3年振り現役復帰。道上龍は「ケンカレース」と言われるWTCCをどう闘ったのか?

道上にとってWTCCのデビュー戦は、11位と17位というほろ苦い結果。しかし、レースから得た経験は得難いものだった。

 世界11カ国を転戦して争われるのが、世界ツーリングカー選手権シリーズ(WTCC)だ。第9戦目となる日本ラウンドは、昨年に続き2回目の開催となるツインリンクもてぎで行われた。

 日本ラウンドには、レース復帰3年振りとなる道上龍がホンダ・シビックで参戦。地元レースとなるホンダは、この道上を加え6台という大挙エントリーで地元凱旋を狙う。ライバルのシトロエンが5台、シボレーとラダが3台、ボルボが2台の合計19台で日本ラウンドは争われた。

手応えを感じたレース1

 WTCCの決勝レースのレース1(オープニングレース)のスターティンググリッドは予選10位がポールポジション位置に付けるリバースグリッド方式。10位から1位までが逆グリッドとなり前方を埋める。予選11位からは、予選順位のまま決勝グリッドに並ぶという形態となっているため、道上は15番手からのスタートとなった。

 決勝レース1は立ちこめていた雨雲が一気にどこかに消えて晴天となり、非常に湿気の多い中でスタートとなった。

 道上のスタートはまずまずで、混戦の中をうまくすり抜けてオープニングラップを3台抜いた12番手で帰ってくる。接近戦となり、熾烈なポジション争いとなる中で3台を抜いた道上の走りにファンの期待は高まる。

 2周目以降、道上は2分フラットで周回を重ね、12番手のポジションをキープ。トップ集団が1分59秒前半から中盤で走っていることを考えれば、なかなかのペースだと言える。

 そして5周目、9番手を走行していたメディ・ペナー(シトロエン)にペナルティが課されて道上は11番手にポジションアップ。あとひとつ順位を上げれば、初出走となるWTCCでポイントを獲得できる。

 だが残念ながらオープニングレースでの道上は、結局13周目のゴールまで、ポジションはそのまま。惜しくも入賞とはならなかった。

 レース後に道上選手は「久々のレースでしたけど、レース1を走り終わって、自分ではまだ走れるのかなと思いました」とコメントしている。それだけにレース2(メインレース)の道上の走りには関係者からの期待が高まった。

気温、タイヤマネジメント。WTCCの奥深さ

 レース2は予定通り、15時50分にスタートとなった。

 道上はこのメインレースでもオープニングラップで順位をひとつ上げて、2ラップ目に突入。

 だが2ラップ目以降、なかなかペースが上がらない。トップ集団が1分59秒前後でラップする中、道上のペースは2分1秒台に留まる。道上より前を走るマシンはいずれも2分フラットからそれを上回る中で苦戦を強いられている。

 そして8周目の3コーナーで、後から追いついてきたヒューゴ・バレンテ(ラーダ)にクロスラインで抜かれてしまい15番手にダウン。さらにこの周にはトム・コロネル(シボレー)にも前に行かれ16番手となってしまう。

 レース終盤となった12周目の2コーナーで、今度はジョン・フィリッピ(シボレー)にインを刺されて17番手。ラップタイムも2分4秒から5秒台と大きく落ち込んでいた。

 結局、道上は14周のレース2を17位という屈辱のポジションのチェッカーフラッグを受けた。

 レース2のゴール後、道上選手のコメント聞いて決勝のペースが遅かった理由が明確になった。

「岡山国際サーキットでの事前テストからそうだったんですけど、熱さを凄く感じていて……室内に何も空気が入って来ないんです。無風状態なんですよ。それで自分ではクールスーツを第1レースから使っていたんです。レース1は問題なかったんですが、レース2ではすぐにクールスーツが効かなくなってきて、というよりお湯が循環し始めたんです。それで右側にあるクールスーツ用のコネクターを走行中に外そうと思って何度か試したんですけど、運転中どこに有るのか見えないし、解らなかったんで、結局はスイッチを切ったんです。だけどお湯がカラダを包んだままでした。それでペースが落ちて行った状況だったと思うんです。最後は脱水症状になりかけていた感じだったので、マシンを降りてから、すぐに医務室に行きました」

「スタートで1台、自力で抜いて順位が上がってきたんですけど、タイヤの使い方が凄く難しくて、最後まで解らなかったですね。13周とか14周のレースの中に色々な要素が詰まっていました。特にフロントのアンダーステアがどんどん厳しくなってきて、それをどうやって克服してゴールまで持っていくのかっていうのが最後まで解らなかったですね。5周目くらいまでは行けるんですけど、その後が難しくなってくるんです。ブレーキもなかなか行けなくなるし、パワーアンダーも出るし、オーバーステアも時々出るし、そこら辺のコントロールを他の人たちが皆どうやって走っているのか……もう少し走り込んでみないと、とは思いました」

「WTCCという大きな舞台でどういった闘い方をしたらいいのか、流れも掴めていないまま終わったんですけど、最後までちゃんと走りきれましたし、WTCCのコツコツと当てられたりする激しい経験もできたので、良い経験させてもらえたなって思いました」

取材・文/山本亨

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この記事について
シリーズ WTCC
イベント名 ツインリンクもてぎ
サブイベント 日曜日
サーキット ツインリンクもてぎ
ドライバー Ryo Michigami
記事タイプ 速報ニュース