アストンマーチン、WECハイパーカークラスへの参戦を延期へ
アストンマーチンは、ヴァルキリーをベースとしたマシンでWECのLMHクラスに参戦するという計画を延期するようだ。
Aston Martin Valkyrie hypercar rendering
Uncredited
WEC(世界耐久選手権)の2020-2021年シーズンから導入されるLMHクラスに、ヴァルキリーをベースとしたマシンでの参戦を表明していたアストンマーチンだったが、今年9月にシルバーストンで開幕する同シーズンに参戦しないことを間もなく発表するようだ。
スーパースポーツカーであるヴァルキリーの開発にはマルチマチック・モータースポーツが関与していると考えられており、アストンマーチンCEOのアンディ・パーマーは以前、マルチマチックを“頼りになるパートナー”と評していた。したがってWECでは、マルチマチックとR-モータースポーツが2台ずつのヴァルキリーを走らせるものと思われていた。
ヴァルキリーはレッドブル・テクノロジーとも共同開発したクルマだが、そのプロジェクトは遅れている模様。ただ、アストンマーチンはプロジェクトの遅延についてコメントを控えている。
また2020年1月には、IMSAとWECの双方に出走できるプロトタイプマシンのカテゴリー”LMDh”の導入が発表された。これにより、IMSAのマシンもル・マン24時間に参戦しLMHと優勝を争えるようになる。こういった状況も、スポーツカーレースの将来について混乱を招く可能性がある。
ル・マン24時間を主催するACO(フランス西部自動車協会/WEC主催者)とIMSAがLMDhクラスの設立について発表した際、アストンマーチンは声明で「ハイパーカーのビジョンが世界のスポーツカーレースの中で適切な地位を築き上げるために、全ての関係者と協力することを楽しみにしていた」と語っていた。
そしてレーシングポイントF1チームの共同オーナーであるローレンス・ストロールがアストンマーチンの大株主となったことも、状況をややこしくしているだろう。これにより、レーシングポイントは2021年シーズンからアストンマーチンに名称変更され、それと同時にアストンマーチンはレッドブルF1チームとのスポンサーシップを解消するのだ。
ただレッドブル側は、アストンマーチンとのF1におけるパートナーシップ終了がヴァルキリーの開発に影響を与えないと主張している。
アストンマーチンがWECの2020-2021年シーズンに参戦しないことにより、現時点で“ハイパーカー元年”に挑む主要自動車メーカーはトヨタのみという状況になってしまった。ただ、独自のスポーツカー販売を展開しているアメリカのメーカー、グリッケンハウスが同シーズンからLMHクラスに参加することを表明している。
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