F1 サウジアラビアGP
サウジアラビア政府、テロに屈してはならないがF1が標的となれば「迷うことなく中止していた」と説明
サウジアラビア政府は、グランプリ開催地付近で発生したテロ事件の標的次第では、開催を中止する可能性もあったと明らかにした。

Jonathan Noble
編集: 2022/03/27 16:45
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サウジアラビア政府は、グランプリ開催地付近でのテロ事件発生を受け、F1がその標的になった場合は「迷うことなく中止していた」と説明を行なった。
テロが発生したのは現地3月25日(金)。サウジアラビアGPを開催するジェッダ市街地サーキットから約16kmも離れていないジェッダ国際空港付近の国営石油企業アラムコの施設に対し、イエメンやサウジアラビアを標的にテロ活動を行なう武装組織フーシ派がミサイル攻撃を行なった。
サーキット付近でのテロ事件とあり、パドックではグランプリを続行するかどうかの可否を問う緊急会議がF1のフリー走行2回目を前に開かれた。セッション終了後にも再び会議が開かれ、FIAとF1、チームとドライバーがサウジアラビア政府と話し合いを行なった。
現状把握や安全対策の詳細の共有が行なわれた結果、グランプリの続行が決定した。
サウジアラビア政府のスポーツ担当大臣であるアブドゥル・アジーズ・ビン・トルキ・アル=ファイサル皇太子は、グランプリの続行は監視活動を行なう安全保障機関の詳細情報に基づき下されたモノであり、主催側が潜在的リスクを無闇矢鱈に無視することはないと説明した。
「全ての安全保障機関が、安全性の観点から、あらゆる脅威に対して最高レベルの警戒態勢を敷いていた」と、motorsport.comを始めとした一部メディアにアル=ファイサル皇太子は語った。
「脅威はどこから来るのかを24時間体制で監視を行なっており、そのためにどう対策すべきかを理解している」
「このようなイベントを開催するにあたり、警戒度は非常に高くなっている。メディアが集まり多くの人も訪れるため、注目を集めていることは分かっている。そのことは、最初から理解していた」
「今回発生した攻撃を見ると、(ジェッダ)郊外で起きたことだった。燃料タンクが燃え、死傷者もなかった。実はその時、私が乗る飛行機は空港に着陸したところだった」
「もし(F1に対し)脅威が向けられたのであれば、レースは中止になるが、脅威はなかった。それは皆で話し合ったことだ」
Drivers practice their start procedures at the end of FP2
Photo by: Andy Hone / Motorsport Images
防衛システムとテロへ対する国家姿勢
また、ジェッダ市街地とサーキットはミサイル・ドローン迎撃システムの庇護下にあるが、ミサイル攻撃が行なわれた石油施設は守備範囲外にあるとアル=ファイサル皇太子は説明する。
「王国全体をカバーすることはできない」と彼は言う。
「そのため、人口が密集していて優先度の高いエリアから安全保障機関が防衛を行なっている」
「(石油施設がある)あのエリアは誰も傷つかないので、カバーされていない。我々が受け取っているフィードバックでは、そのエリアで発生してよかった……そこで起きたことに驚いていた位だ」
「つまり、防衛システムが破られたワケではないのだ。しかし、私が述べたように、我々がいるエリアや街、ホテルなどのエリアは、何も起こらないように必要な措置が講じられている。完全な防衛システム下にある」
今回のテロ事件はサウジアラビアGPに影を落としているが、アル=ファイサル皇太子は、どの国であれテロに屈するという選択肢を考えるべきではないと言う。
テロリストにしてみれば、攻撃によって国際的なイベントを中止に追い込み、自らの主張に注目を集めることができれば、そのテロは“成功”を意味するのだ。
「このようなことが、我々のエリアで起こることを望む人はいない」
「周りを見渡せば、イラクやリビア、レバノン、シリア、イエメンなど、我々の地域ではあらゆるところで問題を抱えている。全ての国に問題があるのだ」
「我々はただ、自分たちの生活を続けたいだけなのだ。我々は繁栄と、生活水準の向上を目指している。我々が掲げる経済改革目標『ビジョン2030』の達成に向けて、子どもたちや我々が完全に持続可能な未来を手にし、成長するために活動しているのだ」
「しかし、これは我々だけでは達成できないモノだ。世界のどこであろうと、国際社会がこうした攻撃を非難し、歯止めをかける必要がある。今、ヨーロッパで起きていることを見れば分かるだろう。一体、誰がヨーロッパであのようなことが起こると想像できただろうか?」
「詳しく述べるつもりはないが、これは世界のどこでも起こりうることだ。我々全員が国際社会として、世界の脅威に対して立ち向かわなければ、繁栄はない」
「多くの写真や、捏造されたモノが出回っていることは把握している。我々はそれに対応する必要があるし、ネガティブなモノではなく、ポジティブなモノを発信してもらう必要がある」
「仮に我々がネガティブな話をしたり、攻撃に屈するという話をしたりしたら、それは彼らにとっての勝利になり、止まることなく続くだろう。そしてそれをキッカケに、他の地域でも同じことが引き起こされる」
「これはサウジアラビアだけの問題ではなく、国際社会の問題なのだ」
そしてアル=ファイサル皇太子は、今週末に発生した事件から学ぶモノはあったと考えているが、サーキットの警備は安全だと再び強調した。
「我々は、設置している防衛システムに信頼を置いている」
「だがもちろん、生きていれば学ぶこともあるのが常だ」
「我々は発展途上国であり、未来に向かって成長している。そして、サウジアラビアを訪れる人たちに最高のモノを提供したいと思っている」
「それと同時に、サウジアラビアに住む人たちが、安全かつ楽しく、そして素敵な環境で正しく暮らせるようにしたいと思っている」
「安全保障機関は、これらの行動を評価し、詳細調査を行なうことになる。そして改善点があれば、サウジアラビアにいるすべての人の安全を確保するために、実行に移すつもりだ」
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