F1
F1分析|F1のドメニカリCEO、フリー走行の削減を示唆? その発言の真意はどこにあるのか
F1のステファノ・ドメニカリCEOは、フリー走行の削減を検討していることを示唆する発言をしたが、その真意は何だろうか。

Jonathan Noble
編集: 2023/03/29 3:25
Copy link
Viberでシェア
Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

F1のCEOであるステファノ・ドメニカリは、MotoGP開幕戦が行なわれたポルトガルを訪れた際、ポルトガルのチャンネルSportTVのインタビューに応じ、様々なトピックについて考えを述べた。
しかしその中で、F1グランプリ週末のタイムテーブルを大胆に見直すことを示唆する発言があり、波紋を呼んでいる。
「私はフリー走行セッションの廃止を支持する。エンジニアにとっては非常に有益なものだが、世間的には好ましくないものだ」
そう彼は語ったのだ。F1の現オーナーであるリバティ・メディアは、スプリントレースを導入するなど、グランプリのフォーマットを一新することに躊躇しないため、ドメニカリの発言は必然的に何か大胆な計画があるのではないかと思わせる。
しかし、F1からフリー走行が完全になくなれば、参加チームやファンから不評を買うだろう。フリー走行はグランプリの週末において極めて重要な要素であり、ドライバーとチームにとって、予選と決勝を前に、セットアップとタイヤ戦略を練るために不可欠なものだからだ。
ファンから見れば、金曜日はたとえグリッドやリザルトに影響しないセッションだったとしても、多くの走行が行なわれるセッションなだけに廃止は歓迎されないだろう。
実際、ドメニカリのコメントをF1がフリー走行の廃止・削減を検討していると解釈すべきではないだろう。単純にフリー走行を廃止するのではなく、グランプリ週末のフォーマットを将来的に変更し、よりエキサイティングなモノにする可能性について、F1コミッションレベルで議論が行なわれているということだと理解されているのだ。
というのも、通常のグランプリ週末における3セッションのフリー走行は多すぎるという議論がある。予選や決勝に向けたセットアップや戦略を練る時間が過剰になることで、波乱が減ってしまうからだ。
スプリントがF1で評価されている理由のひとつが、予選前のフリー走行が1セッションのみとなり、イベントの激しさが増すからだ。ミスをする可能性が増えるため、チームもドライバーもより緊張感をもって臨み、結果の予測が難しくなるのだ。
ドメリカリの発言の真意は、週末のタイムテーブルを見直すことで、より多くのセッションが週末に意味を持つようにする方法はないだろうか、ということなのだ。
彼は昨年、『Corriere della Sera(コリエレ・デラ・セラ)』のインタビューでフリー走行の首位にポイントを与えるなどのアイデアについて語っている。
「通常の週末、金曜日にフリー走行が2回ある週末は、それぞれのセッションでポイントを与えたり、FP3の代わりに1周アタックか今とは異なる方式の予選をして、短い土曜日レースをしたりすべきだ。リバースグリッドの仕組みにするかもしれない」
「我々は多くのことをテーブルの上に置いている。多くの人がそれにノーと言うが、我々は(グリッドがミックスされることで)オーバーテイクがより多くなる美しいシーンを時に目の当たりにしてきたんだ」
F1はすでにスプリントレースを導入し、フォーマットに変化を加えている。この新フォーマットの課題は、スプリントレースの前に行なわれるフリー走行がほとんど意味をなしていないという現状を変える事だ。
そのひとつの方法として、土曜日の走行を完全に独立にするというアイデアが考えられる。金曜日の午後に行なわれる予選で日曜日の決勝レースのグリッドを決め、土曜日の午前に行なわれるフリー走行で、土曜午後に行なわれるスプリントのグリッドを決めるという案だ。
スプリントを行なわないレースでは、フリー走行でトップとなったドライバーにポイントを与えるようにすることも検討できるだろう。
しかしこのような方式は、チャンピオンシップの伝統からF1が遠く離れてしまうという批判がないわけではない。
またレース当日ではなく、金曜日にタイトルが決まる可能性も出てくるだろう。1ポイントでも獲ればライバルとの差を決定的にできる状況であれば、そうしたリスクも無視できないものとなる。
まだ何も決まっていないし、何を変えるかの議論も結論が出るまでには至っていない。しかしはっきりしているのは、金曜日の走行が今後も続くということだ。
ドメニカリの発言から見えてくるのは、チームの要求と観客の要求が相反する中で、どれくらいのフリー走行をこなすのが適切なのかという課題があり、リバティ・メディアはそれを探っていくのに積極的だということなのだ。
関連ニュース:
- ライバルが苦しんでいる間に差を開け! レッドブルのホーナー代表、開幕2戦連続1-2フィニッシュに満足も、慢心せず「そのうち差は縮まるはず」
- 買ったら何に使う? 2018年フォースインディアのF1モーターホームが競売に。元値からは破格の安さ
- ”F1を面白くする責任”はレッドブルのライバルにアリ。メルセデス代表「全力で追いつくことが我々の義務」
- スプリント開催巡りFIAとF1が不仲に? ベン・スレイエム会長は真っ向否定「ドメニカリと2日に1回話している」
- ”ウォーマーなし”のタイヤ導入へ、バーレーンGP後のテストにピレリ自信。ドライバーはまだまだ懐疑的な視線
あなたの意見が聞きたい!
Motorsport.comで何を見たいですか?
5分間のアンケートにご協力ください。
- Motorsport.comチーム
コメントを読んで投稿する
関連ニュース :
記事をシェアもしくは保存
Copy link
Viberでシェア
前の記事 角田裕毅、開幕2戦の走りにある程度満足も「チーム全体が覚悟の年。焦らずに少しずつ前進していきたい」
次の記事 ”トレーニング嫌い”の角田裕毅、楽しさが分かってきた? 新相棒デ・フリーズとも良い関係を築く
Top Comments
コメントはまだありません。 最初のコメントを投稿しませんか?
View More & Comment

