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2021年のF1日本GPは、予定通り開催できるのか? モビリティランド田中薫社長に訊く

10月10日に決勝レースが予定されている2021年のF1日本GP。しかし新型コロナウイルスの感染はまだ収まっておらず、直前に開催が予定されていたシンガポールGPは中止に……今年、鈴鹿にF1はやってくることができるのだろうか? モビリティランド社長に訊いた。

Valtteri Bottas, Mercedes AMG W10 leads Sebastian Vettel, Ferrari SF90Charles Leclerc, Ferrari SF90, Lewis Hamilton, Mercedes AMG F1 W10 and Max Verstappen, Red Bull Racing RB15 at the start of the race

写真:: Mark Sutton / Motorsport Images

 2021年のF1日本GPは、10月10日に鈴鹿サーキットで決勝レースが行なわれる予定となっている。

 2020年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、開催することができなかったF1日本GP。F1の日本GPが開催されなかったのは、1987年以降では初めてのことだった。

 今シーズンについては前述の予定通り開催することが目指されている。しかし新型コロナウイルスの猛威はまだ収まっておらず、日本GP観戦チケットの発売は8月に遅れており、さらには直前に予定されていたシンガポールGPは中止が決定。今年も日本でF1が見られないのか……と不安に思われている方も多いだろう。

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 現在の開催可否の見通し、そして準備の状況はどうなっているのか? 鈴鹿サーキットを運営するモビリティランドの田中薫社長に訊いた。

「あと4ヵ月、準備を万全にして、ぜひF1日本GPを開催したいと思っています。開催のためにできることはすべてやる……今申し上げられるのはそれだけですね」

 田中社長はそう語る。

 では通常の開催時と比べて、コロナ禍での開催に向けての調整・準備はどんな違いがあるのだろうか? 田中社長はこれについて、次のように語る。

「F1の場合は、プレイヤーのほとんどが外国人です。現在の日本は、基本的には海外からの入国は拒否ということになっていますが、関係者の入国許可を得なければなりません。そのために、統括団体のFOMやFIAと協力して、ソーシャルバブルの形成をはじめとした徹底した防疫体制を構築しなければいけません」

「今年は人員の数を絞っていますが、それでも1000人以上の規模の外国人が入国することになります。それを完全にコントロールするというのは、これまで誰もやったことのないことです。チームやドライバー、そして関係者が入国できなければ、何も始まらない。そのための準備をするというのが、普段とはまるで違うところです」

 これは当然モビリティランドだけで行なう仕事ではないが、そんな中でも宿泊施設の確保等で、担当者は日々奔走しているという。

「ソーシャルバブルを形成するためには、ホテルを一棟借り切るとか、フロア全体を抑えるなどして、他の方々と交わらないようにしなければいけません」

「食事も、他の方と接触しないように摂っていただく。また、ホテルとサーキットの移動中も立ち寄り一切なし、また空港から鈴鹿への移動に公共交通機関は使えませんから、専用車両を手配しなければいけません。そういうことを積み上げていっています」

■日本政府とはどんな交渉が行なわれているのか?

 とにかく入国許可を得ることが現在の課題だと言えそうだが、政府とはどんな形での交渉が行なわれているのだろうか?

「関係省庁に対して、以前より一体となってくださっている三重県から働きかけもしていただいています。それから、各種レース主催者・開催者の団体であるモータースポーツ連絡会として、JAFや自工会(日本自動車工業会)のサポートをいただきながら、準備を進めています」

「防疫体制の構築については、オリンピックの開催にあたって設定されるルールがある程度の基準になると思います」

「ただ基本的にはというところです。1000人以上の外国人を受け入れるとなれば、オリンピック・パラリンピックを除けば、最大規模になると思います。変異株なども出てきていますから、簡単ではないと思います」

 ただソーシャルバブルを形成するだけではなく、日々検査を実施し、陽性者を一刻も早く特定するということも重要な施策のひとつである。これを行なうことで、地域の医療体制に影響が及ぶことはないのだろうか?

