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使用禁止になった”画期的”デバイス7:フレキシブルウイング……未来永劫、魅力的な開発領域

F1に登場した最も”トリッキー”なソリューションは、柔軟性を持つウイングとボディワークだ。しかしレギュレーションでは、断固としてそれを禁止すべく対処してきた。

Alfa Romeo C38, front wing, Brazilian GP

写真:: Giorgio Piola

 物理学上、全てのパーツは、その大小こそあれ柔軟性を持ち、ある程度変形するようになっている。そうでなければ、荷重がかかった際にすぐに砕け散ってしまうということになりかねない。チームにとってそのような空力における弾力性は、パフォーマンス上でのメリットを提供することもある。

 そのためこの領域は、チームとFIAが絶え間なくせめぎ合ってきた部分でもある。

 1999年以前には、高速走行中にリヤウイングが後方に向けて傾くよう、調整してきたチームが数多くあった。このアイデアは、低速域では必要な量のダウンフォースを発生させるものの、速度が上がってウイングが傾くに連れてダウンフォースの発生量が小さくなり、それと同時に空気抵抗も減らすというものだ。

Rear wing dimensions and load tests
Rear wing load test

 これに対応する形でFIAは、リヤウイングの柔軟性を検出するため、車検に厳しい負荷テストを付け加えた。

Rear wing flap pullback test

Rear wing flap pullback test

Photo by: Giorgio Piola

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 2005〜2006年頃には、直線スピードが上昇する傾向が見られ始めるようになった。そしてそれを実現するために、各チームはまたもや空力負荷に対する弾力性を活用するようになったのだ。

 ただ以前のようにリヤウイング全体が後方に傾くのではなく、メインプレーンとフラップの隙間が、空力弾性によって閉じられるようになったのだ。

 フラップとメインプレーンの隙間が閉じられることで、その周囲の気流が変わることとなり、リヤウイングを無効化できるようになった。これによってダウンフォースと空気抵抗を減らし、直線スピードを高めることができるようになったのだ。マシンが減速すると、フラップとメインプレーンの隙間が広がり、ダウンフォースが回復するのだ。

McLaren MP4-22 2007 Canada rear wing
Rear wing load test

 F1のテクニカル・ワーキング・グループは、これらの手法を防ぐ方法を考案し、2007年から導入することを提案していた。しかし2006年のシーズン中に懸念が生じる可能性が高まったことから、カナダGPからその隙間を保持するためのセパレータを導入することになった。

Front wing deflection test loads

Front wing deflection test loads

Photo by: Giorgio Piola

 ボディワークの柔軟性に関する次の地点では、レッドブルが多く関与していた。同チームは柔軟性を持ちながらも、FIAの負荷テストにクリアできるフロントウイングを生み出したのだ。

 チームはフロントウイングの外側の先端が、地面に近づくように動きながらも、負荷テストをクリアできる方法を検討し始めた。このウイングの効果は、発生するダウンフォース量を拡大させ、気流がタイヤの表面を横切り、そしてタイヤの背面に引き込まれる流路を変更。さらにタイヤ後方に発生する乱流を整えることも目指したものだった。

 これを実現した結果、レッドブルのマシンはライバルチームよりも大きなダウンフォースを生み出すことに成功。例えば、フロントタイヤ後方の乱気流の影響が抑えられたため、フロアでより多くのダウンフォースを生み出すことができるようになったのだ。

Revised front wing deflection test
2013 new regulations

 FIAはチームが見せる進歩を止めようと、いずれかのチームが優位性を保つことを止めようとしたため、その後数年でレギュレーションが度々変更された。

2014 Regulation change overview, using Red Bull RB9 to compare

2014 Regulation change overview, using Red Bull RB9 to compare

Photo by: Giorgio Piola

 しかし、ひとつのサイズでフレキシブルウイングを禁止する方法はなかった。ウイングの幅に関するレギュレーションが2014年に変更された際、それまでの慣例は多くの障害にぶつかることになった。ウイングのどこに、どのように荷重をかけるのか、その規定が拡大されたからだ。

Ferrari SF70H and SF16-H top view comparison

Ferrari SF70H and SF16-H top view comparison

Photo by: Giorgio Piola

 フロントウイングの構成とそれにかける負荷の規則は、2017年にもさらに変更された。この年から、フロントウイングはマシン中心戦と直角ではなく、左右に後退角が付けられるような格好で取り付けられるようになったからだ。

 これにより、ウイングとノーズの相対的な位置関係が変わり、フロントウイング前端から、フロアの前端までの距離も変わった。これらの部分は、マシンのフロント部分からリヤに向けて気流を繋いでいくために、とても重要な部分だ。

Valentino Rossi tests the Ferrari F2008

Valentino Rossi tests the Ferrari F2008

Photo by: Ferrari Media Center

 レッドブルは、この変更に対応するための別の方法を見つけたように見えた。フロントウイングの翼端版フットプレートは、ウイングの他の部分とは異なる曲線を描いており、それによって発生する渦への影響を変えているように見えたからだ。

Red Bull RB15 top view

Red Bull RB15 top view

Photo by: Giorgio Piola

 結局のところ、チームの柔軟性のあるボディワークへの取り組みは、2019年に行なわれたレギュレーション変更によって簡素化されたフロントウイングによって、歩みを止めたように見える。しかし、将来的にはこの部分の開発が再び活性化する可能性が高い。このエリアは、空力面ではかなり魅力的……必ずや今後も、何らかのメリットを手にすべく、開発に乗り出してくるチームがあるだろう。

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