F1 モナコGP

ホンダF1、1992年以来のモナコ勝利。田辺豊治TD「速さと幸運……その両方を味方に、どんな形でも勝たなきゃいけない」

レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが勝利した、2021年のF1モナコGP。ホンダにとってはあのアイルトン・セナによる1992年以来のモナコGP勝利となった。

田中 健一

編集: 2021/05/24 7:56

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

Adrian Newey, Chief Technical Officer, Red Bull Racing, and Max Verstappen, Red Bull Racing, 1st position, with the winning Constructors and Drivers trophies

 2021年のF1第5戦モナコGPを制したのは、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンだった。

Read Also:

 予選2番グリッドを獲得したフェルスタッペンは、ポールポジションのシャルル・ルクレール(フェラーリ)がマシントラブルでスタートできなかったため、グリッド位置はそのままながら、先頭でスタート。1コーナーに先頭で進入すると、そのまま一度もポジションを明け渡すことなく、78周のレースを走り切った。

「モナコは特にオーバーテイクが難しいサーキットです。フェルスタッペン選手は、きちんとスタートできたことが、今日の勝利に繋がったと思います」

 ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターはそう語った。

「レース中も、タイヤをしっかりとマネジメントすることができ、ギャップを開いてレースを進めていくことができました」

「またチームメイトの(セルジオ)ペレス選手も、予選こそうまくまとめきれずに9番グリッドからのスタートでしたが、マシンのペースは良く、うまく戦略を組み立てることができました。前のマシンがピットインした際にペースを上げ、ポジションを上げることができました。その結果、とても力強い走りで4位を手にすることができました」

「レッドブルとしては、強い戦い方ができたモナコでした」

 レース中には数々の幸運もあった。前述の通りポールポジションのルクレールがスタートできず、レースでは2番手を走行していたバルテリ・ボッタス(メルセデス)が、ピットストップ時にタイヤが外れないというトラブルによりリタイア……強力なライバル2台が姿を消したことによって、その戦いは幾分楽になった。

「色々なアクシデントがありました。他のチームにとっては悪夢だったり、ネガティブなことだったと思いますが、我々にとってはプラスに働きました。我々に悪いことが起きてもおかしくはありませんでしたが、様々なことが噛み合う形で、フェルスタッペン選手の優勝に繋がった……全てのことを味方につけ、良い形になったと思います」

 盤石な戦いぶりに見えたが、様々なことを想定しながらのレースだったと、田辺TDは語る。

「気楽にやっていたということは一切ありませんでした。しかしタイヤのデグラデーションやマシンのバランス、エンジンの冷却などについては、想定内で物事が進みました。それでもレース中には、色々なことを考えながら進めていました。でも、順調なレースだったと思います」

 フェルスタッペンの勝ちへの姿勢……それが一番見えたのが、スタートのグリッドでのポジション取りだったようにも感じられる。アウト側のグリッドについたフェルスタッペンは、マシンの鼻先を1コーナー(サン・デボーテ)のインに向けて発進。これにより車線変更をすることなく、誰よりも先に1コーナーに進入することができた。

 このフェルスタッペンのポジション取りについて、田辺テクニカルディレクターは次のように語った。

「チーム内でどんなことを話していたのか、私にはわかりません。でもセオリーで考えれば、スタートしてから車線を変更するのではなく、まっすぐそのまま自分の行きたいところを目指す……というのが、理想的だったのではないかと思います。そこまでやるか……という感じは若干ありましたけどね」

 なお今回の勝利は、ホンダにとっては1992年以来のモナコ優勝である。1992年と言えば、アイルトン・セナ(マクラーレン・ホンダ)がナイジェル・マンセル(ウイリアムズ・ルノー)の猛追を振り切り、勝利を手にすることになったあの伝説的なモナコGPである。田辺TDも、当時現場でその勝利を目の当たりにしたひとり(セナのチームメイトであるゲルハルト・ベルガーを担当していた)だ。

「1991年までは非常に強いマクラーレン・ホンダでしたが、1992年は初戦から劣勢でした。そんな中、新品タイヤを履いたマンセルを、セナが上手に走って優勝したというレースでした。常に勝つことを目指して戦っていますが、どんな形でも、速さや幸運の全てを味方につけて勝つ必要があります。(1992年のモナコGPは)その結果により、モチベーションが上がる1勝だったと思います」

 その1992年同様、今回の勝利もモチベーションを引き上げるのに大いに役立つ1勝だったと田辺TDは語る。

「今シーズンは、開幕から勝ったり負けたりというレースが続いてきましたが、今回勝てたことで前を向き、このポジションをいかに守っていくか、頑張ろうという気にしてくれる良いレースだったと思います」

Read Also:

 そしてこの勝利で、フェルスタッペンとレッドブルは、共にランキング首位に浮上することになった。ただまだ5戦が終わっただけだと、田辺TDは気を引き締める。

「今までこの位置に立ったことはありませんから、非常に良いことだと思います。でも、まだ5戦が終わっただけ。今後どうやってこのポジションをキープしていくかは難しいことだと思いますが、チームと共に全力投球していきたいと思います」

 レッドブル+フェルスタッペンが勝利を手にした一方、アルファタウリはピエール・ガスリーが6位入賞を果たしたものの、そのチームメイトである角田裕毅は16位に終わった。

 その角田のモナコGPについて、田辺TDは次のように語る。

「角田選手は、スタートでポジションを落とし、ペースの遅いマシンに前に出られてしまいました。ポテンシャルはあったはずですが、それによって苦しむことになってしまいました。前が開けた時には良いペースで走っていましたから、予選も含め、良いポジションからスタートできるような、そんなレースウィークの組み立てができるようになればいいなと思います」

 

Read Also:

あなたの意見が聞きたい!

