戦略ハマり4位を2度ゲットも、予選で苦しむブラウニング。ウイリアムズのエンジニアも「FP3やFP4があればね……」
スーパーフォーミュラでルーク・ブラウニングの担当エンジニアを務めるエド・リーガンは、予選ポジションを上げることを目指しているが、短いフリー走行の後に“一発勝負”でタイムを出すことは簡単ではないと語る。
Luke Browning, REALIZE KONDO RACING
写真:: Masahide Kamio
今季スーパーフォーミュラに参戦しているウイリアムズF1リザーブドライバーのルーク・ブラウニング(REALIZE KONDO RACING)。シーズン序盤戦は苦しんでいるシーンが多く見受けられるが、それでも第4戦鈴鹿ではステイアウト戦略が成功し、今季2度目の4位入賞を果たした。
ブラウニングはもてぎで行なわれた開幕ラウンドの2戦目でも、戦略がうまくハマって4位に入っている。この時は21番グリッドからのスタートながら、最終ラップまでステイアウトしてトラックポジションを上げる作戦に出た。その結果、フロア破損でペースの上がらない4番手走行の大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)が後続を抑えていたことにも助けられ、大湯の前4番手で復帰。大幅なジャンプアップで望外の8ポイント獲得となった。
ウイリアムズのF1エンジニアであり、今季はスーパーフォーミュラに派遣されてブラウニングを担当するエド・リーガンは第2戦のレース後、ステイアウト戦略は元々から考えていたものだったが、大湯が入賞圏の集団に蓋をしたことで想定以上に順位を上げられたと説明した。
「他と同じことをしていたら、20位そこらで終わってしまうことは分かっていた。だから我々は何か違うことをしなければいけなかったんだ」
写真: Masahide Kamio
リーガンはそう語る。
「それで、みんなが次々ピットインしていく中ステイアウトしようとしていた。デグラデーション(タイヤの性能劣化)もなく、ルークは上位陣と同じようなペースで走れていたので、とにかくコース上にとどまり続けた」
「正直言うとセーフティカーを待っていたのだが、出ることはなかった。ただ後方に十分なギャップが生まれ、ピットウインドウが開いた。何台かのマシンがパックになっていたことも有利に働いたと思う。もう少し下の順位になると思っていたので、結果的にこの順位になったことは驚きだが、ペースは良かった」
そして鈴鹿ラウンドでも、ブラウニングは大幅ジャンプアップで大量ポイントを手にした。土曜日の第4戦、小雨が降って路面状況が悪化したタイミングで、上位陣を含む多くのマシンがピットインしてウエットタイヤに交換したが、16番手スタートで10番手を走っていたブラウニングはステイアウトを選択。このギャンブルで2番手まで上がった。路面が急速にドライアップしたことでステイアウトが“正解”の戦略となり、ブラウニングは同じくステイアウト組の2台にオーバーテイクを許すも、4位でチェッカーを受けた。
またしても戦略がバッチリハマった格好のブラウニング陣営。しかしこの時、他のチームと同様にKONDO RACINGのピットでもやや混乱が生じていた。
当時、ブラウニングは路面が濡れてきていることから、ピットインするべきだとチームに訴えていた。レースを終えたドライバーたちは口を揃えて、ドライタイヤで走るにはかなり厳しい路面状況になっていたと話しており、同じくステイアウト戦略で優勝したサッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)でさえ、チームからのステイアウト指示に反対していたのだ。それほど過酷なコンディションにもかかわらず、レーダーに雨雲はなし……誰もが判断を迷う状況だった。
そしてセーフティカーが出された23周目、先頭集団をはじめとする多くのマシンがピットへと駆け込むことになるのだが、実はここでチームはブラウニングにピットインの指示を出した。しかし時既に遅し。ブラウニングはピットレーン入口を通過しており、入ることができなかった。
写真: Masahide Kamio
「我々が見た限りでは、ウエットタイヤを履くほど濡れていないように思えたが、ルークは濡れていると強く訴えていたので、彼をピットに呼び込むことにした。しかしそれが遅すぎた。ピットエントリーを過ぎてしまった」
「あのタイミングを逃すと、もうステイアウトするしかなかった。あの時点で2番手まで上がったが、次の周に入れば最後尾まで落ちていただろうからね」
このように、ここまではブラウニングの力強いレースペースといくつかの幸運が重なって好リザルトを手にすることができているが、ここまで予選Q1を突破できたことは一度もなく、この状況が続ければコンスタントにポイントを積み重ねるのは簡単ではないだろう。
リーガンは、Q1は10分間とはいえ事実上は“一発勝負”のアタック合戦となるため、経験が少ない陣営にとっては簡単ではないと語る。
「FP3やFP4だったり、もう少しプラクティスセッションがあれば助かるんだけどね。予選はすぐにやってくるし、それで一発勝負で決めないといけない」
「もてぎとここでは良い結果を出せたが、どちらもグリッド後方からだった。まずはもう少し前の方からスタートすることを目指していきたい。そうすれば、もっと素晴らしい結果を得られるかもしれない」
追加取材:Jamie Klein
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