F1 トルコGP

ホンダF1の躍進が悩みのタネに……PUを限界まで追い込むメルセデスが抱えたトラブルは未解決

ルイス・ハミルトン(メルセデス)は、F1第16戦トルコGPでパワーユニット(PU)交換により10グリッド降格ペナルティを受けることになった。ただ、メルセデス製PUの信頼性の問題が解消されたワケではないという。

Luke Smith

Luke Smith

編集: 2021/10/12 12:09

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

Valtteri Bottas, Mercedes W12, leaves the garage

 F1第16戦トルコGPに先立ち、ルイス・ハミルトン(メルセデス)はパワーユニット(PU)のICE(内燃エンジン)を交換。規定数以上の投入により決勝では10グリッドの降格ペナルティを受ける事になった。ただ、ICEを交換したからといって、メルセデス製PUの信頼性トラブルが解消されたワケではないという。

Read Also:

 ハミルトンは予選Q3で最速タイムを記録したが、10グリッドの降格ペナルティにより、11番手からのスタートを余儀なくされた。なんとかペナルティによるダメージは最小限に抑えることができた形だ。

 ハミルトンのタイトル争いのライバルであるマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は、イギリスGP決勝での高速クラッシュで1基全損させた以外では、ホンダ製PUを一切失っていない。一方、レッドブルとは異なりメルセデスのPU変更はICEに懸念が生じたことによるものだとチーム側は示唆していた。

 F1にV6ハイブリッドターボが導入されて以降常にPU面で優位に立ってきたメルセデスは、ホンダがF1最終シーズンで大きく前進したことにより、そのアドバンテージを失った。さらに、ホンダは今シーズン後半に2022年シーズンで投入予定だった新型エナジーストアを持ち込んでおり、タイトルを狙うレッドブルにとっては追い風となっている。

 メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、ICEに発生している問題について、チームが「PUの性能限界を引きだそうと試みると、いくつか障害が発生することは避けられない」と語った。

「2014年にハイブリッドエンジンが導入されて以降、我々のPUは1番信頼性に優れていた」とウルフは言う。

「限界を引き出そうとしているからこそ、ICEから発せられる異音のように現段階で原因が分かっていないモノが発生するのだ。過去には、そこから(信頼性の)トラブルとして現れたこともある」

「根本的に壊れたICEはあるが、今は問題を食い止めるしかない。現段階ではパーツの再設計には取り組めないからね」

Lewis Hamilton, Mercedes W12

Lewis Hamilton, Mercedes W12

Photo by: Glenn Dunbar / Motorsport Images

 PU開発が許される今シーズンが終わりに差し掛かっており、信頼性の懸念を抱えるICEの修正プログラムを開発・実行することは単純なことではない。加えて、メルセデスが直面している課題は、次世代PUが導入されるまで開発が凍結されたPUを使い続けることだ。

「性能と信頼性のバランスをとることは、ここ数年常に重要視されてきた指標であり、今後もそうあり続ける」とウルフは続ける。

「現在問題は分析中であり。来季にそれを持ち越すことはないだろう。今は問題を食い止めるための解決策を見つけることが重要だ」

 予選後に「11番手から(決勝で)勝つことはかなり厳しいが、不可能ではない」と語ったハミルトン。チームはPUエレメント一式ではなくICEのみをトルコGPで交換したため、最後尾からのスタートを迎えることはなかった。

「ターボや他の補助パーツは、依然素晴らしい状態にある。走行距離もまだ想定内だ」とウルフは言う。

「だから他の新しいコンポーネントを投入する必要はなかったのだ」

 またハミルトンは予選後、さらなるペナルティを避けるべく「できれば3基目のPUを維持したい」と主張していた。ウルフは3基目のPUのマイレージは残っており、残りのシーズンを走り切ることも可能だとしているものの、その使用方法を慎重に計画しなければならないと認めた。

「問題は、まだマイレージが残っている3番目のPUをいつ、どのように投入するかという点だ」とウルフは語る。

「この件については、次の数レースで判断を下す必要がある。金曜日のみで使用するか、土曜日や日曜日にも使うかを決めることができるだろう」

 さらにウルフはこう付け加えた。

「まだ3基目のPUを維持してはいるが、これをどれだけ追い込めるのかがよく分かっていない。走行距離だけを理解するのではなく、他の信頼性のテーマでも理解を深める必要がある」

 フェルスタッペン、そしてレッドブル・ホンダとの熾烈なタイトル争いの中で、メルセデスにとってICEの信頼性問題は“目の上のたんこぶ”状態だ。来年の開発凍結までに問題を解決しつつ、今シーズン終了までPUのマイレージを管理していけるかが、タイトル獲得を大きく左右することになるだろう。

 

 

Read Also:

あなたの意見が聞きたい!

