フロア開発の”価値”はフロントウイングの10倍に? アルピーヌ「コストはほぼ同じだが、見返りが違う」
アルピーヌのチーフテクニカルオフィサーであるパット・フライは、フロントウイングよりもフロア開発に投資した方が10倍以上の利益を得られると語った。
写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
各F1チームは、2022年のレギュレーション変更により一新されたマシンの理解を深め、開発によってパフォーマンスを向上させようとしている。
しかし予算が制限されている中で、これまでのようにあらゆるエリアを全力で開発するわけにもいかない状況となっている。各チームは優先順位を見極め、最も大きな見返りが得られるエリアにリソースを集中させていく必要があるのだ。
従来はマシンの中で最初に空気に触れるフロントウイングや、そのエンドプレートがマシンのパフォーマンスを追求する上で重要なポジションにあった。ただ、アルピーヌのチーフテクニカルオフィサーであるパット・フライによれば、今季のマシンはフロアが最も重要なエリアになっているという。
Alpine A522 nose and front wing detail
Photo by: Uncredited
フロアとフロントウイングの開発コストはほぼ同じだが、フロアは投資額に対してより大きな見返りがあるのだと、フライは語った。
「フロントウイングと比べて、フロア(の費用対効果)は10倍はある。もちろん、我々のリソースも限られている。だから、比較的効果が小さいフロントウイングよりも、フロアのアップデートの方がしやすいんだ」
フライは、チームがグラウンドエフェクト・カーとなった今季のマシンの理解をより深めていくことで、フロアから得られる見返りはさらに大きくなっていくと強調した。
「それは誰にとっても同じことだと思う」
「フロアと、フロアの側面にエネルギーを与えるために、ボディ形状も密接に作用している」
「フロントウイングは、以前より少し感度が落ちている。以前はウイングに大きなパフォーマンスがあった。我々はフロントウイングを変更したが、フロントウイングはかなり高価な部品であるため、その分パフォーマンスを稼がなくてはいけないんだ」
「フロントウイングは、フロアと同じようなコストなんだ。そして今のところ、フロアの方が10倍パフォーマンスが見つけられる。だからこれからも(開発を)続けていくつもりだ」
フライは、すべてのチームが限られた資金をどこに使うのがベストなのか、計算しなければならないと言う。
「何年か前、私がフェラーリにいた時にもコストパフォーマンスのグラフがあったが、それはあくまでとんでもなく高価なものを開発するのを止めるためのものだった」
「その時は経済的な制約があったわけではなかった。しかし(今は)リソースをコントロールしながら、モノを作らなければならないのだ」
「だからコストだけでなく、物理的に生産できるのかのバランスが必要なんだ」
「どのチームにも、コストパフォーマンスと呼ばれるモノがあると思う。あるコンポーネントを開発するコストと、それによってどれだけのダウンフォースを稼げるのかを把握する必要があるんだ」
アルピーヌはスペインGPに、前後のウイングを含め多くのアップデートを持ち込んだ。だが今後フロアのアップデートも予定されているという。
「細かいところではフロントウイングのエンドプレートとフロア、そして主にリヤウイングとリヤブレーキダクトが今回の新パーツだ」
「リヤウイングは、こことモナコで必要なダウンフォースレベルのためのものだ」
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