サインツJr.主張「予選で赤旗や黄旗の原因となったドライバーにはペナルティを出すべき」。フェルスタッペンのチームオーダー拒否もそれが遠因?
フェラーリのカルロス・サインツJr.は、予選で赤旗もしくは黄旗を出す原因となったドライバーに、ペナルティを科すべきだと主張する。
写真:: Zak Mauger / Motorsport Images
F1では、予選でクラッシュして赤旗中断や黄旗の原因となるなどしたドライバーに何らかの罰則を科すというレギュレーションはない。これについてフェラーリのカルロス・サインツJr.は疑問を感じており、赤旗や黄旗の原因となったドライバーには、ペナルティを科すべきだとの考えを打ち出している。
F1の予選でクラッシュした際、そのドライバーが逆に恩恵を受けることがある。例えばトップタイムを記録した直後にクラッシュすれば、他のドライバーがタイムアタックするチャンスを奪うことになり、自身がポールポジションなど好結果を手にできるわけだ。
先日行なわれたサンパウロGPの予選でも、予選Q3で各車が1回目のタイムアタックを終えた直後、メルセデスのジョージ・ラッセルがコースオフしてサンドトラップにスタックし、赤旗中断。その間に雨脚が強くなり、他車がタイムを更新するチャンスが潰えた。
また今年のモナコGPでは、予選Q3でセルジオ・ペレス(レッドブル)がクラッシュし、そこにサインツJr.が突っ込んでしまったことで赤旗中断となり、そのままセッション終了。ペレスのチームメイトであるマックス・フェルスタッペンがタイムを更新するチャンスを失った。これによりペレスが予選3番手、フェルスタッペンは4番手となった。フェルスタッペンがこの時のペレスのクラッシュが故意だと信じているという情報があり、これがサンパウロGPでフェルスタッペンがチームオーダーを無視した原因なのではないかという話もまことしやかに囁かれている。
またこのモナコGPの併催として行なわれたFIA F2の予選でも、最終コーナーを立ち上がったところでクラッシュしたフェリペ・ドルゴビッチ(MPモータースポーツ)が最終的にポールポジションを獲得。黄旗が振られる中、このドルゴビッチの横を駆け抜けてタイムを更新してみせた岩佐歩夢(DAMS)にはペナルティが加算され、後方グリッドに沈むことになった。
自らが赤旗や黄旗を出すことで恩恵を受けるのが正しいことであるのか、以前から議論されてきたことである。実際、スーパーGTやスーパーフォーミュラでは、赤旗中断の原因となった車両は、当該セッションのタイムが抹消されることになっている。
モナコ予選でクラッシュしたペレスに巻き込まれたサインツJr.は、予選で赤旗の原因となったドライバーにペナルティを出すことについて、次のように語った。
「あの一件が意図的かどうかについてはコメントしない」
「でも全てのドライバーが、何らかのルールを作ることを望んでいるのは、事実だと思う。赤旗もしくは黄旗の原因となった場合、それが意図的かどうかに関わらず、そのドライバーに対して何かを行なう必要がある。他のドライバーを、何らかの形で妨害した可能性があるからだ」
「それについてはペナルティを受けるべきだ。そうじゃなければ、僕ら全員がそれを活かそうとするだろう。ここ数年を見れば、メディアで取り上げられた以外にも、多くのことが行なわれたのを見てきた」
サインツJr.は、誰が故意にクラッシュしたかはすぐに分かると主張する。
「こういう出来事を分析すれば、誰が意図的にそれを行なったか、すぐに分かるよ。僕ら20人のドライバー全員がね。僕らはバカじゃないんだ」
「モナコの件についてコメントするつもりはないけどね。それは、過去の事件だ。僕はただ、もしルールがあれば、そういうことが頭をよぎることすらないと言いたいんだ」
「Q3では、それが報われることもあると思う。得られるモノも多いからね。ただ、失なうモノもある」
「だからポジションを上げようと思うのなら、ミスのない本当に良いアタックをまとめる必要があるんだ」
他のドライバーをわざと妨害することはよくあるのかという問いについて、サインツJr.は「よくあるわけじゃないけどね。でも、それを避けるためにある種のルールが必要なことは、十分にあった」とだけ答えた。
ただサインツJr.は、この件についてドライバーズミーティングで話し合うのに適切な時期だと語った。
「まだ議論されていないと思う。僕らはそれについて数回問題提起をしたけど、結論が下されることはなかった。でも、来年にはそれが行なわれるべきだと思う」
「とはいえ、予選で赤旗や黄旗の原因になった場合には、ラップタイムが抹消されるか、3〜5グリッド降格のペナルティということになるだろう。つまり、それを行なうメリットは失われてしまうということだ」
「そしてまた、僕らドライバーにアタックに集中することを強いることになるはずだ。しかし、アタック中の余力を0.5%残すことに繋がる可能性もある」
「まだ、それについてはあまり話していなかった。でもモナコ以降、いや前回のレース以降、これについて話が出されるようになった」
「今回のドライバーズミーティングで、何人かのドライバーがそれを提起するかどうかは分からない。多分僕はそうするだろうし、それについて考えると思う」
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