メルセデスの相次ぐ”ミス”は、自己満足の顕れ? レッドブルが抱く期待
レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、F1ロシアGPでのメルセデスの”スタート練習違反”は、最強を誇るチームが故に”自己満足”が忍び寄っている兆候の可能性があると語った。
写真:: Zak Mauger / Motorsport Images
F1ロシアGP決勝レース前のレコノサンスラップで、メルセデスのルイス・ハミルトンは許可されていない場所でスタート練習を行なったとして、ふたつの5秒加算ペナルティを科された。
当初このペナルティには、それぞれ1ポイントずつのペナルティポイント加点も含まれていたが、後の調査でチーム側がハミルトンに対して間違った指示をしていたことが判明。ハミルトンへのペナルティポイント加点は撤回され、代わりにチームに対して、2万5000ユーロ(約300万円)の罰金が言い渡されることとなった。ただ10秒のタイム加算ペナルティはハミルトンに重くのしかかり、勝利を逃すこととなった。
なおメルセデスは、イタリアGP決勝レースでもピットストップの判断を誤っている。チームはハミルトンを、ピットレーンが閉鎖されているにもかかわらずピットに呼び戻し、タイヤを交換してしまったのだ。ハミルトンはこの時もペナルティにより勝利を失い、アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーが、F1初優勝を遂げた。
これらのミスは、トップチームらしからぬモノ。レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、このミスが生まれている状況に、付け入る隙があるかもしれないと考えている。
「それが、彼らに挑戦できるマシンを手に入れたいと思っている理由だ。オペレーションという面では、我々は非常に強力なチームを持っていると思うからね」
ホーナー代表はそう語った。確かにここ数戦、レッドブルは驚異的なスピードのピット作業を続けている。
「最速のピットストップを行なったことで、今回もそれを証明した。最速記録を破れなかったとしても、我々はそれにとても近いタイムでタイヤ交換を行なった。私の計測では、そのピットストップは1.8秒だったのだ。最速の作業のひとつだったはずだ」
ホーナー代表は、長いことF1の最強チームであり続けると、自己満足によるミスの可能性があまりにも簡単に忍び寄ると語る。
「我々は、自分自身のことにしか集中することができない」
そうホーナー代表は語った。
「彼ら(メルセデス)は明らかに、いくつかの問題を抱えている。そして常に先頭に立ってしまうと、挑戦者の立場でいる方が簡単な場合もある」
「そういう支配的なポジションにいると、時々自己満足が滑り込んでしまうことがあるのだ」
ホーナー代表は、メルセデスのミスを活かすチャンスがあると感じている一方で、レギュレーションが変更されないせいで、2021年の勢力図に大きな変化が及ぶことはないと現実的な考えも示している。
「2022年は大きなチャンスだと思う」
そうホーナー代表は語った。
「2021年は、今のマシンのDNAが引き継がれ、持ち越されるパーツも多くなる」
「しかし、マシンが秘めているパフォーマンスを引き出すことができないということを意味するモノではない。今後も、マシンを効果的に開発していく。そして、その差を埋めることができると思う」
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