F1モナコGP決勝:フェルスタッペン完勝で選手権首位に。PPルクレールに悲劇、角田は16位
F1モナコGPの決勝レースでは、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが今季2勝目を挙げた。角田裕毅は16位だった。
写真:: Zak Mauger / Motorsport Images
2021年F1第5戦モナコGPの決勝レースが、モンテカルロ市街地コースで行なわれた。レースを制したのはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)で、今季2勝目となった。
世界三大レースのひとつに数えられるF1モナコGP。2020年は新型コロナの影響で中止となったが、今回2年ぶりの復活を果たした。今週末、走行初日から驚きの速さを見せたのがフェラーリ勢で、シャルル・ルクレールは予選でポールポジションを獲得した。
しかし、そんなルクレールに悲劇が襲う。ルクレールはダミーグリッドに向かうレコノサンスラップのタイミングで左ドライブシャフトにトラブルが起きていることが判明。結果的に決勝出走を断念することとなってしまった。ルクレールは予選Q3終盤にプールサイドシケイン出口でクラッシュを喫していた。
決勝はルクレールがつくはずだったポールポジションが空席となり、2番グリッドのフェルスタッペンが実質的な先頭となった。トップ10は全員ソフトタイヤスタートとなった一方で、11番手以下は硬めのコンパウンドをスタートタイヤに選択。16番グリッドの角田裕毅(アルファタウリ)はハードタイヤスタートだ。
スタートではフェルスタッペンが首位をキープし、バルテリ・ボッタス(メルセデス)、カルロス・サインツJr.(フェラーリ)らがほぼグリッド順通りに続いていった。ボッタスは序盤こそフェルスタッペンの1秒後方で周回していたものの、20周を過ぎるとその差は3秒以上に広がった。
30周目に6番手走行中のルイス・ハミルトン(メルセデス)がハードタイヤに交換したのを皮切りに、ソフトタイヤを履く上位陣が続々とピットインしていった。その流れに乗じてボッタスもピットインするも、なんと右フロントタイヤが外れず。ピットクルーはなんとかタイヤを外そうと悪戦苦闘したものの、ボッタスはここでレースを終えることとなってしまった。
33周目にフェルスタッペンがピットイン。ここで首位は一時的にセルジオ・ペレス(レッドブル)となった。9番グリッドスタートのペレスは、直前の数周で猛プッシュしたことが功を奏し、34周目にタイヤ交換を終えた後は4番手でコースに復帰することができた。
これでトップ5のオーダーはフェルスタッペン、サインツJr.、ランド・ノリス(マクラーレン)、ペレス、セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)に。ポイントリーダーのルイス・ハミルトン(メルセデス)はピエール・ガスリー(アルファタウリ)を攻略できなかったばかりか、ベッテルやペレスにも先行を許し、7番手に甘んじた。
その後フェルスタッペンはサインツJr.に対して付け入る隙を与えず、最終的に9秒の差をつけてトップチェッカー。今季2勝目を挙げると共に、自身初のモナコGP制覇を成し遂げた。またホンダにとっては、1992年以来となる優勝。1992年と言えば、マクラーレン・ホンダのアイルトン・セナとウイリアムズ・ルノーのナイジェル・マンセルが名バトルを繰り広げたレースだ。なお、無限ホンダとしては1996年にオリビエ・パニスが勝利を挙げている。
2位はサインツ。自身3度目、フェラーリ移籍後初となる表彰台を手にした。3位にはノリスが入り、今季2度目の表彰台となった。
4位は“オーバーカット”を成功させたペレス。ノリスには1秒届かなかったが、予選での不運を自らの速さで取り返した形だ。5位は今季ここまで苦しんでいたベッテルで、昨年に雨のトルコGPで3位に入って以来、アストンマーチンでは初のポイント獲得となった。
ガスリーは今季最高位の6位入賞だった。そのガスリーを最後まで崩せなかったのがハミルトン。終盤にはガスリーとの勝負を諦めて2度目のピットストップを行ない、ソフトタイヤでファステストラップを更新して1ポイントを追加した。8位はハードタイヤで引っ張る作戦を成功させたランス・ストロール(アストンマーチン)で、エステバン・オコン(アルピーヌ)、アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)までが入賞となった。
角田はスタートから45周もの間ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)に蓋をされてしまい、ハードタイヤスタートの利点を全く活かせず。66周目にピットインしてソフトタイヤに交換したが再びラティフィの後ろに回ってしまい、結局16位フィニッシュとなった。
この結果を受けて、選手権争いには大きな動きがあった。優勝したフェルスタッペンが105ポイントでハミルトン(101ポイント)を逆転し、自身初のポイントリーダーに。また、コンストラクターズポイントでもレッドブル・ホンダが初めての選手権リーダーとなった。
順位 | ドライバー | 周回数 | タイム | 差 | 前車との差 | 平均速度 | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | マックス フェルスタッペン | 78 | 1:38'56.820 | 25 | |||
2 | カルロス サインツ Jr. | 78 | 1:39'05.788 | 8.968 | 8.968 | 18 | |
3 | ランド ノリス | 78 | 1:39'16.247 | 19.427 | 10.459 | 15 | |
4 | セルジオ ペレス | 78 | 1:39'17.310 | 20.490 | 1.063 | 12 | |
5 | セバスチャン ベッテル | 78 | 1:39'49.411 | 52.591 | 32.101 | 10 | |
6 | ピエール ガスリー | 78 | 1:39'50.716 | 53.896 | 1.305 | 8 | |
7 | ルイス ハミルトン | 78 | 1:40'05.051 | 1'08.231 | 14.335 | 7 | |
8 | ランス ストロール | 77 | 1 lap | 4 | |||
9 | エステバン オコン | 77 | 1 lap | 2 | |||
10 | アントニオ ジョビナッツィ | 77 | 1 lap | 1 | |||
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