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SF第6戦富士、1周目の事故で浮き彫りとなったファンと競技団の“視界の相違”。鍵となるのは車載映像の環境整備か

スーパーフォーミュラ第6戦富士では1周目に接触事故が発生したが、そこで同シリーズが今後抱えるであろう課題が浮き彫りとなった。

Nirei Fukuzumi, ThreeBond DragoCORSE

写真:: Masahide Kamio

 富士スピードウェイで行なわれたスーパーフォーミュラ第6戦富士では、1周目のTGRコーナー(1コーナー)からの立ち上がりで複数台が絡む接触事故が発生した。平川亮(carenex TEAM IMPUL)が大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)に押されるような形となってしまい、ハーフスピン。三宅淳詞(TEAM GOH)はその平川を避けきれず接触し、平川と三宅のふたりはリタイアに終わった。またこのインシデントに関して、大湯にドライブスルーペナルティが科された。

 しかし、大湯はレース後に自身のSNSで「何故自分にペナルティなのか……飛ばされてしまったが故の接触で、今回の裁定には納得いきません」と投稿していた。

 この“飛ばされた”瞬間というのが、公式中継、そして現在スーパーフォーミュラが開発中のアプリ『SFgo』でも捉えられていた。三宅のオンボード映像を見ると、アウト側にいた大湯をプッシュしているように見え、これにより大湯はコントロールを乱し、さらにアウト側にいた平川にヒットしてしまったように見える。実際、三宅も大湯と接触があったことは認めており、チームのリリースに「スタート直後、1コーナーで僕自身が原因となる接触をしてしまった」とコメントしている。当該の映像を見たファンからも、大湯には非がないのではないかという意見がSNS上で広く聞かれた。

『SFgo』が捉えた三宅と大湯の接触シーン。大湯のマシンの右リヤが若干浮いているように見える。

『SFgo』が捉えた三宅と大湯の接触シーン。大湯のマシンの右リヤが若干浮いているように見える。

Photo by: JRP

 ではなぜ大湯にペナルティが下されたのか? これには、ファンと競技団の“視界”に相違があるという背景があるようだ。

 以前、第5戦SUGOでの松下信治のペナルティ裁定に関する記事でも報じたように、スーパーフォーミュラの審査委員会はレース中、サーキットにある監視カメラの映像を基に判断を下している。言い換えると、ファンやメディアが中継や『SFgo』を通して見ていた各車のオンボード映像は現状、検証材料として採用されていないということだ。今回も、競技団が監視カメラの映像を基に検証した結果、大湯に非があると判断している。

 オンボード映像が検証材料とみなされない理由は複数あると思われる。まず第一に、全車のオンボード映像を常時かつ鮮明に提供できる環境づくりは、まだ開発途上であるということ。現在は『SFgo』を通して600名の“開発サポーター”と一部関係者に全車のオンボードが提供されているが、各サーキットでの通信環境等の課題もあり、これらを検証のエビデンスとするのは時期尚早な段階にあるようだ。

 また、仮にオンボード映像を検証に使用することになったとしても、レースコントロールが全車のオンボードを確認できる体制をどのようにして作り上げるのか、そういったインフラ面でも抜本的な整備をしなければならないという。これを実現させるためには、関係各所への働きかけが必要という話もあり、やはり一朝一夕ではいかないように感じられる。

 スーパーフォーミュラを主催する日本レースプロモーション(JRP)は、『SF NEXT50』プロジェクトを通して様々な改革を推し進めており、『SFgo』アプリもその一貫。そしてその『SFgo』用のオンボード映像が中継でも使われるようになったため、ファンが目にできる映像の量が以前と比べて格段に増えることになったわけだ。

 各ドライバーのセッション中の動きが“丸裸”になるこの『SFgo』の登場で、ファンと競技団の“視界”がこれまで以上に異なり、レースで起きた事象に対する認識や印象にも両者間で差ができてしまう……そういう新たな課題も浮き彫りになったように感じられる。

 JRPはファンが納得できるレースを提供するため、改革の過程をファンやメディアに積極的に開示しているが、今後彼らがこの大きな課題をどのように乗り越えていくのか、期待すると共に注目していきたいところだ。

 
 
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