【スーパーGT】SUGOで3台のNSXに搭載された2基目エンジン。ドライバーからの最大級の評価にホンダ佐伯LPLも一安心
スーパーGT第5戦SUGOでは、GT500クラスを走る3台のホンダNSX-GTに2基目のエンジンが投入された。このエンジンに関しては、ドライバーからも高い評価を得ているようだ。
写真:: Masahide Kamio
全8戦で競われる2021年のスーパーGTは折り返し地点を過ぎ、9月12日にはスポーツランドSUGOで第5戦が行なわれた。後半戦最初のレースということもあり、GT500クラスに参戦するホンダ、トヨタ、日産の各メーカーは、シーズン2基までの使用が認められているエンジンの2基目を多くのマシンに投入した。
トヨタ勢はこのレースから全車に2基目を投入。日産勢も今回で全車が2基目以降のエンジンとなったようだ。一方ホンダ勢は、5台のNSX-GTの内、1号車STANLEY NSX-GT、17号車Astemo NSX-GT、64号車Modulo NSX-GTの3台にのみ2基目を投入した。これについて、ホンダのラージ・プロジェクトリーダー(LPL)である佐伯昌浩氏は次のように語っていた。
「64号車、1号車、17号車の3台に関しては2基目のエンジンを入れています。元々の計画ではオートポリスで(投入するよう)準備していましたが、それを前倒しして、クラッシュによる被害の出た64号車、そしてポイントランキング上位の2台(1号車、17号車)に入れることに決定しました」
このニューエンジン投入の効果もあってか、1号車と17号車は決勝レースで大いに躍動した。17号車は60kgのサクセスウエイトをものともせず予選4番手を獲得すると、決勝でも3位表彰台。練習走行ではマシンに大幅な変更を施すなど慌ただしい週末のスタートとなった1号車も、前半スティントこそ後方に沈んでいたが、燃費の良さを活かしてライバルに先んじてピットインするお得意の作戦も機能し、大幅にジャンプアップ。2位表彰台を獲得してタイトル争いで一歩リードする形となった。
「2基目のエンジン適用にあたり、走行テストの機会が限られているので、かなり不安がある中での投入となりました」と佐伯LPLは語る。
「もてぎのテストでは気温が低く、距離もあまり走れませんでした。そんな中、今日みたいな暑いコンディションでしっかり走れたことは一安心というところですね」
「ドライバーのコメントも概ね良いものでした。ドライバーから『このエンジン良いね』と言われることはなかなかないので、体感できる性能向上はあったのかなと思います」
その佐伯LPLの言葉通り、ドライバーからもポジティブなコメントが聞こえてきている。17号車を駆るベルトラン・バゲットはmotorsport.comに次のように語った。
「ホンダはエンジンにおいて素晴らしい仕事をしてくれた。これまでそれ(エンジン)は僕たちのウィークポイントだったのに、今回は大きく進歩した」
「主にドライバビリティが改善されている。これまではコーナー出口でのパワー不足など多くの問題があったけど、トルク特性が変わって今はかなり運転しやすくなった」
「予選4番手という結果は、重いマシンでも予選で前の方に行けるということを証明しているし、次戦オートポリスにも自信を持って臨むことができる」
このようにホンダのニューエンジンの見通しは良好といったところだが、佐伯LPLは今回のレースでトヨタ勢や日産勢にエンジン関係とみられるトラブルが発生したことを踏まえ「他の2メーカー(トヨタ、日産)は途中から抑えて走っていたんじゃないかと思います。これが本当の勢力図ではないと考えていますし、まだまだ向こうはポテンシャルを持っているなと思います」と慎重なコメントを残した。
また車体開発責任者の往西友宏氏も、「2基目の(エンジンの)おかげで、クルマとして完成に近付いたのかなと思いますが、他社さんもこれから黙っていないでしょうし、今日は他社さんと比べてたまたま良い結果が出たのだと思っています」と同じく気を引き締めた。
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