More from
Jonathan Noble

大きく前進を果たせなければ、F1タイトル5連覇は目指せない……フェルスタッペン、レッドブルに警鐘鳴らす
F1
F1 2024/12/29
大きく前進を果たせなければ、F1タイトル5連覇は目指せない……フェルスタッペン、レッドブルに警鐘鳴らす

ハミルトンのメルセデスF1最終年度での苦戦、その原因は? エンジニアリング統括が明かす
F1
F1 2024/12/27
ハミルトンのメルセデスF1最終年度での苦戦、その原因は? エンジニアリング統括が明かす

僕にできることはある……ボッタス、“最悪のシナリオ”でF1シート喪失も闘志は消えず。酒の勢いで始めたおバカ挑戦で再認識
F1
F1 2024/12/25
僕にできることはある……ボッタス、“最悪のシナリオ”でF1シート喪失も闘志は消えず。酒の勢いで始めたおバカ挑戦で再認識
最新ニュース

これが“ヨーヨーレース”の功罪か。イタリアGPは各所で膠着状態が発生……その中で際立ったメルセデスとアントネッリの傑出度
F1
F1 F1
イタリアGP
8 時間前
これが“ヨーヨーレース”の功罪か。イタリアGPは各所で膠着状態が発生……その中で際立ったメルセデスとアントネッリの傑出度

キミ・ライコネンの息子ロビンがレッドブル育成入り! 11歳の”2代目アイスマン”に翼を授ける
F1
F1 F1
イタリアGP
8 時間前
キミ・ライコネンの息子ロビンがレッドブル育成入り! 11歳の”2代目アイスマン”に翼を授ける

VR46、モルビデリ後任にニッコロ・ブレガを2027年ライダーに起用。WSBKで2026年を支配する強者がMotoGPに転向
MotoGP
MGP MotoGP 8 時間前
VR46、モルビデリ後任にニッコロ・ブレガを2027年ライダーに起用。WSBKで2026年を支配する強者がMotoGPに転向

メルセデスはラッセルを優先するべきだった? モントーヤ主張「そうすれば良いバトルが見られたのに」
F1
F1 F1
イタリアGP
9 時間前
メルセデスはラッセルを優先するべきだった? モントーヤ主張「そうすれば良いバトルが見られたのに」
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
次の 2 つのオプションがあります。
- サブスクライバーになります。
- 広告ブロッカーを無効にします。
購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします
広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード
お知らせの管理
登録