Motorsport.comで何を見たいですか?

5分間のアンケートにご協力ください。

- Motorsport.comチーム

コメントを読んで投稿する

関連ニュース :

記事をシェアもしくは保存

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

前の記事 チームメイトのサポートにライバルの邪魔……予選で“暗躍”したサインツJr.「妙なプランだったけど上手くいった」

次の記事 2021年 FIA F1世界選手権第16戦トルコGP 決勝ライブテキスト

Top Comments

コメントはまだありません。 最初のコメントを投稿しませんか?

View More & Comment

More from

Luke Smith



没後30年。アイルトン・セナとホンダの”絆”を、マネージャーの言葉で振り返る「彼はホンダに対して誠実だった」

F1

F1 2024/05/01

没後30年。アイルトン・セナとホンダの”絆”を、マネージャーの言葉で振り返る「彼はホンダに対して誠実だった」



”要求の厳しい”アロンソ。投資進むアストンマーチンF1を成長させるための絶好の配役

F1

F1

Aston Martin Silverstone Shakedown

2023/02/20

”要求の厳しい”アロンソ。投資進むアストンマーチンF1を成長させるための絶好の配役



ハミルトン、ハリウッドF1映画のプロデューサーとして演者オーディションに参加。ブラッド・ピットの共演者は多様性重視

F1

F1 2023/02/19

ハミルトン、ハリウッドF1映画のプロデューサーとして演者オーディションに参加。ブラッド・ピットの共演者は多様性重視

More from

メルセデス



平川亮、ブラウニングら多数のルーキードライバーがF1メキシコシティGPのFP1出走へ。ミニは公式セッション初登場

F1

F1

アメリカGP

13 時間前

平川亮、ブラウニングら多数のルーキードライバーがF1メキシコシティGPのFP1出走へ。ミニは公式セッション初登場



圧勝アントネッリと明暗分かれた8位ラッセル。メルセデスW17のアップデート後未だ表彰台なし「これほど大きく遅れているのは不思議」

F1

F1

アメリカGP

1 日前

圧勝アントネッリと明暗分かれた8位ラッセル。メルセデスW17のアップデート後未だ表彰台なし「これほど大きく遅れているのは不思議」



逆転戴冠”詰み”のラッセル、僅差のランキング2位争いには興味ナシ「僕にとっては何の意味もない」

F1

F1

アメリカGP

2 日前

逆転戴冠”詰み”のラッセル、僅差のランキング2位争いには興味ナシ「僕にとっては何の意味もない」

最新ニュース



ペレス、キャデラックF1との契約を複数年延長「今後3年間全力で取り組んでいく」

F1

F1 F1

アメリカGP

2 時間前

ペレス、キャデラックF1との契約を複数年延長「今後3年間全力で取り組んでいく」



F1王者ランド・ノリス設立のLNフュージョン、来季FIA F2の参戦権を取得。参戦全11チームが発表……F1デビューに向けた”最終関門”

FIA F2

F2 FIA F2 5 時間前

F1王者ランド・ノリス設立のLNフュージョン、来季FIA F2の参戦権を取得。参戦全11チームが発表……F1デビューに向けた”最終関門”



海外F1記者の視点|アストンマーティン・ホンダ決裂報道は事実無根。誤解から生じた話題がひとり歩き……一部メディアの”大騒ぎ”

F1

F1 F1

アメリカGP

7 時間前

海外F1記者の視点|アストンマーティン・ホンダ決裂報道は事実無根。誤解から生じた話題がひとり歩き……一部メディアの”大騒ぎ”



満身創痍マルケス、エネルギー枯渇……決勝日に「ソファ離れられない」時期もあったと明かす。スプリント勝利を”喜ぶ”力も温存

MotoGP

MGP MotoGP

オーストラリアGP

7 時間前

満身創痍マルケス、エネルギー枯渇……決勝日に「ソファ離れられない」時期もあったと明かす。スプリント勝利を”喜ぶ”力も温存

Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.

フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。

次の 2 つのオプションがあります。

購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします

広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード

お知らせの管理

登録