まだまだメルセデスとは歴然とした差がある……ホンダ田辺TDのスペインGP評
ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターが、F1スペインGPの決勝レース終了後にオンライン記者会見に応じ、今週末のレースを振り返った。
写真:: Andy Hone / Motorsport Images
2020年のF1第6戦スペインGPの決勝レースが行なわれ、ホンダ製パワーユニット搭載マシンは、2位のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を筆頭に3台が入賞を果たした。特にそのフェルスタッペンはメルセデス勢と渡り合い、唯一同一周回でレースを走り切った存在だった。
「4台すべてが完走し、うち3台が入賞することができました」
ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、レース後のオンライン記者会見でそう語った。
「予選のポジションから上げて、全車入賞という形を目指していましたが、なかなかそうはいきませんでした。まだまだ戦闘力を上げていかなければ、ライバルをオーバーテイクするのは難しいということを痛感したレースでした」
「そんな中でもフェルスタッペンが、メルセデス勢とフルレース戦えたのは良かったと思います。ただ、今のタイヤやクルマの状況を考えれば、前のクルマに迫ってオーバーテイクするというレースはしにくいです。ある程度相対的なラップタイム差がなければ抜けません。ですので、やはり予選での強さが必要だということに結びついたと言えると思います」
なおそのフェルスタッペンは、決勝レースに向けてパワーユニットを交換。以前使っていたモノに載せ替えた。
「データに異常が見られたので、念のため交換しました。当然チェックはしますが、何かが壊れたとか、そういうレベルのモノではありません」
「この問題は、土曜日の予選の時点で分かりました。いつもとは違うデータを発見したので、それが分かったということです」
開幕戦こそ無得点に終わったレッドブル。しかしその後は安定して表彰台を手にしている。今回のグランプリでも、メルセデスの2台と互角に近いペースを発揮した。ただ田辺テクニカルディレクターは、まだまだメルセデスとは差があると考えている。
「メルセデスは、”パッケージとして”という言い方をよくしますが、シャシーとパワーユニットの両方が進化したんだと思います」
そう田辺テクニカルディレクターは語った。
「(新型コロナウイルスの感染拡大に伴い)長くなったオフシーズンの間に、メルセデスは進歩したんだと思います」
「ファクトリーの稼働日には、どのチームも休んでいません。そのため、その間の開発の傾きは維持されます。そんな中、メルセデスの傾きの方が我々よりも大きかったから、差が開いてしまったのだと受け止めています」
「2秒の差はありませんが、負けているのは明らかです。歴然とした差は、まだまだありますねという感じですね」
これで今季のF1は、2回目の3週連続開催を終えた。次戦には1週末の休みを挟み、スパ・フランコルシャンでのベルギーGPが予定されている。ベルギーからの3連戦の舞台は、いずれも高速サーキットとして知られており、各PUの真価が問われる3レースということになりそうだ。
Be part of Motorsport community
Join the conversationShare Or Save This Story
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
Top Comments