フォーミュラE、2020-2021年の改訂版カレンダーを一部発表。バレンシアが仲間入り

　フォーミュラEは、2020-2021シーズンにおける前半6ラウンド8レースの開催日程を改めて発表。6月上旬までのスケジュールが明らかとなった。

　これらの改訂版スケジュールはFIA世界モータースポーツ評議会（WMSC）の承認が必要とされる。なお後半戦のスケジュールに関しては、3月5日に行なわれるWMSCの会議の後に明かされる模様だ。

　今なお続く新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受けて、昨年6月に発表された暫定カレンダーからは大きく様変わりしたカレンダーとなった。昨年10月にはメキシコシティePrixと三亜ePrixの延期が決定。それにより開幕戦に予定されていたサンティアゴePrixはダブルヘッダーに変更されたが、こちらも開催延期となった。

　最終的に新たなカレンダーで開幕戦に組み込まれたのは、2月26日〜27日にサウジアラビアで行なわれるナイトレースのダブルヘッダー。続いて4月10日にローマePrixが行なわれる予定となっている。ローマePrixではDSテチータ、日産 e.ダムス、ドラゴン・ペンスキー・オートスポーツが新たなパワートレインで挑むこととなる。

　ローマePrixの日程は昨年の暫定カレンダーから変更されていないが、motorsport.comの調べによれば、イタリアの常設サーキットであるバレルンガが代替開催地としてスタンバイしている状況のようだ。

　そのローマePrixの次に開催される予定なのが、リカルド・トルモ・サーキットで行なわれるバレンシアePrix。バレルンガでの開催が実現するのか次第にはなってくるが、もしカレンダー通りに進めば、バレンシアePrixがフォーミュラEにとっては初となる常設サーキットの通常レイアウトでのレースとなるかもしれない。

　フォーミュラEではこれまでにも、モロッコのムライ・エル・ハッサン・サーキットやメキシコのエルマノス・ロドリゲス・サーキットでレースを開催してきた。しかし前者は常設サーキットとはみなされておらず、後者はフォーミュラE用にレイアウトを大きく変更した形で開催されている。

　バレンシアでのレースはサーキットの承認が必要となっており、各チームにはレースの2週間前にレイアウトが通達されるとのことだ。

　バレンシアePrixの後、5月8日にはモナコePrixが予定されている。2020年はコロナ禍の影響でF1モナコGPの開催を断念したモナコ自動車クラブだが、彼らは2021年にF1、フォーミュラE、ヒストリックGPの全てを開催することを明言している。

　そしてマラケシュePrixは5月22日、延期となったサンティアゴePrixは既報の通り6月5日、6日に組み込まれている。以上6ラウンド8レースが今回の改訂版カレンダーで明らかにされた。

　フォーミュラEのチーフ・チャンピオンシップ・オフィサーであるアルベルト・ロンゴは次のように語った。

「“通常”の状況の中で選手権のカレンダー作りに取り組むことは、計画や準備にかなり時間のかかる大掛かりな作業だ。多くの都市や関係者と協力しなければいけない」

「新たに組み込まれたこれらのレースは、状況に素早く対応し、チームやドライバーにとって魅力的なカレンダーを作ったフォーミュラEの機敏性を示している」

「FIAの世界選手権としての最初のシーズンが我々やファンの期待に応えられるように、最後の最後まで努力を続けていく」

　なお、暫定カレンダーに名前のあったパリePrixに関しては、昨季同様キャンセルとなる模様。しかしフォーミュラEは来季以降の開催に向けてパリ当局と合意している。三亜ePrixやソウルePrixの名前も改訂版カレンダーでは外されてしまったが、これらのレースに関する開催可否は後半戦の日程が明らかになるまでは確定しないようだ。

現時点で確定したフォーミュラE 2020-2021シーズンのレース

2月26日：ディルイーヤ（サウジアラビア）
2月27日：ディルイーヤ（サウジアラビア）
4月10日：ローマ（イタリア）*
4月24日：バレンシア（スペイン）*
5月8日：モナコ（モナコ）*
5月22日：マラケシュ（モロッコ）
6月5日：サンティアゴ（チリ）
6月6日：サンティアゴ（チリ）
*サーキットの承認が必要