WTCC日本人初表彰台、道上龍「オープニングレースのPPを狙っていた」

マカオでWTCC日本人初表彰台を獲得した道上龍。彼はオープニングレースでの”リバースPP”を狙い、予選でペースを落として走ったという。

 11月16〜19日に中華人民共和国マカオ特別行政区の市街地を一時的に封鎖した公道コース、1周6.120kmのギア・サーキットで開催された第64回マカオGP・世界ツーリングカー選手権(WTCC)の第9大会オープニング・レースで、道上龍(ホンダ)が日本人として初めてWTCCの表彰台に立った。

「日本人初というのは先ほど聞き、とても光栄に思っています。レースはスタートで少し失敗しました。とにかくトム(・コロネル)さんをオーバーテイクしようと。自分はストレートが速いのは分かっていましたが、彼も山側のセッションが速くて、詰め寄ることはできませんでした」

 道上はそう記者会見場で話し始めた。

 もっとも、実際には何度もストレート・エンドのリスボア・ベンドでトム・コロネル(シボレー)に迫り、「道上が後ろから何度もアタックを掛けてきたから冷や汗をかいた」と2位のオランダ人は苦笑い。もしコロネルが僅かなミスでも犯せば、道上には2位の可能性もあった。一方で道上の背後にはドライバーズ・ランキングで首位を行くテッド・ビョーク(ボルボ)がいたが、道上の表彰台登壇を脅かすような場面はなかった。

 今季のWTCCは残すところカタールの最終大会のみだ。

「ホンダは今チャンピオン争いをしている中で、どうしても初めてWTCCで走る僕が強いドライバーたちと戦って上位を目指すのは、前半戦は非常に苦しかった。後半戦は自分の走りができるようになり、残りのレースでホンダがチャンピオンシップを獲れるように、そしてノルベルト・ミケリスのチャンピオン獲得を少しでも援護できれば良いなと思っています」と道上は締めた。

 シーズン前半戦は道上自身の経験不足もあったがクルマのトラブルも少なくなく、ようやく歯車が噛み合い始めたのはシーズン後半に入ってからである。そして迎えたシーズン終盤のマカオGP、予選ではQ2進出を果たした。

「Q2でトップ5に入れるタイムまで届かないのならば、リバース・グリッドとなるオープニングレースのポールポジションを狙おうと。実際Q2は抑え目に調整して走った。結果は7番手で、暫定の4番グリッド(上位ドライバーのエンジン交換で3番グリッドに浮上)。もし、本気でアタックしたら何番手まで上がれていたかは分からない。僕はセクター1が速く、山側で抜かれなければ、海側で離せると思うのでチャンスはある」

 そう道上は語った。

 迎えたオープニングレース、道上は冒頭のとおりの輝かしい結果を残したのである。WTCCの未来については不透明な部分が大きいものの、44歳にして再び世界に挑戦して彼が得た貴重な経験をここで途切れさせてしまうのはもったいない。いかなるシリーズであれ、来年以降も道上が世界を舞台に戦っている姿が見られたらと願って止まない。

取材・執筆/石井功次郎

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この記事について
シリーズ WTCC
イベント名 マカオ
サブイベント Saturday race
サーキット Circuito da Guia
ドライバー 道上 龍
チーム Honda Racing Team JAS
記事タイプ 速報ニュース