佐藤琢磨が直接指導。KIDS KART CHALLENGEファイナルで、小学生たちが激熱バトル
佐藤琢磨が主宰する「グリコ x with you Japan TAKUMA KIDS KART CHALLENGE 2019 FINAL」が11月2日と3日にかけて鈴鹿サーキットのアドバンスカートのコースで行なわれ、小学生たちが最速を目指し、激戦のバトルを展開した。
写真:: Motorsport.com / Japan
インディカードライバーの佐藤琢磨が主宰する、小学生向けのカートイベント「グリコ x with you Japan TAKUMA KIDS KART CHALLENGE 2019 FINAL」が11月2〜3日にかけて鈴鹿サーキットで行なわれ、ハーバーサーキット千葉出身の末友秀磨選手(小学3年)が優勝を果たした。
この「グリコ x with you Japan TAKUMA KIDS KART CHALLENGE」は、「モータースポーツの楽しさを通じて、東日本大震災の復興地を応援しよう!」を目的に、2014年にスタートしたイベント。カート初心者からレース経験者(レーシングカートでレース大会に出場経験のある方の参加は除く)までの小学生を対象に、日本全国の24カ所のカートコースでタイムトライアルを実施。そこから選出された小学生100名が、鈴鹿サーキットで行なわれるファイナルに駒を進めるというモノだ。6年目となる今年は、合計1373人がタイムトライアルに挑んだ。
鈴鹿サーキットで行なわれたファイナルでは、初日に練習走行と予選ヒートの組み分けを決定するタイムトライアルを実施。練習走行では、佐藤琢磨も子供達と共に走行し、ライン取りなどをアドバイス。また走行後には佐藤が直接アドバイスしたり、子供らからの質問に答えるなど、熱気を帯びたという。この成果もあってか、ファイナル中に大きくタイムを伸ばす参加者も少なくはなかった。
2日目には、予選ヒートを実施し、上位40名が決勝に駒を進めた。この決勝は4組に分けられ、予選ヒート上位20台となる決勝A組とB組から、各5人ずつ計10名が決勝ファイナルへと挑んだ。
この決勝ファイナルでは、予選ヒート&決勝Aで最速だった末友秀磨選手(ハーバーサーキット千葉/小学3年)と、初日のタイムトライアル首位だった瀧口純輝選手(ドリームサーキット/小学6年)が激しいバトルを展開。首位を行く末友に瀧口が並びかけて一時は首位に立つも、クロスラインで末友が再浮上するという、手に汗握る展開となった。
しかしレース終盤、瀧口が後続の瀬川直人選手(G-7土山サーキット/小学4年)と接触してスピンし後退。結局、末友がポール・トゥ・ウインでこの「グリコ x with you Japan TAKUMA KIDS KART CHALLENGE 2019 FINAL」を制した。2位には瀬川、3位には土屋拓心選手(ハーバーサーキット木更津/小学5年)が入った。
末友はこれがレース初優勝。「(瀧口)純輝くんに後ろから何度も突かれて、一度は抜かれたけどすぐに抜き返して、最後は逃げ切りました。将来はF1かスーパーGTのドライバーになりたいです」とレース後に語った。
また2位になった瀬川も「2位は嬉しい。瀧口くんに接触してしまったので謝りました。この2日間でハンドルを切りすぎるとスピードが落ちることを学んだので、切りすぎないようして0.7秒ぐらいタイムが上がりました。将来はF1レーサーになりたいです」とコメントを寄せている。
なおこのファイナルに女子として唯一進出した名越美喜選手(シーサイドサーキット/小学6年)は、最終的には9位。「去年もファイナルに来て26位だったので、トップ10に入れて嬉しいです。スタートのとき早めにアクセルを踏んで差を広げられるようにしました」と語った。
この2日間、そして2019年の「グリコ x with you Japan TAKUMA KIDS KART CHALLENGE」を振り返り、佐藤は次のようにコメントを寄せた。
「みんなチャレンジしてくれて、素晴らしい決勝レースをしてくれました。特に昨日から今日にかけて急成長が見られました。激しいバトルで接触、スピンはありましたけど、フェアでハードなレースでしたね。トップ40に選ばれなかった選手も、もう1日あったら(決勝に)行けただろうという子が何人もいた。次の目標にしてがんばってもらいたいです」
「スーツもヘルメットも持ってない子どもたちがレンタルカートでタイムトライアルしてくれて、練習を重ねて各サーキットの代表としてここに来てくれました。ひとりひとりの子どもたちの成長が見られたし、6年目にして100名の選手を集められる規模になったことを感謝しています」
なお「グリコ x with you Japan TAKUMA KIDS KART CHALLENGE 2019 FINAL」の上位10名は、12月1日にフェスティカサーキット栃木で行われる”アカデミー”に参加する権利を得た。このアカデミーは、レンタルカートではなくレーシングカートに乗り、本格的なレースを体験するためのスクール。しかも佐藤琢磨が直接指導するという。
今回の参加者の中から、将来のトップドライバーは誕生するのか? また例えレースの道に進まなかったとしても、参加した子供達にとっては生涯忘れられない体験となったことだろう。
→グリコ x with you Japan TAKUMA KIDS KART CHALLENGE 2019 FINALフォトギャラリー
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