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アルファロメオ代表、ノリスの「ペナルティなし」裁定に納得いかず。“情状酌量”が裁定の一貫性を崩している?

アルファロメオのチーム代表、フレデリック・バスールは、F1ロシアGPでピットレーン入口の白線を越えたランド・ノリスがペナルティを受けるべきだったと考えている。

Lando Norris, McLaren MCL35M

写真:: Mark Sutton / Motorsport Images

 先日行なわれたF1ロシアGPは、終盤に降った雨も相まってドラマティックな展開となったが、その中でランド・ノリス(マクラーレン)がピットレーン入口のラインカットを犯しながらも戒告処分で済んだことは議論を呼んでいる。

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 最終的に7位でフィニッシュしたノリスが仮に5秒ペナルティを受けていれば、彼は9位に降着となり、アルファロメオのキミ・ライコネンやレッドブルのセルジオ・ペレスは順位が繰り上がることになる。そのためアルファロメオのフレデリック・バスール代表は、ノリスにはペナルティを与えるべきだと考えている。

 確かにこの件は、明らかにペナルティとなってもおかしくない場面であった。レースが残り2周となるタイミングで、ノリスはドライタイヤからインターミディエイトタイヤに交換すべくピットレーン入口に向かった。しかしこの頃には雨脚がかなり強くなっており、ドライタイヤを履いていたマシンをコントロールするのが難しい状況だった。そのためノリスは、ピットレーンの白線を横切るような形でオーバーランしてしまい、本コースから再度ラインをまたぐ形でピットレーンに入った。

 ノリス本人もレース後のインタビューでペナルティを受ける可能性を認めていたが、一方のアルファロメオ陣営も同様に、ライコネンが8番手でチェッカーを受けた際、「ノリスのペナルティによって7位に繰り上がるはずだ」と本人に伝えたという。

 しかもアルファロメオにとっては、昨年のムジェロでライコネンがピットレーン進入時の違反により8位から9位に降格させられた苦い思い出がある。そのため、今回ノリスが戒告処分だけで済んだというニュースは、アルファロメオ陣営に不信感を抱かせた。バスール代表はFIAの一貫性のない裁定により、チームが損害を被っていると考えている。

 もし今回ノリスにペナルティが与えられていれば、ライコネンは選手権ポイントをさらに2点上乗せすることができた。また先日のベルギーGPでは、数周のセーフティカー先導のみでレース成立の判断が下されたことにより、予選好調で上位グリッドにつけていたライバルのウイリアムズが10ポイントを獲得する形となった。特にアルファロメオとウイリアムズはコンストラクターズランキング8位を争っており、このランキングによって各チームに振り分けられる分配金のことを考えると、スパでの10点は両者に大きな影響を与える可能性がある。

「ランドはソチで素晴らしい週末を過ごしていたので、(優勝を逃したのは)とても残念に思うよ」

 バスールはそう語った。

「しかし、彼が優勝に相応しい走りをしたからといって、ルールを変えなければいけない訳ではない。ルールというものは非常に明確で、ラインを越えればペナルティになる」

「その前例はたくさんある。角田(裕毅/アルファタウリ)がシュピールベルクで、ライコネンが昨年のムジェロで同じことをやった。今回と同じ(ウエット)コンディションで言えば、2019年のホッケンハイムでのルイス(ハミルトン/メルセデス)もそうだ」

 厳密に言えば、2019年のドイツGPでハミルトンがタイムペナルティを科された理由は、ピットレーン入口のボラードの外側を通ってピットインしたためであり、一度ピットレーンに入ってからラインをはみ出したノリスの一件とは若干状況が異なる。

 また興味深いことに、ピットエントリーに関する違反で戒告だけで済んだ例も他にある。それが2018年ドイツGPでのハミルトン。この時ハミルトンは一度ピットレーンに入ったものの、チームからステイアウトの指示を受けたことで、ラインをまたいで本コースに戻った。当時スチュワードは「ドライバーとチームがミスを認めたこと、チームがピットインするかステイアウトするかで混乱したことでミスに繋がったこと」が戒告に留めた理由だとしている。

