簡単ではないが、ライバルとの差を縮める……ホンダF1、イギリス連戦に意気込み
シルバーストン・サーキットの連戦を前に、ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターがコメント。高速サーキットであり、簡単に攻略することはできないと覚悟しながらも、ライバルとの差を縮めたいと意気込みを語った。
写真:: Andy Hone / Motorsport Images
開幕から3連戦を終えた、2020年のF1。レースのない週末を1回挟み、今週末には4戦目となるイギリスGPを迎える。
「開幕を待ちに待った2020年のF1シーズンは、アッと言う間に3連戦を終え、ここから次の3連戦に入ります」
ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、プレスリリースにそうコメントを寄せた。
「我々はミルトンキーンズに戻り、初戦から第3戦までの状況の振り返りを実施してきました。また、レースのなかったこの週末は束の間の休息の時間にもなりました。イギリスに戻ってもレースメンバーはコロナウイルス感染対策など、様々な制約や対応を継続しながらレースの準備にあたり、この先のシーズンに向かっていきます」
ここまでホンダ製パワーユニット勢としては、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが第2戦と第3戦で表彰台を獲得。しかし、メルセデスの驚異的な速さの前に、大きな差をつけられているという印象もある。
「開幕からの3連戦では、レッドブルと2回の表彰台を獲得できました。一方で、ライバルとの差が大きく開いていることも見えてきており、チームとともにその差を詰めるために改善に向けた分析と対策を進めています。また、レースで発生したトラブルの対策やパワーユニット(PU)の使い方の最適化検討など日本のHRD-Sakuraとともに進めてきました。
「次の2戦は、我々の英国拠点のHRD-UKにもほど近い、イギリスのシルバーストーン・サーキットにて行なわれます。英国の典型的な田園風景の中に広がるサーキットで、モータスポーツの母国らしく例年はスタンドを埋めるファンが非常にいい雰囲気を作ってくれます。また、ドライバーが我々のファクトリーを訪問したり、スタッフやその家族がレース観戦に訪れたりと、ホームらしいイベントがいくつも行なわれます。しかし、今年は交流イベントの開催自粛、また無観客での開催となるため英国ファン、また我々の従業員や家族にとっても少し淋しいホームレースとなります。その代わりと言ってはなんですが、TVの前で力強い応援をしてくれると信じています」
シルバーストンは、速度域の速いコーナーが複数配された、高速サーキットである。昨年は表彰台を獲得することができなかったが、今年こそ上位を目指すと田辺TDは語る。
「ここシルバーストーンは、名高い『マゴッツ』『ベケッツ』『チャペル』といったコーナーに代表されるように高速サーキットとして知られており、車体とPUのパッケージとしての実力が試される場所です。昨年は上位争いをしながらも接触により表彰台を逃すという悔しいレースになりました。今年も簡単なレースになるとは思っていませんが、少しでもライバルとの差を縮めるべく、チャレンジを続けていきます」
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