【スーパーGT】岡山でトップ4独占のGRスープラ。TRD湯浅エンジニア「開発凍結の中、やれることはやってきた」
スーパーGT岡山でトップ4を独占を独占したGRスープラ。その開発を率いたTRDの湯浅エンジニアが、今季に向けてGRスープラに施した改良について説明した。
写真:: Masahide Kamio
岡山国際サーキットで行なわれた2021年のスーパーGTの開幕戦。このレースを席巻したのは、GRスープラ勢だった。
予選ではGRスープラ勢がトップ5を独占。決勝でも表彰台のみならず、トップ4を独占する圧倒的なまでの強さを見せた。
GRスープラの開発を担当するTRD(トヨタ・レーシング・デベロップメント)の湯浅和基エンジニアは、今季型のマシンに施した開発について、次のように説明する。
「開発は凍結されていますが、それは空力の部分だけです。なので、やれることはやっています。例えば軽量化とか、セットアップのコンセプトチェンジとか……昨年はハイレーキのセッティングでしたが、それはもてぎではうまく機能していませんでした。なので、セッティングのコンセプトを変更しなければいけなかったんです」
「そのセットアップについては、ドライビングシミュレータやシミュレーションを使って検証してきました。そしてそのシミュレーションから、良い結果を得ることができました。そして新しいセッティングを試し、良いタイヤを供給してもらいました」
今回の岡山戦では、燃料リストリクターに関する規則が通常とは異なり、燃料流量が減らされていた。これがGRスープラ勢に有利に働いたのではないかという見方もあったが、湯浅エンジニアはこの考えを否定する。
「全然そんなことはありません。今年は燃費の改善だけではなく、本来エンジンが持っているパフォーマンスをしっかりと使えるようにしてきました。パワーをしっかり出せるように頑張ってきました」
「昨年はホンダの予選でのパワーがすごかった。速かったです。でも決勝では、我々の方が少し速いかなという感じでした。ただ予選では負けているということは分かっていましたので、そこは頑張ってきました。今回のリストリクターの変更が我々に有利に働いたとは思っていないです」
また空力面での変更はできないものの、様々な変更を施し、速度域が低い岡山にも対応できるようにしてきたと、湯浅エンジニアは語る。
「開発凍結なので、空力面での変更はしていません。ですが、セッティングによって少し曲がりやすくするとか、そういう部分が少しずつ良くなったと思います」
昨年のスーパーGTは、新型コロナウイルスの影響により富士スピードウェイ、鈴鹿サーキット、ツインリンクもてぎの3会場のみを転戦するという変則的なシーズンだった。しかし今季は、今回の岡山を初め、昨年はレースが行なわれなかったオートポリスやSUGOでのレースも予定されている。
GRスープラにとって初体験となるこれらのサーキットに向けた自信はあるかと尋ねられた湯浅エンジニアは、次のように語った。
「岡山は(事前に)走れました。メーカーテストと公式テストがありましたからね。でもオートポリスとSUGOでのテストはありませんから少し心配です。GRスープラで走ったことはありませんからね」
「日産さんは(長くGT-Rを使っているので)経験があるでしょう。スープラはボディが変わって、空力も変わっています。ホンダさんもFRになって初めて戦うコースです。オートポリスもSUGOも。なのでGT-Rに対し、NSXとスープラの戦いになる……そう思ってます」
決勝レース前には、「レースペースについては安心していますが、予選で躓いたNSX勢、そしてミシュランタイヤを履くGT-R勢のロングランペースは速かったので、心配しています」と語っていた湯浅エンジニア。しかしその懸念が現実のモノとなることはなく、決勝でも強さを見せた。
そこから考えれば、今シーズンはGRスープラが席巻する……のかもしれない。
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