ファクトリーチームが2022年型エンジン不採用のドゥカティ、ライダーと”相性の良いモノ”選んだだけと反論

　MotoGP2022年シーズンの開幕直前となった3月3日（木）に、motorsport.comはドゥカティがファクトリチーム2名のバイクに2021年型エンジンを使用するという情報を報じた。

　ドゥカティの2022年型バイクの開発は堅実なスタートを切ったように見えていたが、ライダーたちは新しいエンジンの出力特性が少し攻撃的すぎると指摘していた。そしてmotorsport.comはフランチェスコ・バニャイヤが2022年エンジンではなく、アップデートされた2021年仕様エンジンを使用することを決定したようだとの情報をキャッチした。

　バニャイヤとジャック・ミラーが使用することになるエンジンは、2月のマンダリカテストで試されたもので、それ以前のセパンテストで2022年仕様のエンジンが前年モデルに比べて十分に向上していないことが確認されたため、マンダリカに持ち込まれたのだという。

　しかしドゥカティのチームマネージャーであるダビデ・タルドッツィは、こうした報道について、「バニャイヤは2022年型エンジンが悪いとは言っていない」と主張し、単に2021年型のほうが彼のライディングに合致していることから、決断に至ったのだと説明している。

「色々な人がドゥカティについて話す時、なぜ一様に我々が悪く言われるのか分からない」と、タルドッツィはMotoGP.comに語った。

「ペッコ（バニャイヤの愛称）は『2022年型エンジンは悪い、僕は2021年型がいい』とは言っていない。デタラメだ。我々はペッコに異なるスペックのモノを用意しただけだと言っておきたい」

「エンジンによって、ライダーのライディングスタイルに上手く対処できる可能性がある。そしてこのエンジンが、ペッコとジャックのスタイルに合っているんだ」

「彼らはこの別スペックのエンジンに満足していた。それが顛末だ」

「セパンでは他のメーカーが（ホンダ）が3つのスペックのエンジンを持ち込んでいたことも知っている。なぜマルク・マルケスがどの仕様なのかをメーカーに訊かないんだ？」

　なお2022年型のデスモセディチGPを使用するプラマックの2名とルカ・マリーニ（VR46）は、2022年型エンジンを搭載する仕様となる。

　ドゥカティはコンセッション（優遇措置）適用メーカーではないため、カタールGPのFP1が開始された時点で、エンジン開発は凍結される。

　タルドッツィはエンジンの状況についてさらに訊かれると、「ライダーの選択には満足している」と語った。

「我々はライダーに可能な限りベストな可能性を与えていると思う」

「だからシーズン開幕からどうなるか、何が起こるか様子を見てみよう」

「ただ、今シーズンは高い競争力を備えたバイクがとても多いから、非常にタフなシーズンになるだろう」