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F1、英国政府の検疫免除を受けられず……シルバーストンはGP開催をまだ諦めない?

イギリス政府は、6月8日から入国する人々に対して14日間の検疫措置を強制することを決定。F1はこの検疫が免除されるよう働きかけを続けてきたが、現時点ではこれは受け入れられなかったようだ。

Valtteri Bottas, Mercedes AMG W10, leads Lewis Hamilton, Mercedes AMG F1 W10, Charles Leclerc, Ferrari SF90, Max Verstappen, Red Bull Racing RB15, Sebastian Vettel, Ferrari SF90, Pierre Gasly, Red Bull Racing RB15, and the rest of the field at the start

写真:: Steve Etherington / Motorsport Images

 イギリス政府は、新型コロナウイルス対策として、6月8日から英国に到着する全ての渡航者に対し、14日間の検疫措置を義務化することを確認した。この検疫措置を免除される業種のリストも同時に発表されたが、これには貨物輸送関係者や新型コロナウイルス対策に働く医療関係者、自己隔離的な環境で働く農業労働者、および緊急作業に関わる人々などが含まれるのみ。F1をはじめとしたスポーツ関係者は、リストに含まれなかった。

 この結果、7月下旬に2週連続でシルバーストンでのレースを実施するのは、難しい情勢となった。

 今週初め、F1は検疫措置が強化されれば、全チームがイギリスGPに参戦するのは事実上不可能になり、業界全体に大きな影響を与える可能性があると語っていた。

「全てのトップクラスのスポーツがテレビに戻るためには、(検疫の)免除が提供されなければならない」

 そう広報担当者は語っていた。

「14日間の検疫が強制されることになると、イギリスGPを開催することはできなくなる。さらに、F1に関わる仕事とその過程に、大きな影響を与えることになるだろう」

 現時点では検疫免除の措置は認められていないものの、F1は今後も政府に対する働きかけを続けていくという。

「我々はF1とシルバーストンに対する方針の影響について、政府と密に協力してきた。この議論は、安全を最優先とする解決策を見つけるために、現在も進行中である」

 シルバーストン・サーキットのトップであるスチュアート・プリングルは、グランプリ開催について、イギリス政府のスタンスが変更される可能性があるため、今も楽観的な姿勢であるという。

「この業界の重要性が、政府に理解されていることは明らかなことだ」

 そうプリングル氏は語る。

「彼らが”道”を見つけると、非常に楽観視している。このことについて交渉し、常に変化する締め切り日に対応するのは、非常に複雑なことだ。それについてはとても意識している」

「そのため、賢明で実用的な解決策を見出し、正しい解決策を思いつくためにF1が負う責任を見つけることができるということについて、楽観的なままでいる」

 なお今回導入される検疫措置は、3週間ごとに見直されることになっている。つまり状況が改善されれば、シルバーストンでのレースが予定されている7月下旬までに、この措置が緩和される可能性もあるということを意味している。

 検疫措置が最初に見直されるのは、6月29日……これがイギリスでのレースのほぼ1ヵ月前ということになる。

 しかし、F1とシルバーストンは、レース開催に向けた準備にある程度の時間を要するため、イベント実施の保証がないまま、プログラムを進めていくのにはリスクが大きすぎる。

 これまでにも報じているように、F1はイギリスでのレースができなかった場合の代替案として、ホッケンハイムリンクやハンガロリンクでのレース開催も検討している。

 検疫措置の強化は、F1の2020年開催カレンダーにさらなる変更を生じさせる可能性がある。イギリスに拠点を置く7つのF1チームは、各グランプリを転戦するスタッフに対してどう対応すべきか、そして彼らをいつ帰宅させることができるのか……頭痛の種になっているはずだ。

 この解決策として考えられているのは、検疫が必要なスタッフがイギリスに戻る前に、3〜4レースを開催し、その後検疫に必要な14日間を確保して、次のレースに移動するという策だ。

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