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フェネストラズとアレジ、対照的なシーズン送るふたりの外国籍選手:英国人ジャーナリスト”ジェイミー”の日本レース探訪記

日本を拠点に活動するmotorsport.comグローバル版のニュース・エディター、ジェイミーがお届けするコラム。今回のテーマは、ここまで対照的なシーズンを送るサッシャ・フェネストラズとジュリアーノ・アレジについて。

Sacha Fenestraz, KONDO RACING, Giuliano Alesi, Kuo VANTELIN TEAM TOM’S

Sacha Fenestraz, KONDO RACING, Giuliano Alesi, Kuo VANTELIN TEAM TOM’S

 今季のスーパーフォーミュラに参戦している外国籍のドライバーは、KONDO RACINGのサッシャ・フェネストラズと、Kuo VANTELIN TEAM TOM’Sのジュリアーノ・アレジの2人です。ところで、彼ら2人にはいくつか興味深い共通点があります。

 フェネストラズとアレジはフランス国籍でレースに参戦していますが、共に二重国籍を所持しています。フェネストラズはフランスとアルゼンチン、アレジはフランスと日本の国籍の所有者です。そして共に1999年生まれ。F1のジュニアチーム出身(フェネストラズはルノー、アレジはフェラーリ)ながら、ヨーロッパではチャンスに恵まれずに日本にやってきたという経緯も同じです。

 しかしながら、彼らの今季の成績は対照的なものとなっており、フェネストラズが好調な一方でアレジは苦戦を強いられています。確かにフェネストラズの方がスーパーフォーミュラでのキャリアは長いですが、彼は2021年シーズンの大半を入国ビザの問題で欠場していますし、アレジはレギュラーシートを得る前から代役参戦をしていたため、ふたりの出走レース数は実は4戦しか違いません。(フェネストラズ14戦、アレジ10戦)

 フェネストラズは今や上位入賞の常連となっていて、先月行なわれた第5戦SUGOでは初優勝を飾り、ランキングも3番手に浮上しました。一方のアレジは、チームメイトの宮田莉朋がコンスタントに上位でフィニッシュする中でなかなかペースを上げられず、入賞1回(8位)のみに終わっています。

 今季の予選平均グリッドを比較してみると、フェネストラズは平均3.6番手という優秀な数字を残しており、野尻智紀(TEAM MUGEN)、宮田に次ぐ数字となっています。対するアレジは平均13.6番手。アレジのベストグリッド(9番手)は、フェネストラズのワーストグリッド(7番手)よりも低いのです。

 もちろん、後半戦に入って勢力図が変わることは往往にしてある訳ですが、ここまでのフェネストラズとアレジが明暗分かれた理由を探ってみたいと思います。

 まずフェネストラズに関しては、KONDO RACING自体が復調したという言い方もできますが、そのチームを前進させたのは紛れもなく彼自身。またフェネストラズは今年からミハエル・クルムによる言語面などのサポートも受けていますが、実はクルムは怪我のためSUGO戦を欠席していますし、そのサポートだけが全てとは言い切れません。

Sacha Fenestraz, KONDO RACING

Sacha Fenestraz, KONDO RACING

Photo by: Masahide Kamio

 KONDO RACINGの雰囲気も間違いなく良さそうです。フェネストラズと山下健太のふたりはセットアップの好みが似ている訳ではありませんが、データのシェアなどにおいても風通しが良く、よりヨーロッパ的なシステムとなっています。

 フェネストラズの才能やチーム状況、ここまで積んだ経験値などを考えると、ここ最近の活躍も当然の結果とも言えます。SUGOのようなレースはドライバーだけでなくチームにも自信を与え、好循環となっていくでしょう。

 それとは対照的なのがアレジ。担当の大立健太エンジニアが今年初めに語っていたところによると、アレジは宮田とは全く異なるセットアップを追求していて、より遅く、よりアグレッシブにブレーキングする傾向にあるようです。これは彼がF2に参戦していた名残ではないかと大立エンジニアは分析しています。

Giuliano Alesi, Kuo VANTELIN TEAM TOM’S

Giuliano Alesi, Kuo VANTELIN TEAM TOM’S

Photo by: Masahide Kamio

 アレジ自身も指摘していましたが、日本のレースではチームのドライバーがそれぞれ異なる方向性のセットアップをすることが普通であり、片方のコピーをすることはほとんどありません。ただ、アレジにとってそのようなやり方には限界が近付いており、宮田に追い付くためには宮田のスタイルに自分自身を適応させる必要があるかもしれません。

 このような状況もあってか、TOM’Sのガレージの雰囲気もKONDO RACINGと比べると重いように感じられます。オートポリスでは、アレジがレース序盤の山本尚貴との接触の後、自らの意思でマシンをピットに戻したことで議論になったという噂も聞こえてきています。アレジはマシンにダメージがあると感じた一方で、チームはマシンに問題がないと判断したというのがその理由のようです。

 ところで、フェネストラズとアレジはスーパーGTでは同じくTOM’Sから参戦しています。それだけに、アレジにのしかかるプレッシャーは相当なものでしょう。実は、今季フェネストラズはスーパーフォーミュラでもTOM’Sへ加入する可能性が高かったと言われていました。彼とTOM’Sの関係はとても密なのです。そういった経緯もあり、フェネストラズはKONDO RACINGの苦境を改善するためTOM’Sに助けを求め、それらの結果としてクルムが加入することになったとも言われています。

 ここまでのシーズンを振り返って見ると、この先フェネストラズがどこまでKONDO RACINGを引っ張っていけるのか見るのが楽しみです。残りシーズンも同じレベルのパフォーマンスを維持できるのであれば、タイトル獲得も夢ではないでしょう。

 一方のアレジは、昨年のオートポリスでの優勝が遠い記憶となりつつある今、出来るだけ早く結果を残し、TOM’Sでの地位を確固たるものにすることが求められるでしょう。

 
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