 一方で今回ノリスが戒告となった理由については、ノリスが低速で走行していたこと、ラインを横切ったことが故意かつ予想可能なものであったとは考えられないことを挙げている。

 しかしながらバスールは、ノリスがスライドしてレーシングラインに入ってきてしまったことは、タイムペナルティにあたると主張する。

「今回のようなコンディションにおいて、あれはいつも以上によろしくないことだったと思う」

「角田がシュピールベルクでホワイトラインを踏んでしまった時に関しては、安全上の問題もなく、タイムを稼いだ訳でもなかった。まっすぐ進んでいる時にラインに触れても速くなることはない。しかし彼はペナルティを受けたんだ」

「ただ誰もそのことに文句は言わなかった。なぜなら、ラインを踏んでしまうとペナルティになるという明確なルールがあるからだ」

「先週に関しては、(ラインをまたいでピットレーンに戻ることによる)ランドのアドバンテージは大きかった。あの状況で5秒ペナルティ覚悟で(ピットレーンに)入るのと、諦めて雨の中スリックタイヤでもう1周走るのとでは、25秒ほどの差がついたはずだ」

「そしておそらく、5秒ペナルティでは十分ではない。ルイスがホッケンハイムでペナルティを受けた時、関係者の99%がそのペナルティは軽すぎると訴えていたからね」

「インシデントにまつわる弁明を探し出そうとしているが、それは非常に愚かに見える。ルールは非常に明確だ。そのルールでは、何がアドバンテージなのかや、それが正しい状況だったのかどうかは考慮されない」

 またバスールは、今回のノリスに関する裁定は、スチュワードが様々な事情を汲み取りすぎた結果だと考えている。

「私にとって疑問なのは、誰かがラインをまたぐ度にこういった議論を始めてしまうと、それらしい言い訳を探すようになるのではないか、ということだ」

「スチュワードのところに行って、データを見せながら説明をして……終わりの見えない議論をすることになる」

「ここ数週間で多くの問題が起きているのが恐ろしい。モンツァの予選では、ジョビナッツィ(アントニオ・ジョビナッツィ/アルファロメオ)をブロックしたドライバー(ハースのニキータ・マゼピン)が、チームからの情報伝達が不足していたという理由でペナルティを受けなかった。冗談みたいだ」

「3年前のモナコではジョビナッツィが同じことをしてペナルティを受けた。誰かのラップを台無しにしてしまった訳だから、私は文句を言わなかった」

「ミスが起きた背景や理由を考慮しようとするのは難しい。こういった点は新たに議論すべき点だ」

 アルファロメオは今季第2戦のエミリア・ロマーニャGPの際、キミ・ライコネンにリスタート時の手順違反で30秒のタイムペナルティが与えられたことについてFIAと一悶着あった。赤旗からの再スタートに向けてセーフティカー先導で走行するという特殊な状況下でのインシデントであったため混乱があり、スチュワードも「レギュレーションで明らかに曖昧な部分がある」と認めたが、それでも裁定は覆らず。ライコネンは入賞を逃す形となった。

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「イモラでキミに厳しい裁定を下した時、彼らは事の発端がレースディレクターにもあったことを考慮しなかったと思う」とバスールは言う。

「我々はここ6、7イベントでかなりの論争に巻き込まれている。我々はルールに従わないといけないと思っている。それ以上でもそれ以下でもない。振り返ってみればスパは最悪だった」

「ソチではターン2で縁石に乗ったドライバー(フェルナンド・アロンソ/アルピーヌ)が通常の退避路から戻ってこなかった。レースディレクターに問い合わせると『彼らはアドバンテージを得ていないから問題ない』と言うんだ。でもそれはルールではない。縁石を越えてしまったドライバーはちゃんとそこに行かないといけないんだ」

 バスールは今季これまでチームに悪影響を与える事象が続く中で、ノリスの一件がトドメになったと語り、こう続けた。

「ここ5、6レースを振り返ってみると、いくつかの論争があった。それはF1にとっても、チームにとっても、関係者にとっても良くないことだ。それ以前に、まるで我々が馬鹿みたいだ」

 
 

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