ウラルカリ、契約解除のハースF1にスポンサー料の返却を求める「チームは義務を履行していない」
ウラルカリはハースF1に対して、支払い済みの2022年のスポンサーフィー全額の返還を求めると声明を発表した。
Mick Schumacher, Haas VF-22
Steven Tee / Motorsport Images
ハースF1はロシアのウクライナ侵攻に伴い、ロシア企業であるウラルカリとの契約終了を決定。さらにウラルカリ社のトップであるドミトリー・マゼピンの息子であるニキータ・マゼピンとの契約も解除した。
ウラルカリはこれに応じて声明を発表。ハースに支払い済みの2022年のスポンサーフィー全額の返還を求めることを目指すという。
2月下旬にカタルニア・サーキットで行なわれたF1のバルセロナ・プレシーズンテスト。その最中に、ロシア軍がウクライナへの侵攻を開始したというニュースが飛び込んできた。これを受けハースは、テスト3日目にマシンからウラルカリのロゴやロシアを彷彿させる青と赤のラインを剥がし、真っ白なカラーリングで走行した。
その後チームは、ウラルカリとの契約を解除し、マゼピンとの契約も完全に断つことを決めた。
これを受けてウラルカリは、すでにハースに支払われたスポンサーフィー全額の払い戻しを求めると声明を発表。返還請求が成功した場合には、その資金をアスリートを支援する財団の設立に充てるという。ただ、その財団の資金がどのように使われ、誰に届けられるかは依然として不明である。
「ウラルカリは、適用される法的手続きに従ってその利益を保護し、司法手続きと損害賠償請求を行なう権利を有している。そして2022年のF1シーズンのためにウラルカリが支払った巨額の資金の返済を求める」
ウラルカリは声明にそう記している。
「2022年シーズンのスポンサーフィーの大半はすでに支払われているが、ハースがシーズン開幕前にスポンサーシップ契約を解除したため、彼らは今シーズンのウラルカリに対する義務を履行していない」
「ウラルカリは、ハースが受け取った資金の即時返還を要求する」
なおウラルカリはこの声明の中で、ロシアのウクライナ侵攻を理由にハースがスポンサー契約の終了を求めたことは「不合理」であり、F1は「常に政治や外的要因による圧力から解放されるべきだ」とも主張している。
現在F1はバーレーンでのテスト開催が間近に迫っている。しかしハースは、バーレーンに機材を輸送する飛行機の故障により、イスタンブール空港で足止めを食らうことになってしまったため、テスト開始時刻が遅れることを余儀なくされそうだ。
またマゼピンの後任となるドライバーはまだ決定していないが、今回のバーレーンテストではリザーブドライバーのピエトロ・フィッティパルディが、ミック・シューマッハーと共にVF-22をドライブする予定となっている。
なおFIA F2とFIA F3に参戦するハイテック・グランプリも、ウラルカリとの契約を解除した。ウラルカリ側は、ハイテックに対してハース同様のスポンサーフィー返還要求を行なうかどうかは、まだ明らかにしていない。
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