スーパーGT 第4戦:富士
37号車KeePerはなぜ24号車リアライズを逆転できたのか? 第2スティントが勝利の鍵に|スーパーGT第4戦富士
スーパーGT第4戦富士で今季初勝利を達成した37号車KeePer TOM'S GR Supra。決してマシンの仕上がりが完璧ではなかったようだが、第2スティントでの走りが勝利を手繰り寄せた。
戎井健一郎
編集: 2022/08/08 5:31
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富士スピードウェイで行なわれたスーパーGT第4戦を制したのは、37号車KeePer TOM'S GR Supraだった。レースは長らく24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zがリードしていたが、2番手につけていた37号車は2度目のピットストップで逆転して勝利を掴んだ。
37号車はレース終盤、24号車の1〜2秒後方を走行しており、そのすぐ後ろには12号車カルソニック IMPUL Zが控えていた。そんな中で72周目には24号車がこの日2度目のピットへ。KONDO RACINGは36.3秒という制止時間で24号車をコースに送り出した。
しかし翌周にピットインした37号車は28.7秒という速さでピットアウト。その間24号車はトラフィックに引っかかっていたこともあり、37号車に10秒以上の差をつけられてしまった。
このように、上記2台のピットでの制止時間が大きく異なっていた理由は、概ね給油時間の差と言える。ではなぜ給油時間に差がついたのか? それは37号車の宮田莉朋が第2スティントで、2度目のピットストップでの逆転を見越した燃費走行をしていたからだ。
宮田はレース後記者会見の中で、24号車の2度目のピット作業は長くなることが分かっていたと語った。
「第2スティント(に向けた1回目のピットストップ)ではフルタンクに給油するのか、(第2スティントの)周回数分だけ給油して、第3スティント(に向けた2回目のピットストップ)でフルタンクに給油するのか、そのどちらかだと思います」
「24号車は(給油時間が)短く、12号車も自分たちとの差が縮まったことを考えると多分短かったと思います」
「僕たちの第2スティントのペースは24号車よりは速いけど、12号車の方がさらに少し速いという状況でした。ただ(12号車に)抜かれるほどではなかったので、自分のペースで燃費走行をしていました。それが(2度目のピットストップで)あれだけ差を作れた要因だと思います」
37号車の逆転劇の舞台裏には、今年から37号車のトラックエンジニアを務める大立健太エンジニアの的確な判断があった。大立エンジニアは映像を通して24号車が1度目のピットストップで満タン給油をしていないことを確認。「2回目のピットはうちの方が短いと思うから、そこで前に出られるようにしよう」と宮田に声をかけたという。
第2スティントを通して、燃費走行をしながら24号車を射程圏内に捉え続けていた37号車。その話を総合すると、彼らはその時点で勝機を感じられていたのではないかと思えるが、大立エンジニアにとっては不安に感じる要素が多かったようだ。
「(37号車と24号車では)メーカーが違いますからね。前回の鈴鹿戦では燃費の違いもあってか、3号車(CRAFTSPORTS MOTUL Z)にピットでやられてしまったので、今回も疑心暗鬼な部分がありました」
「今回は12号車に逆転されそうだったので、燃費はまだまだ改善しないといけないと思います。クルマも良くなかったので、ドライバーにとってマネジメントするのは難しかったと思います」
「クルマも良くなかった」と大立エンジニアがそう語るように、37号車は週末を通して完璧な仕上がりという訳ではなかったようだ。
「クルマに関しては走り出しから全然ダメでした。特にトラクションをかける際にリヤが軽いということで、そこを騙し騙しやっていました」
「予選が一番酷い状態だったと思いますが、ドライバーが頑張ってくれて4番手で終えることができました。決勝に向けても少しセットアップを変えましたが、持ち込みセットの悪さを完全に消し切ることはできていませんでした」
そんな状況下でも勝利を手にした37号車。特に決勝に向けたアジャストではヒントを得たようで、「今後に向けてこういう風にしていけば、という点が少し見えてきました。昨日のままだと、迷宮入りかなと思いましたけど笑」と笑う大立エンジニアの表情は明るかった。
ポイントリーダーになり、次戦からは燃料リストリクターの制限も受けるが、今後もライバルにとって厄介な存在であり続けるのは間違いなさそうだ。
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