに向いていなかった? WSBK移籍は大成功か
2020年はスーパーバイク世界選手権に参戦するスコット・レディングだが、古巣プラマックのチーム代表はレディングはMotoGPの“プロフェッショナルな側面”に苦戦していたため、WSBKの方が彼により合致していると考えている。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
2014年から2018年までMotoGPに参戦したスコット・レディング。彼はグレシーニ・ホンダ、マルクVDS、プラマック、アプリリアとチームを渡り歩いてきた。
しかしアプリリアでは序盤戦の段階で放出が決定され、そのままMotoGPを去る結末に繋がった。
2019年からはスーパーバイクへと参戦の場を移し、BSB(ブリティッシュスーパーバイク選手権)で活躍。初年度でタイトルを獲得し、2020年シーズンはスーパーバイク世界選手権(WSBK)のドゥカティファクトリーチームのシートを勝ち取った。
WSBKでもレディングは速さを示しており、開幕戦オーストラリアでは行なわれた3レース全てで表彰台を獲得している。
こうして見事な復活を見せたレディング。そうした現状についてプラマック代表のフランチェスコ・グイドッティは、レディングが“現代の”MotoGPへの対処に苦戦していたが、より家族的な面があるWSBKで活躍の場を見出せたと考えている。
「彼には素晴らしい才能がある。しかしMotoGPは彼にとって少し厳格なものだった。なぜなら多大な努力と集中が要求されるからだ」
グイドッティ代表はmotorsport.comにそう語った。
「精神的な作業が多く、80年代や90年代のモーターサイクルレースでは殆どなかったプロセスを受け入れなければならないんだ」
「スコットはとてもピュアな精神をしていて、より厳格でプロフェッショナルな側面を受け入れるのに苦労していた。残念ながら、技術と投資に満ちたモーターサイクルレースのトップに立ちたければ、そうしたルールも受け入れて従わなければいけないんだ」
「彼は非常に自由で奔放な気性で、今のMotoGPのそういった側面を受け入れることに苦労していた」
「BSBではとても上手く彼自身を表現していると思う。あそこで彼は勝利しているけど、彼のライディングスキルの面では、チャンピオンシップの平均を遥かに超えている。おそらくスーパーバイクというのは、彼にとって自分を上手く表現できる適切な環境なんだろう」
レディングがMotoGPからWSBKへの転向で成功を収めようとしている一方、逆にWSBKからMotoGPへの転向したライダーは、2015年のユージン・ラバティとロリス・バズ以来現れていない。
ただ最近になって、ヤマハのWSBKライダーであるトプラク・ラズガットリオグルが将来MotoGPへ転向する可能性があると考えられるようになった。彼のマネージャーがMotoGP転向の可能性を認めたためだ。
グイドッティ代表はラズガットリオグルの転向が成功する可能性を秘めていると考えているが、現在23歳の彼はあまり待つ時間は無いだろうとも指摘している。
「彼はまだ挑戦できると思う」と、グイドッティ代表は言う。
「依然としてそれができる年齢だからね。ただあまりにも待ちすぎると、適切なタイミングを失うリスクが有る」
「まだ数年は猶予があると思うが、スーパーバイクにあまりに長く打ち込む前に移籍を試みると思う。まだ精神的に変化する傾向があり、肉体的に無傷で自分に自信を持ったライダーが来れば、それも可能だ」
「もし彼がスーパーバイクにのめり込み、それでいて勝てていない場合、自信は失われてしまうだろう。そして理想的なメンタルコンディションでMotoGPに参加することは叶わなくなってしまうだろうね」
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