「ファクトリーマシンが必要」中上貴晶、来シーズンは最新型の供給を要求
LCRホンダの中上貴晶は、2020年以降の契約交渉においてファクトリー仕様のマシンの供給を求めていることを明らかにした。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
短い夏休みを挟み、いよいよ後半戦に突入するMotoGP。例年、夏休みに入ると来季に向けたライダーズマーケットの動きが活発になり、様々な噂も流れるようになるが、今シーズンはそういったものは少ない。それは大多数のライダーの契約が2020年まで続くものになっているためだ。
来年以降の契約延長が公表されていないライダーのひとりに、中上貴晶(LCRホンダ)がいる。中上は今シーズン安定した成績を残し、自己ベスト5位を記録するなど着実な成長を見せているが、今のところ契約延長の発表は行われていない。
今週末からチェコGPが開幕するが、木曜日に行われたインタビューの中でこうした契約延長の話題について訊かれた中上は、ファクトリー仕様のマシンを巡って交渉を行っている最中だと内情を明かした。
「まだホンダと合意には至っていません。僕は主張を述べていますが、条件に関して意見が合わないんです。HRCと僕との間でベストなバランスを見出そうと試みていますが、今のところはまだ合意できていません」と中上は言う。
なお交渉中の段階で来季の中上に供給されるマシンがどの型になっているのかを尋ねると、彼は“1年落ち”だと語った。
「彼ら(HRC)はそう言っていますが、それについては同意できません。なぜかといえば、僕は完全にファクトリーと同一ではないにしろ、少なくともカルと同じ状態を求めているからです」
「まだ時間はあります。数週間後にどうなるか見てみましょう。ただ、割と早い(段階で話がまとまる)だろうと僕は考えていますが」
そう語った中上。今シーズンはホンダ勢の中で唯一型落ちのマシンを駆って戦っていることもあり、マシン開発の重要性を痛感している様子だ。
「今のMotoGPでは、多くのライダーがファクトリーマシンを手にしています。前年仕様のマシンがダメだと言いたいわけではないんですが、やはり(ファクトリー)マシンは改善し、成長してきます」
「言うまでもありませんけど、今の環境ではラップタイム1秒の間に15人や16人のライダーがひしめいています。そのため、コンマ1秒やコンマ2秒の違いで、ポジションは5つや6つ変わってしまいます。HRCの立場も理解しますが、それでも僕は自分の考えをプッシュしていきます。どうなるか見てみましょう」
と、中上はファクトリーマシンの必要性を語ったが、その実現可能性については“五分五分”と答えた。
「(実現するかは)五分五分ですね。直近の2レース、アッセンとザクセンリンクは不運でした。そしてこれからの2レース、ここブルノとレッドブルリンクが、チャンピオンシップにとっても、そして僕の将来にとっても非常に重要なものになるはずです」
中上は久しぶりに現在最高峰クラスにレギュラー参戦することになった日本人ライダーだ。彼が日本人であることは同じく日本企業でもあるホンダとの交渉にあたって有利に働いている部分があるという。
「Moto3には多くの若い才能をもった日本人ライダーがいます。ただMoto2では哲(長島哲太)だけであり、MotoGPには僕だけです。これは日本でのマーケティングにとっては難しいものです」
「成長し良い結果を残すためには、良いマシンが必要です。これは僕の考えです。ホンダが何を考えているのか見てみましょう」
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