話題の”エンドプレート”ウイング、他のF1チームもコピーへ?「合法で、速くなるなら当然」
アストンマーチンの新リヤウイングを目の当たりにしたライバルF1チームたちは、たとえレギュレーションの意図を台無しにしたとしても、コピーすることはためらわないだろう。
写真:: Giorgio Piola
アストンマーチンは、F1ハンガリーGPでアグレッシブなコンセプトのリヤウイングを導入した。このウイングは、昨年まで存在していたようなエンドプレートを復活させ、ダウンフォースの向上を目指したデザインだ。
2022年に導入されたレギュレーションは、マシンが生み出す乱気流を減らすことで、接近戦を実現する意図がある。その一環として、リヤウイングの形状は大きく変化。エンドプレート先端で生まれる渦流を無くすため、リヤウイングのメインプレーンとフラップはエンドプレートと曲線的に接続されている。
アストンマーチンの斬新なアイデアによって生まれたリヤウイングが、こうしたレギュレーションの意図に逆らい、バトルを悪化させるような方向性の開発競争の引き金を引くのではないかと懸念されている。
しかしアストンマーチンのライバルチームは、このデザインのウイングがパフォーマンス向上につながるかどうかが、開発するかを判断する唯一の要素であり、接近戦ができなくなるかどうかを考慮することはできないという。
アルピーヌのスポーティングディレクターであるアラン・パーメインに、このウイングがルールの狙いを台無しにする可能性があるという懸念はないかとmotorsport.comが尋ねると、彼は次のように答えた。
「現時点で、他の9チームがCFD(コンピュータ流体解析)で(問題のウイングを)走らせていると断言しよう」
「もし速くなるのなら、さらにそのウイング9個が増えるだろうね。完全に合法であるのなら、そうならない理由が分からない」
「レギュレーションの意図については理解できるが、我々はただ信頼性が欲しいし、速く走りたいんだ」
「FIAやF1が、そのウイングがレギュレーションの意図を回避したかどうかを判断する必要がある。今年に限って言えば、どうしようもないだろう。より速くなるのなら、すぐにもっと多く見ることになるだろうね」
フェラーリのレーシングディレクターであるローラン・メキーズは、次のように語った。
「FIAに問い合わせ、FIAが合法だと言えば、誰もがそれを試すことになる。より速くなるなら、それがクルマに搭載されることになる」
レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーも、「レギュレーションに準拠しているかどうか、それが一番重要なことだと思う」と話す。
「別の方向性も開けるし、興味深い。もしかしたら今回はアストンマーチンから何かをコピーすることになるかもしれない」
FIAとF1は過去に、もしチームがレースを向上させるというレギュレーションの意図を台無しにするようなデザインをした場合、躊躇なく行動を起こすと発言している。
そのひとつの方法は、各チームやFIA、FOMで構成されるF1委員会で、レギュレーション変更の即実施を可決することだ。そのためには、全30票のうち28票の賛成票が必要となる。
一方アストンマーチンのチーム代表であるマイク・クラックは、レギュレーション変更の動きがあることは心配していないと語った。
「ウイングの開発や、新しいアイデアは通常、ギリギリまでそれを見せることはない」
「開発にあたっては、FIAとずっと連絡を取り合って、これが受け入れられるものなのかどうか理解していた。そして、ついに受け入れられたのだ。私たちにとっては、『よし、やるぞ』という瞬間だった」
「結局のところ、何も特別なことはないのだと思う。ルールの解釈なのだから。FIAと一緒に、それに従ってウイングを開発した。基本的にはそれだけだ」
「スーパーマジョリティ(圧倒的多数によるルール変更)やルールが変わったりすることは懸念していない。こういったデザインが許されなくなったとしても、それに対処するだけだ」
ハンガリーGPが終わり、サマーブレイクに突入したF1。休み明けのベルギーGPで、新しいリヤウイングを投入するチームがいるか、注目だ。
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