「F1の新型コロナに対する手順の中には、頻繁に検査をやらなければいけないという部分があります。その中で陽性者が出た際には搬送できるようにしておかなければいけない、そういう通常のレースとは別の体制を敷かなければいけない部分は確かにあります」

「しかし検査については、FOMが指定している機関の日本法人があって、そこと協力しながら準備しています。その日本法人が検査の機材を持っているということなので、サーキット内に検査場を設け、お任せする形になります」

■FOMも完全協力「なんとか日本GPをやりたい」

 通常とは違う開催体制となる日本GP。昨年はほとんどのフライアウェイ戦が開催できなかったが、FOMもなんとか日本GPを開催したいと、大いに協力してくれていると田中社長は語る。それだけ、今のFOMとモビリティランドの関係性はうまくいっているようだ。

「今年はホンダのF1ラストランですし、冠スポンサーにもホンダさんがついている。また角田裕毅という7年ぶりの日本人ドライバーもいます。ですからFOMも、なんとか日本GPをやりたいと言ってくれています。そのためにはまずはプレイヤーたちが無事に入国できるようにすること。その細かいことを一緒にやっているところです」

「今年の開催は止めようという話は、一度も出ていないです」

 前述の通りシンガポールGPは、早々に中止が決定された。これについては非常に残念であると同時に、計画を色々と変更しなければならなくなったと田中社長は説明する。

「日本GPの1週間前のレース、しかもアジアのお隣さんとも言える存在が開催しないということになってしまいましたから……そこは心細いですね」

「今までの計画では、月曜日か火曜日にシンガポールから直接関空(関西国際空港)かセントレア(中部国際空港)に飛んできて、そこから一括で鈴鹿に移動することを想定していました。そうすれば、一旦ヨーロッパに帰国することもなく、ソーシャルバブルの形成もスムーズです」

 シンガポールGPの開催がなくなったことで、早めに鈴鹿に移動することを促し、ホテルで隔離期間を確保するということも難しいようだ。三重県では10月5日まで、国体(国民体育大会)が行なわれているからだ。その関係で、シンガポールGPの代替開催として、2週連続で鈴鹿でレースを行なうのも難しいという。

「国体があるので、ホテルを前倒しで押さえることができないんです。元々、国体の期間を外してF1をやろうということになっていましたから。しかもその週には、(モビリティランドが運営する)ツインリンクもてぎでMotoGPの日本GPもありますからね」

 なお今季の日本GP冠スポンサーはホンダが務めることになっているが、このことが政府に働きかける上で後押しになるかもしれない。

「F1など、世界最高峰の自動車レースは、自動車産業の振興と発展、そして地域振興という部分もあります。そういう観点からすれば、ホンダが冠スポンサーを務めてくれているということで、見方も少し変わってくるかもしれません。自国の基幹産業の発展という意味でも、響くと思います」

 そして気になるのは、F1日本GPが開催できることになったとして、観客が入場できるかどうかということだ。田中社長は、開催できさえすれば、観客の入場も可能なはずだと考えていると語る。

「開催可否の条件に、有観客か無観客かという部分は入らないと思います。とにかく先ほど申し上げた通り、プレイヤーとなる1000人以上の外国人が入国できなければいけません。彼らが入国できるということは、入場者数の制限はあるかもしれませんが、無観客ということにはならないと思います」

「F1は特殊な例で、プレイヤーのほとんどが外国人です。だから、無観客ならできます! ということではないと思うんですよね。無観客でなければ開催できないという状況なら、当然ドライバーたちの入国は不可能でしょう」

「今のところはそういうことだと思います」

 田中社長はなんとか準備を整え、今年のF1日本GPを実現したいと改めて語った。

「とにかく安心安全に、ファンの方をお迎えできるように、今全力で準備しています。ホンダラストランはもちろんですし、久々の日本人F1ドライバーの凱旋レースでもあります。それをひとりでも多くの方に観ていただけるよう、全力で準備して参ります」

 

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