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さらに近づく世界との距離。カートレースEXGEL MAXチャンプの進化するアプローチと不変のビジョン

ROTAXカートレースのひとつである「EXGEL MAXチャンプ」は2025年シーズンに向けて、より“世界”とのつながりが深まるシリーズへと進化する。

滑川 寛

公開日時: 2025/02/17 9:01

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MAXチャンプ ジュニア/シニア開幕戦鈴鹿

写真:: EXGEL Motorsport

 2025年シーズン開幕に向けて、ROTAX製エンジンを使用するカートシリーズEXGEL MAXチャンプのカレンダーが公表された。新シーズンに向けた変化、そしてその先に見据えているビジョンをEXGELの小川要社長に訊いた。

 車いす・介護用のクッションなどヘルスケア用品を展開するEXGELは、HANSデバイス用パッドなども手掛けており、モータースポーツ業界でもシェアを拡大している。かねてより四輪レーシングドライバーの“出発点”とも言えるカートレースへのサポートを続け、ハイレベルカートの一歩目となるFS-125クラスと同等のNEXT CUP、FIAの最高峰クラスOKを使用したOKチャンプなどの冠スポンサーとして、シリーズの企画運営にも携わってきた。

 2024年からEXGELはROTAX製エンジンを使用するROTAX MAXカートシリーズへの協賛を開始。「EXGEL MAXチャンプ」としてミニカテゴリーをフェスティカサーキット瑞浪で4ラウンド、ジュニアカテゴリーとシニアカテゴリーは鈴鹿サーキット南コースでそれぞれ4ラウンド、8月には鈴鹿で3クラス合同の特別戦を開催した。

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 ROTAXの良さは入門カテゴリーからトップカテゴリーまでを独自のピラミッド内で完結することのできる「広い裾野」だと語る小川社長。初年度にもかかわらず海外からの参戦を積極的に促進してきたが、3クラスとも鈴鹿での5ラウンド開催となるMAXチャンプの2025年シーズンに向けて、他シリーズとの併催ではなくイベントを主催することで、海外からの参戦ハードルをさらに下げることができたと語った。

「昨年は『カートレース IN SUZUKA』というシリーズの中にROTAX MAXが組み込まれていましたが、今年はROTAX MAXだけの単独開催のイベントとなります。これによりレースフォーマットの面でも大幅に自由度が上がります」

 小川社長は新シーズンに向けてそう語り、次のように説明を続けた。

「瑞浪のレースが人気を集めている理由のひとつが総当たり形式の予選形式や土日2レース制など、参加者にとっての魅力の大きさにあります。海外や、日本国内の遠方からの参加者にとっては、同じ日数の中でたくさん走れることがコストメリットにもつながります。これと同じことを鈴鹿でもやりたかったのです」

 また存分に走り込むことができるレースフォーマットに加え、イベントを主催することで、各シリーズに参加する際に求められるドライバーのライセンスの条件を緩和することができる。

「瑞浪と同じフォーマットのレースを鈴鹿で開催するためには、鈴鹿サーキットの協力が不可欠でした。2024年のMAXチャンプで実績を作り、当社の目指すモノを鈴鹿サーキットにも理解いただけたことが、2025年の大きな前進につながりました」と小川社長は続けた。

MAXチャンプ ジュニア/シニア開幕戦鈴鹿

写真: EXGEL Motorsport

「少なくとも昨年までの鈴鹿よりも、今年の鈴鹿の方が外国人ドライバーにとってはるかに魅力的になっているはずです。我々が主催するので、これまでは難しかったライセンスの問題もこれで解消します」

 2024年シーズンのMAXチャンプでは、優秀な成績を収めたドライバーをWRC(世界ラリー選手権)のラリージャパンに招待するといった賞典が用意された。これはトヨタからWRCに参戦する勝田貴元の、様々な世界を知ってほしいという想いが実現したモノである。

 その他、EXGELが協賛を行なうアメリカのROTAX MAXとのコラボレーションを通じて、カートの交換留学プログラムが設けられた。鈴鹿の特別戦ではアメリカから2名のドライバーが訪れ、日本からもMAXチャンプの各クラスでチャンピオンとなったドライバーが渡米してUS TROPHY FINALに参戦した。2025年も同様のプログラムが継続して実施されることとなっている。

 そして、国内外のROTAX MAXやフォーミュラカーシリーズで名を馳せた笹原右京が、引き続きMAXチャンプのアンバサダーを務める。またEXGELのカートシリーズを経て第一線で活躍する佐藤蓮や野村勇斗がシリーズのドライビングコーチとして直接指導を行なうことも既に発表されている。

 このようなEXGELの取り組みに加え、ROTAXエンジンの国内総輸入元であるEIKOの後押しや円安の追い風などもあり、MAXチャンプ開催初年度から特にアジアを中心に海外勢の参戦も多く見受けられた。2025年シーズンのMAXチャンプは、アプローチの進化により世界との距離がグッと縮まることになるはずだ。

 では、そもそもなぜ海外ドライバーの参戦ハードルを下げたり、交換留学プログラムを設けたりしているのだろうか? その背景には、未来の日本モータースポーツ界を担う若手ドライバーを育てたいという、MAXチャンプのブレないビジョンがある。

クインティン・ルゥ

写真: EXGEL Motorsport

「MAXチャンプを始める時の基本的な考えから全く変わっていません」と小川社長は言う。

「日本の子どもたちはどんどん減っていきますし、今の伝統を維持し、さらにレベルを上げていこうと思ったら、外国人もどんどん受け入れ、才能のあるドライバーを集めていけるような仕組みを作っていく必要があると思っています」

「そうなれば自ずと日本人の子どもたちのレベルも維持することができますし、その方向しかないと思っています」

「その手段として、例えば交換留学をやったり、外国人ドライバーが参加しやすいようにライセンスの条件を緩和したり、イベントを貸し切ったりと一歩一歩やっています」

「日本はエンジニアリングのレベルが非常に高く、良い部分の伝統もあると思っていますし、そういったモノも守って発展させていかなければならないとも思います」

「その中で才能のある日本人ドライバーが出てきて、世界を制覇するというのはもちろん念願ではあります。しかしそれを実現するためには、外国人ドライバーも入れていく必要があると思います」

 そんなEXGEL MAXチャンプの2025年シーズンは、3月1日に開幕を迎える。熾烈な競争を勝ち抜くのは誰か、目が離せない。

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