シルバーストン、ワクチンパスポートの使用を支持。F1、MotoGPでの観客“満員”を目指す
シルバーストンは夏のレースで多くの観客を迎え入れるために、イギリスの多くのスポーツ団体と共に“ワクチンパスポート”の使用を支持している。
Mechanics prepare the cars of Lewis Hamilton, Mercedes F1 W11, and Valtteri Bottas, Mercedes F1 W11, on the front row of the grid
Mark Sutton / Motorsport Images
イギリスのシルバーストン・サーキットは、各国で導入の動きが進んでいる“ワクチンパスポート”について支持する考えのようだ。
昨年は新型コロナウイルスのパンデミックの影響により、多くのサーキットがF1、MotoGPといった世界的レースを無観客で行なわざるを得なかった。イギリスのシルバーストンも例外ではなく、F1での2レースを無観客で開催した他、MotoGPのレースは中止に追い込まれた。
なお2021年シーズンに関しては、F1イギリスGPが7月18日に、MotoGPイギリスGPが8月29日にシルバーストンで開催される予定となっている。
イギリス政府は屋外の大規模な会場で行なわれるイベントについて、今後数ヵ月の間に制限を緩和していくためのロードマップを示した。それによると5月17日からは、最大収容人数の25%まで入場が許可されるようだ(最大1万人)。また6月21日にはさらに制限が緩和され、イギリス国内の全ての主要スポーツイベントにて満員での収容が許可される可能性がある。
こういった制限緩和の流れを受けてシルバーストンは、多くの観客をイベントに招き入れるために、新型コロナウイルスのワクチン接種完了の証明書、いわゆる“ワクチンパスポート”の制度を支持しているようだ。
シルバーストンはサッカーのプレミアリーグやテニスのウィンブルドンなどといったイギリスの主要スポーツ団体と共に、ボリス・ジョンソン首相や野党党首に向けてこの問題に関する書簡を送った。
シルバーストンをはじめとする団体は書簡の中で、観客上限を定員の25%とする計画について「新型コロナによるスポーツの経済危機を終わらせるにはまだ十分でない」とし、ワクチンパスポート制度を用いての満員入場を求めると主張した。
さらに書簡にはこう綴られている。
「その成果(満員でのイベント実施)を得るためにあらゆる策を講じることは正しいことと考えるが、観客数を制限しないことがファンやスタッフ、一般市民にとって安全でないと考えられる場合にはその限りではない」
「その策には、新型コロナウイルスに関する認証制度を活用して、社会的距離を確保する必要性を減らすことも含まれている」
「その技術に関しては、果たしてどのように機能するのか、主要なイベントにおいて参加者、主催者の双方にとって使いやすいのかなど、解決すべき問題がたくさんある」
「我々は新型コロナウイルスに関する認証制度が、より多くのファンが安全な形で、出来るだけ早くスポーツ観戦に復帰してもらえるというメリットがあることを理解している。我々のスタジアムは、そういったプロセスが確立された時のみ満員にできると認識している」
「このプロセスは、誰もがスタジアムに入場できることを保証するものでなければならない。そのため、新型コロナウイルス陰性という検査結果や抗体検査の結果なども、ワクチン接種証明書と並行して確認するような取り決めが必要だ」
「そしてこれは差別的なものであってはならず、プライバシーが守られるものでなければいけない」
イギリス国内では、既に成人の半数が新型コロナウイルスワクチンの初回接種を完了しているが、全ての成人が接種を完了するのは7月以降になると考えられている。
イギリスのいくつかのスポーツイベントは、既に観客数を減少させた形での開催計画を発表している。4月末にウェンブリー・スタジアムで行なわれるサッカーのEFLカップは8000人の入場が許可され、夏に開催予定であるサッカーのユーロ2020は、スタジアムの最大収容人数の50%を入場させる予定だ。
なお前述の書簡でも言及された通り、ワクチンパスポートは“二層構造”を作り上げて差別の原因になる懸念があることから、イギリスの一部議員が導入に反対している。
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