WTCC、TCR規定踏襲して2018年より"ワールドカップレース"へ
WTCCはTCR規定の車両規則を採用する形で2018年に"ワールド・ツーリング・カー・カップ"として生まれ変わることが決定した。

WTCC(世界ツーリングカー選手権)はTCR規定の車両規則を採用する形で2018年に"ワールド・ツーリング・カー・カップ(WTCR)"として生まれ変わることがFIA世界モータースポーツ評議会で決定した。
WTCC主催者であるユーロスポーツ・イベントは、2018年から適応されるTCR規定の使用契約をTCRのプロモーターであるWSCとFIA間で締結。なお、WTCCは2014年からTC1規定を3年ごとに適応しているため、このレギュレーションを2019年まで残すことを決定した。
これによりFIA世界選手権としてのWTCCは今季限りで終了し、代わりに『WTCR(ワールド・ツーリングカー・カップ)」として開催されることになる。
なおWTCRではファクトリーチームのエントリーは許可されないが、メーカーによる技術的なサポートをチームに行うことは許される。
2004年、ヨーロッパ・ツーリング・カー・カップ(ETCC)に世界選手権のタイトルが懸けられてWTCCとなった際、ETCCは廃止した。これと同じく、現在開催されているTCRインターナショナルシリーズも新しく誕生する『WTCR』にとって代えられることになる。
先月、パリのツーリングカー委員会で出されたこの最終的な提案は全会一致で採択された。この合意は、水曜日にパリで行われた世界モータースポーツ評議会後に正式なものとなった。
WTCCプロモーターであるユーロスポーツ・イベントのフランソワ・リベイロ代表はMotorsport.comの取材に対し、このように語った。
「彼(マルセロ・ロッティ/TCRの創設者)は、TCR車両を生産、公認し、販売しているメーカーにとって非常に良いコンセプトを作り出した」
「我々はそれにふさわしいプロモーションの水準と財政的な持続力を提供することができる。これにFIAを組み合わせることで、スポーツ面や技術面で世界戦としてふさわしい競争を行うことができる」
WTCRは2日開催のイベントとなるが、リベイロ代表が提案している1イベント3レース形式に切り替える予定だという。
その内容としては、イベント初日の朝に2回のプラクティスセッションが行われ、その後に30分間の予選セッションと第1レースが開催される。
2日目は現在のWTCCで採用されている予選とオープニングレース(リバースグリッド方式)、メインレースを開催することになるという。
シーズンエントリーは最大26台であるが、ユーロスポーツとFIAからの承認を得た場合、各イベントで2台のみワイルドカードエントリーが可能となる。
現在WTCCやTCRインターナショナルシリーズに参戦中のチームは参戦優先権が与えられ、12月15日より申請することが可能となる。
新たに始動するWTCRは、ユーロスポーツ・イベントが主催することになる。なお、2019年までTCR規定の内容に変更は行わないとする。参戦対象となるうのは、WSCが認可し、およびFIA WTCRパスポートを授与された車両のみとなる。
FIAはTCRと協力して、各イベントでのBoP(性能調整)を計算する予定だ。また2018年のカレンダーについての公式発表はまだないが、リベイロ代表によると今季のWTCCのスケジュールの大半に沿う形になる模様だ。
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この記事について
シリーズ | WTCR |
執筆者 | Jack Cozens |