クアルタラロの“開いた”ツナギでの走行に「他ライダーを危険に晒した」とライバルから批判
MotoGP王者のジョアン・ミルは2021年の第7戦カタルニアGP決勝で、ツナギが開いた状態にもかかわらず走行したファビオ・クアルタラロは“他ライダーを危険に晒した”と批判している。
Fabio Quartararo, Yamaha Factory Racing
Gold and Goose / Motorsport Images
スペインのバルセロナで行なわれたMotoGP第7戦カタルニアGP。そのレース中の展開を巡って、ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)が批判にさらされている。
発端となったのは、レース終盤の残り5周というタイミングで、クアルタラロのライダースーツのジッパーが完全に降りて胸部プロテクターも外れてしまったこと。彼はその後、ライダースーツを大きくたなびかせながらも走行を継続し、4番手でチェッカーを受けた。
このクアルタラロに起きたアクシデントで結果的に事故などは起こらなかったものの、彼が走行を続けたことに関しては批判の声も聞こえている。2度のMotoGP王者であるケーシー・ストーナーは彼に失格を意味する黒旗が振られるべきだったと、SNSでコメントしていた。
FIMのレギュレーションではライダーはコース上で常に適切に装備を装着することが求められており、クアルタラロの行為はこの点に違反するものだと考えられていたのだ。
実際、レース後にスチュワードパネルは今回の件でクアルタラロに前述の違反があったと判定。3秒のタイム加算ペナルティを科し、彼は6位まで降格することになった。
このクアルタラロの行為だが、現王者ジョアン・ミル(スズキ)を始めとして現役のライバルからも批判があがっている。
「僕が凄く危険だと思ったのは、胸部プロテクターを投げ捨てたことだ。プラスチック製で危険だよ。後ろからは時速200キロメートル以上でバイクが来ているんだ」と、ミルは言う。
「当然、あれは罰せられるべきものだ。僕としては他のライダーを危険に晒したと思う。そういうわけだ」
「ここから学ぶ必要がある。他のレースで顔面にプロテクターを投げつけられたくは無いからね。罰則をもって例を示さないといけない」
またヨハン・ザルコ(プラマック)は、クアルタラロの行為は“彼自身の安全のためにも”黒旗を出して失格にするに値するものだったと指摘している。
「今回のことは僕ら側にとって危険なものではなかったと思う。でも彼にとっては危険なものだった」と、ザルコ。
「前が開いたライダースーツでのレースはできないよ。胸部プロテクターが外れて、またファスナーを閉めたとしても、スーツは何も仕事もしないようなものだ」
「もし彼があの状態でクラッシュしてスライドしたなら、それは凄く危険なことになってしまう。だから彼の安全のために黒旗を出すことは、理にかなっている」
一方でレプソル・ホンダのマルク・マルケスは黒旗を出して失格にすることは不公平だと考えているが、安全上の理由で自らリタイアすべきだったという考えを述べている。
「チームとこの件について話したよ」
「セーフティコミッションで取り上げられるだろうと思う。それで、僕としては彼に黒旗を出すのはアンフェアだと思っている」
「でも、あれは危険な状況だった。バイクに何か物がぶら下がっている様なときは、停まって安全を確保しなくちゃいけないし、それができないならリタイアするべきだ。だから、彼はそうすべきだったと思う」
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