スーパーフォーミュラ 第7戦:鈴鹿

トップカテゴリーで飛躍のシーズン送る阪口晴南。その資質と課題を“名伯楽”田中耕太郎エンジニアが語る

今季はスーパーGTのGT500とスーパーフォーミュラで印象的な活躍を見せている阪口晴南。スーパーフォーミュラの担当エンジニアである田中耕太郎が22歳の若武者について語った。

戎井健一郎

編集: 2021/10/30 2:59

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Sena Sakaguchi, P.MU/CERUMO・INGING

 第6戦もてぎでの大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)の初優勝が話題をさらった2021年のスーパーフォーミュラだが、ルーキーながら結果を残しているのは彼だけではない。特にP.MU/CERUMO・INGINGの阪口晴南は、今季2度の表彰台を獲得しており、第7戦(最終戦)を前にしてランキング4番手につけている。大津とのルーキー・オブ・ザ・イヤー争いも2ポイントリードしており、ランキング2位も射程圏だ。

 阪口は昨年、フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップでタイトルを獲得し、スーパーフォーミュラ・ライツでもランキング2位。今季からスーパーフォーミュラへのフル参戦をスタートさせた。スーパーGTでもサッシャ・フェネストラズの代役としてGT500クラスの37号車KeePer TOM'S GR Supraを5レースに渡ってドライブし、開幕戦ではポールポジションを奪うなどインパクトを残した。

 国内トップカテゴリーで活躍し、飛躍の年を過ごしている阪口。そんな阪口の躍進には、今季スーパーフォーミュラで彼を担当している田中耕太郎エンジニアも一役買っているはずだ。田中エンジニアはシーズン開始当初、阪口に様々なセッティングのマシンをドライブさせ、諸々の調整によってマシンの挙動がどうなるか、といった変化を肌で感じさせたという。

 そんな田中エンジニア流の“トレーニング”は、阪口のフィードバック能力やスキルの向上に大いに役立っている様子。また自らのポリシーを持ち、マシンに関して自分から積極的に意見する阪口のスタイルは、レーシングドライバーとして優秀だと田中エンジニアは語る。

「彼は自分の考えを持って走っています」

「受け身ではなく『こういう風に走りたい』というポリシーを持って、それを伝えてくれます。そういった点はドライバーとして優秀だと思います。もちろんデータには(問題点が)出てきますが、どこが問題だと思うかを言ってくれた方が(問題点が)早く見つかるじゃないですか」

 そして田中エンジニアが現在課題として阪口に課しているのは、結果に固執せず、“光る走り”を見せること。田中エンジニアはこう続ける。

田中耕太郎エンジニア

田中耕太郎エンジニア

Photo by: Masahide Kamio

「レーシングドライバーというものは、一発光ればトップドライバーになれると私は思っています。昔の話になりますが、アイルトン・セナはトールマンという性能の劣るクルマで(F1に)デビューしましたが、雨のモナコでものすごく速くて『あいつは誰だ!』となりましたからね」

「1年目は成績なんて気にしなくていい、光る走りをすればいい、と言っています。今はたまたまうまいこといっていて、結果が出ているように見えますが、結果を求めて走っちゃうと小さくまとまってしまうので、それよりも『一番速い』ということを目指して走って欲しいですね」

 ホンダ育成から外れ、一度はキャリアが危ぶまれるも、今やトヨタ陣営の若きエースになろうとしている阪口。多くの名ドライバーとコンビを組み、タイトルを獲得してきた“名伯楽”の田中エンジニアは、阪口がチャンピオンに上り詰めるためには“光る速さ”に加えてハングリーさを持ち続けることも必要だと語った。

阪口晴南

阪口晴南

Photo by: Masahide Kamio

「レーシングドライバーは戦うモチベーションを持ち続けていないとすぐ遅くなってしまうと思います。前向きな姿勢が止まった時点で勝てないドライバーになります」

「スーパーフォーミュラには速い人がたくさんいて、自分の速さを証明するために走っていますが、ハングリーで貪欲じゃないとチャンピオンにはなれません。見ているお客さんは機械さえ良ければ勝てると思うかもしれませんが、ルイス・ハミルトンだってマイナーフォーミュラの時代からものすごく速かったですし、今も高いモチベーションを保ち続けているんです」

 

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