フル参戦1年目、もてぎに凱旋する道上龍「理解度は確実に上がった」

今週末にツインリンクもてぎで開催されるWTCC日本ラウンド。フル参戦1年目を過ごし凱旋する道上龍に、期待感を語った。

 いよいよ今週末に行われるWTCC(世界ツーリングカー選手権)日本ラウンド。舞台はもちろん、ツインリンクもてぎである。

 このもてぎでのレースに昨年に続き挑むのが、道上龍である。昨年の道上はスポットという形での参戦だったが、今年はフルエントリー。母国凱旋レースということになる。

もてぎ用新エンジンは”ドライバビリティ”が向上

Ryo Michigami, Honda Racing Team JAS, Honda Civic WTCC
Ryo Michigami, Honda Racing Team JAS, Honda Civic WTCC

Photo by: FIA WTCC

 フル参戦1年目、しかもこれまで経験してきたカテゴリーとは異なる部分が多く、シーズン前半は苦戦を強いられた道上。しかし後半戦になるにつれて成績も向上。前戦中国ラウンドではオープニングレースとメインレースのいずれも、9位入賞を果たした。

 ただこの中国戦でも、道上は平穏な週末を過ごしたわけではない。大雨に見舞われたためタイヤのグリップに苦労し、その上予選ではエンジントラブルにも見舞われたのだ。

「予選が始まったら、エンジンが吹かなくなってしまったんです」

 そう道上は説明する。

「通常ならタイムがどんどん上がっていくんですが、逆にどんどん力がなくなっていきました。Q1はなんとか突破できたんですが、Q2ではどんどんタイムが落ちていきました……だから、決勝に向けてエンジンを載せ替えたんです」

 道上はこのエンジン交換でグリッド降格ペナルティを受けたが、この時マシンに乗せられた新エンジンは、ホンダがもてぎ用に準備していたものだった。

「エンジンの調子は良かったです」

 そう道上は語る。

「もてぎ用のエンジンを事前に入れてしまおうということになりました。その方が、何か問題が起きた時にも潰しておくことができるということで。ドライでは走れていないですが、調子は良さそうでした」

「以前のエンジンと比べて何が良いかと言われると、ちょっと分からないですが、少なくとも自分が扱いやすいエンジンにはなっています。ホンダさんと無限さんで、かなりのテコ入れをやっています。いきなり『うおーっ! すごいパワーだ』という感じではないですが、扱いやすいんで、それなりに速くなります。他にも、エアロパッケージやジオメトリなど、車両のバージョンも上がる予定です」

WTCCマシンに”慣れつつある”

Ryo Michigami, Honda Racing Team JAS, Honda Civic WTCC
Ryo Michigami, Honda Racing Team JAS, Honda Civic WTCC

Photo by: FIA WTCC

 WTCCマシンは、かつて道上も出場していたJTCCと同じFF(フロントエンジン・前輪駆動)ツーリングカーのレースである。しかしその特性は極めて異なり、慣れるのに苦労したと道上は語る。しかし今年1年間参戦し走行を積み重ねてきたことで、「慣れつつある」ようだ。

「JTCCはFFを感じさせないようなグリップレベルでした。しかしWTCCは全然違う。市販ベースの要素が強く、それでいて400馬力という超ハイパワーのエンジンを積んでいる。難しいですよね」

 そう道上は語る。

「でも慣れもありますし、クルマの走らせ方やセットアップも分かってきました。パワーがあるFFなので、フロントを使えるようにしなきゃいけない。自分が頑張らなきゃいけない部分とそうじゃない部分があって、それもうまくコントロールしなきゃいけないんです。やみくもにアクセルを踏めばいいってもんじゃない。レースでは、タイヤのことも考えての走らせ方も分かってきました。あとは予選一発のタイムの出し方を、もう少しできるようになったらなと思います」

 前述の通り、WTCC日本ラウンドへの挑戦は今回で2回目。道上は「去年よりも楽に臨める」と語る。

「去年は訳の分からない中で走って、『WTCCってこんなレースなんだ』という感じでした。久々のレースだということもあったし、うまくいきませんでした。自分ではもうちょっとできるかなと思っていたんですけどね」

 そう道上は言う。

「でも周りのレベルは高かった。今もそれは感じるんですが、クルマへの理解度は確実に上がっています」

「実は先月、自分のシビックを持って行って、もてぎのスポーツ走行に参加して練習してきました。1年ぶりのもてぎになるんでね。そういうこともできたりするので、挑む上でも楽です」

ファンを”楽しませる”ことに積極的なWTCC

Ryo Michigami, Honda Racing Team JAS, Honda Civic WTCC
Ryo Michigami, Honda Racing Team JAS, Honda Civic WTCC

Photo by: FIA WTCC

 もちろん勝利を目指すと意気込む道上。不安要素はあるものの、表彰台フィニッシュは狙いたいと語る。

「ホンダのハンデウエイトは、最大の80kgになってしまいます。そのため、クルマがどんなパフォーマンスを発揮できるのかは分からない部分もあります」

「でも去年はホンダが1-2-3をやってるくらいですし、少なくともそれくらいのレベルで走れれば、表彰台くらいはついてくるかもしれないです」

 ツインリンクもてぎのイメージのひとつとして、”オーバーテイクが難しい”という要素がある。でも、WTCCではそんなことはなく、激しいバトルが見られるはずだと道上は説明する。

「WTCCは抜けないと言われるサーキットでも抜きに来ます。だから、どこでもバトルが見られると思いますよ。ダウンヒルエンドの90度コーナーはもちろん、3コーナーの入り口とか5コーナーもパッシングポイントですね。彼らは、ちょっとでも隙があると、飛び込んで来ますから。でも僕の理想は、あくまで前方からスタートして、そのまま逃げ切るというレースです」

「WTCCはレースのバトルはもちろん面白いですし、多くの自動車メーカーが走っているので見た目にも分かりやすい。自分が乗っているクルマに非常に近いクルマが走るカテゴリーですから」

 これまで様々なカテゴリーのレースに参戦してきた道上。その中でも、WTCCはファンを積極的に楽しませようとしているイベントだと感じているという。

「WTCCはファンとのふれあいを重要視しています。去年のもてぎでも、いろんなイベントがありましたから。世界選手権ですが、そういうことを積極的にやっています。ドライバーも、面白い人たちが多いですよ」

 台風の影響でマシンをはじめ貨物の到着が遅れている。そのため、WTCCの日本ラウンドは日曜日1日で予選〜オープニングレース〜メインレースを実施することになりそうだ。凝縮された1日には、多くのバトルも詰め込まれるはず。そんな中、道上はどんな活躍を見せるだろうか?

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この記事について
シリーズ WTCC
イベント名 もてぎ
サーキット ツインリンクもてぎ
ドライバー 道上 龍
チーム Honda Racing Team JAS
記事タイプ 速報ニュース