ウィケンス、インディカー復帰はハードル高し?「他の選択肢を探ることに興味がある」
インディカーでの事故と、怪我からのリハビリを経てレース活動を再開するロバート・ウィケンスは、インディカーへの復帰は実現が難しいと語りながらも、他の選択肢を模索すると語った。
Robert Wickens on his way to pit lane, Arrow McLaren SP Chevrolet
Geoffrey M. Miller / Motorsport Images
2018年にインディカーにデビューし、驚異的な強さを見せたロバート・ウィケンス。しかしポコノ戦での大クラッシュし、脊髄損傷を含む大怪我を負った彼だが、長いリハビリを経てレース活動を再開する。
ウィケンスは記者会見で、数々の負傷からの驚異的なリハビリが、今は頭打ちの状態だと認めた。
「率直に言って、見たままの状態だ」と、ウィケンスは語った。
「今、神経の回復という点では多かれ少なかれプラトー(横ばい)状態に達している。現代の医学や科学がこのままである限り、残念ながら残りの人生は車椅子の生活になりそうだ」
「だけど素晴らしい人生だ。僕は多くの機能を取り戻すことができた。支えがあれば立つことができるし、2~3歩は歩ける。でも今のところ、車椅子から完全に離れるということはできなさそうだ」
ハンドドライブ仕様のヒュンダイ・エラントラN TCRで、IMSAミシュラン・パイロット・チャレンジ(IMPC)を戦うウィケンス。彼はこのレースでの目標について、次のように話した。
「自分の中で設定した条件をクリアすること。レースで勝ち、表彰台に上り、世界にその実力を示すことだ」
「そこから先は無限の可能性がある。今持っているものに感謝しているし、その先に何があるのか見てみたい」
「”アドレナリン”が楽しみだ。ドライバーとして、レースに勝つという充実感、それが一番楽しみなんだ」
レース活動再開に向けて、一歩を踏み出したウィケンス。2018年にルーキー最上位9位となったインディ500に参戦する可能性について訊かれると、彼は次のように答えた。
「僕にとってまず大事なことは、IMPCに参戦して、もう一度やれることを自分自身に証明したいってことなんだ。ハンドコントロールを理解し、再び競い合うというコンセプトの証明に近いと思う。もう3年半もレースに出ていないんだ。自分自身と周りの人たちのために、もう一度できることを証明したいんだ」
「インディ500に参戦するのは素晴らしいことだと思う。その一方で、新しい道を模索することにもとても興味がある。僕はスポーツカーを走らせたことがない。IMSAの最高レベルであるウェザーテック・シリーズでレースできたら、素晴らしいものになると思う。LMDhのクルマは、とにかくクレイジーに見えるんだ。フォーミュラEもとても魅力的だ。インディカー以外の選択肢を探ることに興味があるんだ」
今回使用するハンドコントロールシステムを、インディカーに搭載するのは可能かと尋ねられ、ウィケンスは「それに答えるのは難しい」と答えた。
「インディカーは進化しているところだ。(2023年には)新しいレギュレーションが導入される。ハイブリッドが盛り込まれるので、ブレーキ・バイ・ワイヤ方式に進むことを期待していたけど、そうはなっていない」
「だから、同じ輪から抜け出せていないんだ。時間とお金、リソースがあればあらゆることが可能だと思うが、どうだろうか」
「それは実際、とんでもない要求なんだ。でも正直なところ、もしインディカーに戻れなくても僕は満足している」
「今回得られたこの機会に、再びステアリングを握り、長年レースを傍観してきた飢えを満たすことを心から楽しみにしている。将来的に色々なことが起こればその都度対処していくが、当面は正直なところ、インディカーが復帰後の実現可能な選択肢だとは思っていない」
「今、僕が知っているのはインディカーに必要な身体的特性だ。それを僕の手と、ハンドコントロールに適合させるには、多くのカスタマイズが必要だ。シリーズが本当に合意してくれるかは分からない」
「ブレーキシステムも変えなければならないし、パワーステアリングも必要だろう。インディカーにはパワーステアリングがないから、ワンオフのインディカーが必要で、他のチームが同意するかどうかも分からない」
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