F1 イギリスGP
F1メカ解説|レッドブルが投入した”サルノコシカケ”エンジンカバー。その狙いとは?
レッドブルはF1イギリスGPでマシンのエンジンカバーに興味深い空力アップデートを持ち込んできた。
Matthew Somerfield Giorgio Piola
公開日時: 2022/07/02 9:02
Copy link
Viberでシェア
Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
Analysis provided by Giorgio Piola
多くのF1チームが大型アップデートを施したマシンを持ち込んでいる今回のイギリスGP。レッドブルは今季のマシン『RB18』のエンジンカバーとサイドポンツーンが接合する部分のボディーワーク形状を大きく変更。人ひとりが腰掛けられそうな程度の”サルノコシカケ”(樹木に生える扇型のキノコの一種)のような段差が付けられた。
これによりサイドポンツーン上部とヘイローから後方に伸びるラインと、空気の通り道がふたつに分けられた。
興味深いことに、レッドブルの姉妹チームにあたるアルファタウリの『AT03』はシーズン開幕時点からエンジンカバーを地面に対して並行に伸ばすアプローチを採用しており、どこかレッドブルの”サルノコシカケ”もそれに似た雰囲気を感じさせる。
AlphaTauri AT03 rear detail
Photo by: Uncredited
レッドブルはアルファタウリ同様に、冷却用に設けられたルーバーパネルをそれまでのサイドポンツーン上面から”サルノコシカケ”の上部に再配置。サイドポンツーン上面の気流をルーバーからの熱気で乱すことなく後方へ送ることができようになった。
つまりサイドポンツーン上面の気流はディフューザーへ向けられた落とし込み、もしくはサイドポンツーンエッジのバルジ部分を通ってフロアへと流れていく。
一方で、エンジンカバーのアウトレットを高い位置まで持ってくることで、ヘイローから後方へと流れる空気の通り道が作られた。これには、ビームウイングのパフォーマンスを上げる狙いがあると考えられる。
Red Bull Racing RB18 detail
Photo by: Uncredited
エンジンカバー以外にもレッドブルはフロアパッケージの最適化も進めており、ストレーキ部分やエッジ部分に修正を加えている。小さな変更ながらもフロア面の整流に寄与しており、全体としてのパフォーマンス向上に繋がっているはずだ。
レッドブルは今季、フロア全体を作り直さずに変更を加えられるように”パネル・セクション”を採用しており、状況に応じて柔軟に修正を行なっている。
またレッドブルはフロントブレーキアッセンブリーも、キャリパー設計の見直しを行ない、変更を加えてきた。近接する他コンポーネントによる過度な温度影響を防ぐ狙いがあるようだ。
写真は熱交換を管理するために表面処理が施されたキャリパーとブレーキディスクシュラウド。左が新しいコーティングバージョン、右が未処理バージョンだ。
Read Also:
- F1メカ解説|多くのチームがアップデート投入。その新しい姿をクローズアップ:イギリスGPピットレーン直送便
- F1メカ解説|メルセデスのアップデート、どこが変わった? 空力改善のため細部を微調整
- レッドブル、持ち込みセットアップ外した? ペレス「エアロの問題に苦しんでいた」
- アルボン車に大幅アップデートのウイリアムズ、その成果はまずまず?「Q2が妥当な目標」
- シルバーストンを楽しみつつも、角田裕毅初日の厳しい状況を認める「でも同じような所から入賞できたこともある! 諦めない」
あなたの意見が聞きたい!
Motorsport.comで何を見たいですか?
5分間のアンケートにご協力ください。
- Motorsport.comチーム
コメントを読んで投稿する
関連ニュース :
記事をシェアもしくは保存
Copy link
Viberでシェア
前の記事 メルセデスF1、イギリスGP初日好調な走り出し「我々は一歩前進できたようだ」
次の記事 F1イギリスFP3:フェルスタッペンが2番手ペレスに0.4秒差でトップタイム。メルセデス勢はフェラーリ勢に割って入る
Top Comments
コメントはまだありません。 最初のコメントを投稿しませんか?
View More & Comment
More from
Matthew Somerfield

F1メカ解説|ハース、アメリカGPに大規模アップデート投入。サイドポンツーンが今季のトレンドに似た形状に……パフォーマンス向上なるか?
F1
F1
アメリカGP
2023/10/20
F1メカ解説|ハース、アメリカGPに大規模アップデート投入。サイドポンツーンが今季のトレンドに似た形状に……パフォーマンス向上なるか?

F1メカ解説|メルボルンにやってきたマシンたち。接写することで見える細かな工夫|オーストラリアGPピットレーン直送便
F1
F1
オーストラリアGP
2023/04/01
F1メカ解説|メルボルンにやってきたマシンたち。接写することで見える細かな工夫|オーストラリアGPピットレーン直送便

F1メカ解説|アストンマーチン、グレーゾーン攻めた”奇抜リヤウイング”導入! 消えたはずのエンドプレート復活
F1
F1
ハンガリーGP
2022/07/30
F1メカ解説|アストンマーチン、グレーゾーン攻めた”奇抜リヤウイング”導入! 消えたはずのエンドプレート復活

More from
レッドブル

キミ・ライコネンの息子ロビンがレッドブル育成入り! 11歳の”2代目アイスマン”に翼を授ける
F1
F1
イタリアGP
1 日前
キミ・ライコネンの息子ロビンがレッドブル育成入り! 11歳の”2代目アイスマン”に翼を授ける

レッドブルF1マシンがマドリード地下鉄を走行! RB8を線路仕様に改造した前代未聞の挑戦
F1
F1
スペインGP
1 日前
レッドブルF1マシンがマドリード地下鉄を走行! RB8を線路仕様に改造した前代未聞の挑戦

角田裕毅、3戦連続の代役出場へ! 手首負傷のアイザック・ハジャーがスペインGPも欠場
F1
F1
スペインGP
2 日前
角田裕毅、3戦連続の代役出場へ! 手首負傷のアイザック・ハジャーがスペインGPも欠場
最新ニュース

クアルタラロ、2027年にヤマハからホンダへ移籍も「すぐに勝てるとは思っていない」
MotoGP
MGP MotoGP 22 分前
クアルタラロ、2027年にヤマハからホンダへ移籍も「すぐに勝てるとは思っていない」

アロンソ、母国スペインGPで来季の去就は発表せず。アストンマーティンは辛抱強く待つ姿勢
F1
F1 F1
スペインGP
11 時間前
アロンソ、母国スペインGPで来季の去就は発表せず。アストンマーティンは辛抱強く待つ姿勢

ジョアン・ミル、転倒しまくりは身に抱える”悪魔”が悪さ?「自分はトップ争いができると分かっているとね…」
MotoGP
MGP MotoGP 12 時間前
ジョアン・ミル、転倒しまくりは身に抱える”悪魔”が悪さ?「自分はトップ争いができると分かっているとね…」

フェラーリ、ハミルトン優先判断は近い?? モンツァでのトラブルは「良くなかった」とチーム代表認める
F1
F1 F1
イタリアGP
13 時間前
フェラーリ、ハミルトン優先判断は近い?? モンツァでのトラブルは「良くなかった」とチーム代表認める
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
次の 2 つのオプションがあります。
- サブスクライバーになります。
- 広告ブロッカーを無効にします。
購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします
広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード
お知らせの管理
登録