道上龍、マシンが届かずオープニングレースはグリッドペナルティ確定
WTCC日本ラウンド、フリー走行1回目で3番手となった道上龍だが、マシン輸送の問題でグリッドペナルティが避けられない状況だ。

ツインリンクもてぎで開催されているWTCC日本ラウンド。母国レースで注目が集まる道上龍(ホンダ)だが、何と今回のレースで彼が使用するマシンが現地に届かないというハプニングが発生。急きょ組み上げたマシンに新しいエンジンを載せるため、オープニングレースでのグリッド降格ペナルティを回避できない状況となった。
前回の中国ラウンドから船便で日本に運ばれる予定だったWTCCマシンと各機材。ただ、道上が駆るマシンは諸般の事情により別途空輸で日本まで運び、作業を行う予定だった。しかし、10月18日に開催された中国の共産党大会の影響で空輸が困難な状況となり、慌ててWTCCの船便コンテナに切り替えようとしたが、それも間に合わず。その後別の船便を手配したが、結局レースウィークに間に合わなかった。
このため、道上のマシンは急遽現場で新しく組み上げることになった。
「色々な事情があって早めに空輸便で送ろうとしましたが、中国の党大会の影響で飛べなくなって、急遽WTCCのコンテナに切り替えようとしましたがそれも間に合わず…でした」
「もともとシャシーはバージョンアップしようとしていたんですけど、その他のアーム類とかの部品はWTCCのコンテナに入っていたスペアを使うしかなかったので、コンテナが到着してからでないと作業ができずバタバタしてしまいました」と語る道上。
土曜日の午前中も彼のピットではメカニックたちが慌ただしく作業を進めており、セッションが始まってからようやくアライメント調整をするという状況で、道上もフラストレーションが溜まっているようだったが、フリー走行1回目では見事3番手タイムをマーク。上々の走り出しとなった。
「フリー走行も間に合わないかなと思っていましたが、何とか走ることができました。バタバタで組んだ割にはちゃんと走ってくれて良かったです」
「慌てて組んでいるから、メーターパネルもちゃんと動いていない状況だったのですが、パッと走った時に変な感じが全然しなかったので、その流れで明日も行きたいですね。でも、明日になれば周りも絶対に合わせてくるから、もうちょっと自分のペースを上げて行きたいです」
ただ、問題は従来使用していたエンジンも届かないということ。予備で用意してあったエンジンに積み換えることになるため、オープニングレースはペナルティで最後尾までグリッド降格することが決定。それでも道上はメインレースに向けて、少しでも前の順位につけたいと語った。
「問題はエンジンが中国ラウンドで使用したマシンに積んだままで届かないので、エンジン交換をしなければいけなくなります。なので、予選でペナルティを受けてしまうことになります。FIAにも状況を説明しましたが、ダメでしたね」
「明日は予選を頑張ったとしてもオープニングレースは後ろに回されることになります。なので、できる限り予選を頑張ってメインレースで前からスタートできるようにしたいです」
取材・執筆/吉田知弘
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