トヨタ、スーパー耐久で”水素エンジン”の技術開発に挑戦。第3戦富士24時間で実戦投入を開始
トヨタは、カーボンニュートラルなモビリティ社会実現に向けて、スーパー耐久第3戦富士24時間レースからカローラ スポーツをベースとした水素エンジン搭載車両を参戦させることを発表した。
#104 ROOKIE RACING 86
吉田知弘
トヨタは、5月21日から23日に行なわれるスーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook『第3戦 NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース』から「ORC ROOKIE Racing」の参戦車両として、カローラ スポーツをベースとした水素エンジン搭載車両を参戦させることを発表した。
これは、モータースポーツの厳しい環境で水素エンジンの技術開発に取り組むことで、持続可能で豊かなモビリティ社会を実現していくためだという。
水素エンジンは、水素を空気中の酸素と化学反応させて電気を発生させ、モーターを駆動させる燃料電池とは違い、ガソリンエンジンのように水素を燃焼させることで動力を発生させるもの。内燃機関の燃料供給系と噴射系を水素にあわせて変更する形だ。
水素エンジンは、ガソリンエンジンでも発生するごく微量のエンジンオイル燃焼分を除き、走行時に二酸化炭素を発生しない。また、水素の燃焼はガソリンよりも速く、応答性に優れているという特徴を持つ。
優れた環境性能を持つと同時に、クルマが持つ、音や振動を含めた「クルマを操る楽しさ」を実現する可能性を秘めているという。
今回の水素エンジンには、昨年9月に販売開始されたGRヤリスなど、モータースポーツで鍛えられてきた技術や、燃料電池車の開発や市販を通して、積み重ねてきた安全面に関する技術・ノウハウが活用されているとのこと。
エンジンの総排気量は1618cc。直列3気筒インタークーラーターボで、圧縮気体水素を燃焼させる。
レース中に使用される水素は、福島県浪江町の「福島水素エネルギー研究フィールド」にて製造された水素を使用する予定だという。水素活用の促進によりインフラ拡大を目指すだけでなく、経済復興・地域の活性化に向けた取り組みにもなっているようだ。
燃料電池車『MIRAI』の市販など、水素活用の促進を行なってきたトヨタ。水素エンジン技術をモータースポーツでさらに鍛えることで、より良い水素社会の実現を目指している。
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