スーパーGT SUBARU BRZ シェイクダウン

【スーパーGT】2年ぶり王座へ、進化を止めないスバル。今季導入カーボンニュートラル燃料の対策も新型ECUでバッチリ?

2023年シーズン仕様のスーパーGT車両をシェイクダウンしたスバル。王座奪還に向けて施した数々のアップデートについて、小澤正弘総監督に聞いた。

戎井健一郎

公開日時: 2023/02/21 11:25

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#61 SUBARU BRZ R&D SPORT

 2021年のスーパーGT・GT300クラス王者であるスバル/STIが、2月21日に2023年シーズン仕様のSUBARU BRZ GT300を富士スピードウェイでお披露目。計2時間のシェイクダウン走行も行なわれた。

 昨シーズン、あと一歩のところでシリーズ連覇を逃したスバル/STI。彼らにとっては今季は文字通り王座奪還を目指すシーズンとなるが、そんな中で投入される2023年仕様のBRZには、各所にアップデートが施された。チームの説明によると、改良された点は主に「空力性能」「シャシー性能」「エンジン制御」の3つだ。

 まず空力性能に関しては、GT300車両規定の変更箇所に合わせてフロントカウルとアンダーフロアを改良し、ダウンフォース向上とドラッグ(空気抵抗)低減を目指しているという。

 小澤正弘総監督によると、2023年版のGT300車両規定では車両上面がより量産車に近い形状となったことで空気の流れが悪くなり、空気抵抗も大きくなるような方向性だという。

 ただそれに伴って車体下面に関する規則も変更され、従来は後輪の車軸中心までフラットボトムである必要があったのが、今季からは後輪の前端から後ろはフラットボトムである必要がない。したがってディフューザーをより効果的に使って大きなダウンフォースを生み出せるようになり、その分リヤウイングを寝かせて空気抵抗も減らせる。つまり車両としての空力特性が変わるということになるだろう。

 スバル/STIでは前年のフロントカウルを継続して使うという案も出たようだが、2023年版車両規則に合わせて最適化させたフロントカウルの投入を決断。ただレギュレーションの内示が昨年末だったということもあり、今回のシェイクダウンには間に合っていない状況だ。

「我々としても、2023年に限っては今までと同じカウルでいいという意見もありましたが、毎戦アップデートをしてどんどんクルマを良くしていくというのが我々の思想です。全くいじらないとなると、ステップアップにならないですから」と小澤総監督は言う。

 続いてシャシー性能を向上させるために彼らが取り組んだのが足周り。サスペンションセッティングの見直しに加えて、新開発のタイヤとホイールを投入する。

#61 SUBARU BRZ R&D SPORT

#61 SUBARU BRZ R&D SPORT

Photo by: Motorsport.com / Japan

 タイヤはまだしも、ホイールがコーナリング性能などに与える影響については、少しイメージしにくいかもしれない。これについて小澤総監督はこう説明する。

「確かに、タイヤの接地面を司っているのはタイヤの変形です。ただ実はホイールもすごく変形していて、それが接地面に影響しています」

「ホイール剛性を良くしてやると、接地の仕方も変わりますし、タイヤの熱分布も変わってくるので、非常に大きなファクターです。横、縦と、方向によって剛性の特性があるので、その辺も含めてトータルで合わせ込んでいただきました。比較的良い結果が得られると思います」

 そして最後にエンジンの制御面について。スバルは2022年シーズンにも、これまで長期に渡って使用してきたECU(エンジン・コントロール・ユニット)の新調を計画し、実際にテストでは新型ECUを使用した。しかし信頼性などを総合的に判断した結果、2022年シーズン中の導入は見送られることとなった。

#61 SUBARU BRZ R&D SPORT

#61 SUBARU BRZ R&D SPORT

Photo by: Motorsport.com / Japan

 熟成を経て満を持して投入される新型ECUだが、これはある意味絶好のタイミングと言える。今季からは100%非化石燃料のカーボンニュートラルフューエルが導入予定だが、この新燃料への適応にはエンジン制御が肝になってくるという。

「今度の新しい燃料は少しだけ蒸発性が悪いです。シリンダーについた燃料がそのままオイルに混ざってしまい、なかなか蒸発しないことでオイルダイリューション(オイルの潤滑効果低下)が起きることがあります」と小澤総監督は説明する。

「そこでなるべくオイルダイリューションを出さないように、噴射タイミングの制御などを正確にやる必要があるんです」

 今回のシェイクダウンでも既に新型ECUはテストされており、アンチラグなどドライバビリティ面を中心に調整が行なわれた。「制御性は上がっていますね」と小澤総監督は手応えを口にする。

 このように、様々な面で改良を施してシーズンに臨むスバル/STI。レースごとに見られるアップデートにも注目だ。

 

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