スーパーGT 富士合同テスト
【スーパーGT】雨のテストで圧巻の速さ! ミシュランタイヤの“奇抜”なトレッドパターンの秘密を探る
ウエットコンディションとなったスーパーGT富士テストで速さを見せているミシュラン勢。そのウエットタイヤのトレッドパターンはオーソドックスではない形状だが、そこにどんな秘密が隠されているのか?
戎井健一郎
編集: 2022/03/27 7:33
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雪に見舞われたスーパーフォーミュラ富士テストから数日。同じく富士で行なわれたスーパーGT公式テストもあいにくの天気に見舞われた。小雨が降り、止んだかと思いきや今度は強い雨が降り出し……初日から実に気まぐれな天候だ。
その中で速さを見せているのが、ミシュランタイヤユーザーの23号車MOTUL AUTECH Zと3号車CRAFTSPORTS MOTUL Z。初日午前のセッション1でも2台揃ってトップ5に入り、初日午後のセッション2、2日目午前のセッション3では共に3号車と23号車の“ワンツー”となった。特にセッション2、3は3番手以下を大きく突き離すタイムを出しており、まさに圧巻の速さと言える。
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そんなミシュランのタイヤを見てみると、実に興味深いトレッドパターン(溝のデザイン)をしている。オーソドックスなウエットタイヤは、路面から見て縦や斜めの溝が、細かく入っているイメージだが、ミシュランのトレッドパターンは縦と横の溝が左右非対称に入れられており、斜めの溝がない。1990年代後半から2000年代にかけてのF1のグルーブドタイヤ、もしくはインターミディエイトタイヤを想起させるような形だ。
このタイヤについて、日本ミシュランタイヤのモータースポーツダイレクターである小田島広明氏に話を聞いた。
小田島氏曰く、ミシュランのモータースポーツ活動は「市販タイヤのフィードバックを行なう」ということが前提にあり、今回のパターンも同社の市販スポーツタイヤ『PILOT SPORT CUP 2』がベースになっているという。
市販スポーツタイヤとなると、サーキットでの走行性能を追求しつつも、雨にも対応できるタイヤが求められる。そういったあらゆるコンディションに対応できるタイヤを目指す中で、このトレッドパターンが生まれたということのようだ。
小田島氏はトレッドパターンについて、次のように説明する。
ミシュランタイヤのトレッドパターン。写真上側がタイヤのアウト側、下側がイン側
Photo by: Motorsport.com / Japan
「見た目はいわゆるインターミディエイトタイヤに近いですが、縦の溝が従来の2本から3本に増えていて、排水量が増えています。ショルダーに近い部分には横方向の溝がありますが、従来よりも(溝と溝の間が)大きいブロックになっていますので、ブロック剛性を上げられています」
「ブロック剛性が高いということは、ゴムが壊れにくいので乾いた路面にも強いです。これは『ドライ路面でも使われるウエットタイヤ』というコンセプトにおいては重要な要素です」
「ブロックの壊れにくさと排水の両立が必要ですが、これまでは従来のパターンがその解でした。ただインターミディエイトでのコンディションで強さを発揮するには、ブロックを大きくする必要があります。従来のパターンだと、(トレッドとトレッドの間が)短い部分がありましたからね」
ミシュランの“従来の”トレッドパターン
Photo by: Motorsport.com / Japan
スーパーGTでは、複数のパターンのウエットタイヤを登録することはできない。ミシュランは実は昨年からこのトレッドパターンを登録していたというが、昨年はドライコンディションのレースばかりで、実戦投入の機会に恵まれなかった。しかし今回のテストで様々なコンディションを経験したことにより、大きな手応えを得たようだ。
「このパターンで今回走ることで得られた知見は、レンジが広いということです。これ以上雨が降ると赤旗になるというようなコンディションから、乾いている状況まで性能を発揮できました。レースが雨になれば、今回の結果が活きると思います」
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