Motorsport.comで何を見たいですか?

5分間のアンケートにご協力ください。

- Motorsport.comチーム

コメントを読んで投稿する

関連ニュース :

記事をシェアもしくは保存

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

前の記事 サインツJr.、モナコでの初表彰台獲得も胸中は複雑「あとから振り返れば、きっと満足できるはず」

次の記事 ガスリー、ベッテルとのバトルは「フェアだったが、”もう少しで”ふたりとも港に落ちていたかも」

Top Comments

コメントはまだありません。 最初のコメントを投稿しませんか?

View More & Comment

More from

田中 健一



HRCプレリュードが4戦連続でポールポジション獲得。逆転王者に向け重要なオートポリス決勝は「もてぎ2連戦に繋げるレースにしたい」と往西LPL

スーパーGT

スーパーGT

第7戦:オートポリス

7 時間前

HRCプレリュードが4戦連続でポールポジション獲得。逆転王者に向け重要なオートポリス決勝は「もてぎ2連戦に繋げるレースにしたい」と往西LPL



64号車プレリュード、課題の”ウォームアップ”に自信あり? フラガ「新タイヤが調子良い……いけるんじゃないかと願っています」|スーパーGT第7戦予選

スーパーGT

スーパーGT

第7戦:オートポリス

9 時間前

64号車プレリュード、課題の”ウォームアップ”に自信あり? フラガ「新タイヤが調子良い……いけるんじゃないかと願っています」|スーパーGT第7戦予選



【HRC渡辺康治社長独占インタビュー】厳しい戦い続くアストンマーティン・ホンダ、一体何が起きているのか? 

F1

F1

シンガポールGP

16 時間前

【HRC渡辺康治社長独占インタビュー】厳しい戦い続くアストンマーティン・ホンダ、一体何が起きているのか? 

More from

アイルトン セナ



ベアマン、アイルトン・セナの初優勝マシン”ロータス97T”をドライブした感激の1日を振り返る「人生最高の日だった」

F1

F1 2 ヵ月前

ベアマン、アイルトン・セナの初優勝マシン”ロータス97T”をドライブした感激の1日を振り返る「人生最高の日だった」



アイルトン・セナの1992年ヘルメットが1億円超! 優勝したハンガリーGP等での実使用品がオークションに出品

F1

F1

イギリスGP

3 ヵ月前

アイルトン・セナの1992年ヘルメットが1億円超! 優勝したハンガリーGP等での実使用品がオークションに出品



アイルトン・セナ、インディカーテストの舞台裏。驚異の速さを当時のエンジニアが証言「あらゆる面で期待を裏切らなかった」

IndyCar

IndyCar 5 ヵ月前

アイルトン・セナ、インディカーテストの舞台裏。驚異の速さを当時のエンジニアが証言「あらゆる面で期待を裏切らなかった」

More from

レッドブル



元レッドブル代表のホーナー、メルセデス代表とのライバル関係は「芝居がかったように描かれた」

F1

F1 1 日前

元レッドブル代表のホーナー、メルセデス代表とのライバル関係は「芝居がかったように描かれた」



レッドブル、ローレン・メキーズ代表と2031年まで契約。復調で波に乗るチームの体制を固める

F1

F1

シンガポールGP

2 日前

レッドブル、ローレン・メキーズ代表と2031年まで契約。復調で波に乗るチームの体制を固める



連勝レッドブルは最強チームじゃない? フェラーリ代表語る「スタート直後の1コーナーをうまくやれていれば、我々が勝ったかもしれない」

F1

F1

シンガポールGP

3 日前

連勝レッドブルは最強チームじゃない? フェラーリ代表語る「スタート直後の1コーナーをうまくやれていれば、我々が勝ったかもしれない」

最新ニュース



SCがなければ勝てた……前戦健闘のWedsSportはオートポリスでも3番手スタート。勝負の鍵は「やはりウォームアップ」と国本

スーパーGT

SGT スーパーGT

第7戦:オートポリス

6 時間前

SCがなければ勝てた……前戦健闘のWedsSportはオートポリスでも3番手スタート。勝負の鍵は「やはりウォームアップ」と国本



HRCプレリュードが4戦連続でポールポジション獲得。逆転王者に向け重要なオートポリス決勝は「もてぎ2連戦に繋げるレースにしたい」と往西LPL

スーパーGT

SGT スーパーGT

第7戦:オートポリス

7 時間前

HRCプレリュードが4戦連続でポールポジション獲得。逆転王者に向け重要なオートポリス決勝は「もてぎ2連戦に繋げるレースにしたい」と往西LPL



“ホピ子”が過去最高の予選4番手獲得! チームの存続を懸けて戦う土屋武士監督「火が消える前に、悔いが残らないように」

スーパーGT

SGT スーパーGT

第7戦:オートポリス

7 時間前

“ホピ子”が過去最高の予選4番手獲得! チームの存続を懸けて戦う土屋武士監督「火が消える前に、悔いが残らないように」



黒い仮面で登場の16号車ARTA、公式練習のアクシデントで「フロント周りはほぼ全交換」。予選7番手から得意の決勝で追い上げ目指す

スーパーGT

SGT スーパーGT

第7戦:オートポリス

8 時間前

黒い仮面で登場の16号車ARTA、公式練習のアクシデントで「フロント周りはほぼ全交換」。予選7番手から得意の決勝で追い上げ目指す

Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.

フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。

次の 2 つのオプションがあります。

購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします

広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード

お知らせの管理

登録